今日が終業日という学校、多いのではないでしょうか。
通知表が良かった方はもちろん、悪かった方でもそれを挽回するパワーのある、
不動産屋さんらしい夏休みの自由研究テーマをおすすめいたします。

庶民派アニメとして放送開始50年を超えたサザエさん。
その舞台はご存知、世田谷区桜新町。
昭和20年代は桜新町の広い平屋も、マスオさんの出身校である早稲田大学も、「庶民派」の要素だったんです。
今となっては豪邸であり並大抵の勉強では入学できない一流大学になってしまいました。

大黒柱の磯野波平さんは、京大卒とも言われています。
「磯野波平 給与」で検索すると、こんな画像が検索結果に大量に出てきます。



そんなウルトラハイスペック一家の磯野家。
その一家が住む豪邸は、古めかしい外観でかなり控えめな一家である演出をしていますが、その推定価格は2億5500万円程度とも言われています。
サザエさんが鉛筆くわえて、「あーあ、母さん、今月も赤字よ。」とぼやくシーンがありますが、当時の住宅金融公庫の金利(5.5%)でフルローンを組んだ場合(実際にはこんなに貸してくれませんので注意。)、月の返済額は136万9,391円です。
おそらく、波平さんはノリにノっていた時代があって、その時は楽勝で返済できるだけの給与があったのでしょう。
商社勤務で手取り月収200万円前後あれば、2億5500万円を貸してくれるでしょう。
その後、何らかの不祥事を起こして左遷されてこの額になったと考えるのが自然です。
「波平 机」で検索してみてください。
窓際で、机の上には電話しかありません。
たぶん、十数年前までの会社でよくみられた、追い出し部屋にいるのだと思います。

これは、こんな豪邸に住んでいる場合じゃありません。
一刻も早く売却しないと、糧が尽きて相当足を見られながら任意売却するか、最悪競売で買い叩かれて巨額のローンだけが残ってしまいます。

磯野家が豪邸である。
・・・これはすでにネット上で広く噂されていて、だいたい幾らぐらいするみたいなことも書かれています。
そこで、不動産屋が意地をかけて、売却に必要な登記情報を作ってみました。

たぶん、ここまでやった人はこの世にいないと思います。

思えば磯野家だけでなく、ドラえもんののび太くんの家や、クレヨンしんちゃんなども控えめっぽい家に住んでいながらも昨今の住宅事情を考慮すると今となっては豪邸です。
そうした住宅も、過去の事情などをしっかりと調査したり、予測しながら作ってみると面白いと思います。

まずは、土地からです。






今は、274平方メートルの広い土地ですが、表題部を見ると合筆されていることがわかります。
合筆とは、隣の土地を買ってくっつけるという意味です。
磯野さんの家は、かつて「浜さん」という人が住んでいました。
いつの間にか「伊佐坂さん」に変わっています。
これば、かつて磯野家は浜さんの家の隣にあったのは確かに浜さんだったのですが、浜さんが転居するタイミングで波平さんが買い取って、当時の波平さんの自宅も含めて全部取り壊して、全部を建て替えたと考えるのが自然です。
そこで、浜さんの家の登記記録です。


確かゴミ捨て場があったような気がします。
これは、浜さんが自分のものだと思って住み続けていたことから、時効取得したことにしましょう。


続いて建物です。
昭和27年に取得した土地の建物を取り壊し、昭和28年に新築しています。



取り壊しを理由に登記を抹消した浜さんの自宅建物の登記情報です。

次に、隣地を買い取って建て替える前に磯野一家が住んでいた住宅の登記記録です。
建て替えに伴って取り壊しているので、これも浜さん同様、閉鎖登記記録です。

土地を合筆・分筆したら、面積を土地家屋調査士に調べてもらわないといけません。
そして、建物も同様保存登記をするときは建物の規模を土地家屋調査士に調べてもらわなければなりません。
このような書類を添付します。




念のため、根拠として手元に残したメモを貼っておきます。



是非、他のアニメでもチャレンジしてみてください。