こんにちは。セージです。
久々に面白すぎる本を見つけてしまいました…!
映画化もされているほど人気なので、ミステリー好きな方なら知っている方もいると思います。
塩田武士著「罪の声」
(講談社BOOK倶楽部 より抜粋)
ミステリー好きでなくてもタイトルは聞いたことがある方もいるかもしれません。
とにかく面白く、一気に読んで(聞いて)しまった!
正直有名でもあるので、既に読んでいる人も多いと思うので、感想を書くことに躊躇しましたが、作りこみに脱帽すらしたので、手に取ってほしい一冊です!
■読むきっかけ
読む、というか聞いたが正確には正しいですね。
オーディオブックという聞く読書のアプリをインストールしていたのですが、その中で見つけたから聞き始めました。
といっても最初は読む(聞く)気ではなく、むしろタイトルからして暗そうだな、と思ったことで読まない気満々でした。
(表紙も薄土色に骸骨と薄暗いイメージ…)
それでも読んだ理由は、主人公の一人の新聞編集者・阿久津の声を声優の津田健次郎さんがやっていたからです(笑)
かなーりなオタクである私、マンガ萌えとキャラ萌えが激しいです(笑)
その中で呪術廻戦の七海建人とドハマりしまして…w
その声優の津田健次郎さんが演じるなら内容関係なく聞きたいな、と思ったのが始まりです。
そうしたら、マッジで面白かった!!
邪な理由とはいえ、読めたの本当感謝する勢いです。
余談ですが、個人的な意見としてオーディオブックではミステリーなどの読み込むものは向いていない気がしています。
理由としてはいくつかあるのですが、
・「ながら聞き」には難しい(歩いている時だけならともかく何かしら手元作業していると聞き入ってしまう)
・伏線や工作など「戻って読みたい」というところに戻れない
・ちゃんと感情的に読み込んでくれるので胸糞展開だと腹が立つ(これは私の問題かw)ので傍から見たら不審者になってしまう(笑)
(というかなりかけて放った小説が数冊w)
…という個人的な理由によりあまり読まないようにしていたのですが、読まず嫌い良くないなーと思いました。
■「罪の声」について
最初に謝罪します。
本の紹介、感想文と書きつつ、あらすじは映画やHP等で上げられている内容以上に取り上げません。
理由は、本当面白かったのでできるだけ先入観なく読んでほしく、ネタバレをしたくないからです…!
感想文書くなら同じじゃん!というツッコミはごもっともだと思いますが、できるだけ抵触しないようにしますが、ネタバレ可能性あることをご了承いただければと思います。
――脅迫テープに残された子どもの声 「俺の声だ」――
「脅迫テープ」「子どもの声」。普通ならイコールに結ばれない言葉に、不穏な気配が滲む。
かつて日本を震撼させた森永・グリコ事件。
未解決に時効を迎えてしまった食品会社を標的とした一連の企業脅迫案件をモチーフにしたこの小説は、綿密な取材と着想が織り交ぜられ、「本当にそうだったのではないか」とリアリティに溢れ、大きな話題を呼びました。
実際に原作は2016年の「週刊文集」ミステリーベスト10で第一位を獲得し、主人公の一人である新聞記者・阿久津を小栗旬が、もう一人の主人公でありテーラーの若き主人曽根俊也を星野源が演じて映画化しています。
<あらすじ>
平成が終わろうとしている頃、新聞記者の阿久津英士は、昭和最大の未解決案件を追う特別企画班に選ばれ、30年以上前の件の真相を求めて、残された証拠をもとに取材を重ねる日々を送っていた。
その件では犯行グループが脅迫テープに3人の子どもの声を使用しており、阿久津はそのことがどうしても気になっていた。
一方、京都でテーラーを営む曽根俊也は、父の遺品の中にカセットテープを見つける。
なんとなく気になりテープを再生してみると、幼いころの自分の声が聞こえてくる。
そしてその声は、30年以上前に複数の企業を脅迫して日本中を震撼させた、昭和最大の未解決の件で犯行グループが使用した脅迫テープの声と同じものだった。
真実を追う阿久津と、脅迫テープに声を使用され、知らないうちに巻き込まれてしまった俊也を含む3人の子どもたち。
35年の時を経て、それぞれの人生が激しく交錯し、衝撃の真相が明らかになる―
■「罪の声」感想
●本の全体
まず、私はこの小説の中での話の元となっていることについて事前には何も知りませんでした。
この小説が面白すぎて、他の人の感想も知りたい!と思って検索したところ、元になることがあったということを知ったくらいです。
しかし、脅迫テープに子どもの声を吹き込む、企業への脅迫が大規模であるにも関わらず要求されたのはそれにそぐわない金銭、不明な犯人グループの思惑など、最初から最後まで、把握したと思ったらまた不明な点が次から次へと出てくることに、今まで読んだミステリーの中でも異色の内容だと感じました。
そして、タイトルにもなっている「罪の声」。
これは3人の子どもの脅迫テープの声だということはなんとなく序盤で察しが付きますが、この子どもの声は誰が吹き込んだのか?
何の意図でわざわざ子どもの声にしたのか?
子どもは一体誰なのか?
一人は主人公の片割れである曽根俊也の声だとわかりますが、まだまだ舌っ足らずな幼い子どもの声。
おそらく(実際その通りですが)、どんな内容を言っているのかもわからないで発しているのだと思われます。
逆を言えば、曽根の年齢は「大人がコントロールできる」子どもの声。
ただ、一人子どもの中で、小~中学生ではないかと思われる女の子の声が入っていたが、その子は既に「この声」が何に使われるかわかるはず。
その子は一体どうしたのか?
真相に近づいたと思ったらまた新たな謎が浮上し、様々な角度からあくまで第三者として探る阿久津。
意識しないまま、しかも物心つく前に当事者の一人とさせられてしまった曽根。
二人の追い求める真実はしかし、エンタメとしてのスクープと、自分の腑に落とせるための「落としどころ」と全く違います。
ほの暗い雰囲気の中、違うベクトルで探していた二人が邂逅するときはこちらも手に汗を握りました。
最後の真実と、そこに至るまでの描写と葛藤に、徐々に引き込まれていきます。
●個人的推しポイント
ここもネタバレをしない程度に…
1、描写が細かい!
写真をそのまま文に落とし込んだのではないかと思うくらいの細かい風景、心理描写のおかげで、今この相手が何を見ていてそこから何を得たのかがわかりやすく、二人の捜査の進みを把握していくことができます。
心理描写が細かいという通り、阿久津が新聞記者として上から詰められるときの余裕のなさや、曽根の張り詰めるような心境もとてもよくわかり、まるで自分が疑似体験できるような印象です。
捜査に出会った、もしかしたらこの件に関連するかもしれない人たちとの会話も、刑事ドラマであれば「そんなにあっさり喋る?」というようなものがなく(もちろんこっちはこっちで好きです(笑))、関わりたくないという葛藤、そこから口を噤む心理なども描かれており、人の弱さと向き合う強さも感じられました。
2、主人公2人の性格が良い!
読み始めたときは、
阿久津…物事に対して我関せずで偽悪的
曽根…現実を受け入れられず、だからこそ恐る恐る捜査をはじめ、不都合な真実に近づいたら隠そうとする
というように思えましたが、人間としての心理の弱さは感じられつつ、読み進めるとそれは単なる一面でしかなかったということが読み取れたりと、最後は「この2人が主人公で良かった!」と思えました。
通常では絶対に交わらないような営みの中にいる2人が、真相を追い求めることで交差して化学反応を起こし、闇を解決していく様が本当面白かったです!
■最後に
かなり熱く書いてしまった「罪の声」、文体も易しく読みやすいので、しっかりと厚みがある本ですが夢中になって読めます!
残念ながらオーディオブックでは期間限定の無料公開だったため、購入しなければ聞けませんが、津田健次郎さんの声で聞きたい際はぜひ(笑)
余談ですが、私のミステリー好きは父母の影響なのですが、面白さから母に熱く語ったところ、前回の帰省時に母も買っていました(笑)
私もオーディオブックではなく紙媒体で欲しく、つい買ってしまって読み直していますw
本当に内容が面白く、閉じようと思う瞬間がありませんでした!
映画は見ていませんが、この原作を忠実に守って作っているなら面白いと思うので、ぜひそちらでも見てみてください!
参考サイト:
https://eiga.com/movie/91122/
https://tsuminokoe.jp/
