こんにちは。セージです。
続けようと思っていた読書記録、また面白い本を読みましたので共有です✨
青山美智子著「お探し物は図書室まで」
(ポプラ社 こどもっとラボ より抜粋)
■読むきっかけ
こちらも前回の読書記録「罪の声」と同様、オーディオブックをいろいろと探していて見つけた小説です。
オーディオブックの作品詳細を読んで、優しい気持ちで読めそうだなと思って読み始めました。
■作品について
大きく5章に分かれており、それぞれ語り手が違います。
1章目:朋香 二十一歳(婦人服販売員)
2章目:諒 三十五歳(家具メーカー経理部)
3章目:夏美 四十歳 (元雑誌編集者)
4章目:浩弥 三十歳 (ニート)
5章目:正雄 六十五歳(定年退職)
その人その時に悩んだ人たちが、町の小さな図書室でとある司書さんに出会い、おすすめされた本を借りることで自分の「生き方」の方向性を決めていく物語。
司書さんは一貫して出てきますが、あくまでもレファレンスサービスとして対応し、「本のおまけ」を通じて助言ともならない言葉を伝えていくだけ。
決めるのは、行動するのはあくまでも語り手に終始していることが余計に面白さを感じさせます。
<あらすじ>
お探し物は、本ですか? 仕事ですか? 人生ですか?
人生に悩む人々が、ふとしたきっかけで訪れた小さな図書室。
彼らの背中を、不愛想だけど聞き上手な司書さんが、思いもよらない本のセレクトと可愛い付録で、後押しします。
仕事や人生に行き詰まりを感じている5人が訪れた、町の小さな図書室。「本を探している」と申し出ると「レファレンスは司書さんにどうぞ」と案内してくれます。
狭いレファレンスカウンターの中に体を埋めこみ、ちまちまと毛糸に針を刺して何かを作っている司書さん。本の相談をすると司書さんはレファレンスを始めます。不愛想なのにどうしてだか聞き上手で、相談者は誰にも言えなかった本音や願望を司書さんに話してしまいます。
話を聞いた司書さんは、一風変わった選書をしてくれます。図鑑、絵本、詩集......。
そして選書が終わると、カウンターの下にたくさんある引き出しの中から、小さな毛糸玉のようなものをひとつだけ取り出します。本のリストを印刷した紙と一緒に渡されたのは、羊毛フェルト。「これはなんですか」と相談者が訊ねると、司書さんはぶっきらぼうに答えます。 「本の付録」と――。
自分が本当に「探している物」に気がつき、
明日への活力が満ちていくハートウォーミング小説。
(ポプラ社 こどもっとラボより抜粋)
■「お探し物は図書室まで」感想
●本の全体
図書館も好きでしたが、学生時代に学校の図書室が大好きで昼休みのたびに入り浸っていたことを思い出しました。
図書委員にもなって、司書の先生と仲良くなって、おすすめの本を教えてもらったりね。
件の司書―小町さんに自分の悩みに関するジャンルの本のレファレンスを依頼すると、ジャンルで必要なものはもちろん、最後の一冊だけ書架棚もジャンルも違う本が出てきます。
それは絵本だったり、図鑑・詩集だったり。
それと一緒に渡してくれる小さな「おまけ」に最初は首を傾げますが、小町さんの言葉と一緒にそれがお守りになっていく。
その人にとっては心情だったりこれからの行動の方面だったりを決める重大なことが、無造作に伝えられるギャップとが面白く、心が温かくなるお話でした。
もし現実でここまでピンポイントに、しかも求めているジャンルとは違うのにその人に刺さる本をレファレンスできる人がいるなら、その図書室にきっと通い詰めになります(笑)
●個人的推しポイント
ここもネタバレをしない程度に…
悩みが身近
普段私は少年漫画愛好家と言っていいくらいのオタクなのですが(笑)
少年漫画では、悩みが世界の存続に繋がったりと大きいので、面白く感じつつも共感はできません(笑)
それぞれ登場人物が、普段生活をしている中で「すぐどうにかしたい」というほどではないけれど心でモヤモヤしていることが、本をきっかけにすっと凪いでいく。
特に1章目と3章目は主人公が同じ女性ということもあり、「こんなこと確かに不安だった」「こういう悩みは女性共通なのかな」と思ったりと、興味深く読み進めました。
おすすめの章
個人的におすすめは、3章目の「夏美」。
ちょっと私より年は上ですが、出産後女性のキャリアに対する悩みで、このような悩みは尽きないのかな、私は今後大丈夫なのかな、という思いがやはり噴出します。
子どもも確かに欲しいけど自分もバリバリに働きたい、という悩みは、イクメンという名前が出てきても女性が直面する可能性が高いものだと思えて、現在小さな子がいる友人にも重ね合わせて読みました。
「夏美」が自分の心や周囲の環境とどうやって向き合っていくのか、どのように生き方を組み立てていくのか。
ちょっとドキドキしながら、最後まで楽しく優しく読めた章でした。
■最後に
おすすめの章で「夏美」を上げましたが、他の章もそれぞれと違った思いを持った人たちが自分の人生にもがいていて、「悩んでいるのは自分だけじゃないんだ」と勇気をもらえる小説です。
同時に、周りの人たちへの感謝の思いを持つこともでき、温かい気持ちで読めました。
自分の人生を考えるきっかけになるかもしれない一冊、興味があれば手にとって見てください。
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