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ぶたおのブログ

日々学んだことを記録します。

思考テクニック系の本です。
こういった思考系の本は実践しないと身につかないと日々痛感します。
しかし何年かして読み返してみると、以外に身についていたり、
共感できる部分が増えていたりして驚きます。
こういう内容は実践して反省して、と何度も読み返す必要があるのでしょう。

【書籍名】
ロジカル・プレゼンテーション―自分の考えを効果的に伝える戦略コンサルタントの「提案の技術」

【著者】
高田貴久
著者の方にお会いしたことがあります。
ミーハーすぎてサインまで頂いてしまいました(笑)
読者に歩み寄るような本書の内容からも推察されます通り、非常に気さくな方でした。

【本書を読もうと思った動機】
自分の話があまりに感覚論によりすぎていたことを問題視し、相手に話が伝わるコツを学ぼうと思ったためです。

【本書の内容ポイント】

バーバラ・ミント著の考える技術・書く技術が日本語に翻訳されてから、
日本では90年代から00年代にかけて多くのロジカルシンキング本が出版されました。
そして日本のビジネスマンの間に、MECE、フレームワークなどの概念が広まっていきました。
しかし、現場のビジネスマンの間でのコミュニケーションのすれ違いはなかなか改善しませんでした。
それを問題視した著者は、考えるための技術であるロジカル・シンキングをうまく活用するためには、
伝えるための技術まで踏み込んで学ぶ必要があると考えました。
そこで、以下の様な考える部分から表現する部分までを”提案の技術”と定義し本書を作成しました。

・論理思考力
・仮説検証力
・会議設計力
・資料作成力

本書の特徴的な部分は、記述が実践的である点です。
具体的に説明すると、我々がよく陥る問題点としてMECEなど意味はわかるが現場では使えないといったことが挙げられると思います。
本書はそういった意味はわかるが現場で使えないという点に歩み寄り、現場で使える技術を提供している点に価値があります。

【今後に活かすべきポイント】

○論理思考力
 ・タテの論理(so what?)
  ‐タテがつながらない原因は全て以下の3点に集約されるので自分の主張のチェックリストとすべし。
   ‐前提条件、同質化、偶然必然化
 ・ヨコの論理(so why?)
  ‐ヨコの論理については全体を定義しなければ漏れは発見できない。
   ‐全体を定義するためには視点を変える必要がある。
  ‐MECEにするための第1ステップは、言葉のレベル感を揃えること。
   ‐誰の言葉かを意識することで、視点を揃える。
   ‐どういう場面の言葉かを考えて、切り口を揃える。
  ‐MECEにするための第2ステップは、漏れダブリをなくすこと。
   ‐漏れをなくすには6次元で発想すること。
   ‐ダブリをなくすためには、MECEマトリクスを活用すること。
○仮説検証力
 ・この力は論理思考力に先立って必要となる力
 ・目的の理解
  ‐議論のスタンス
   ‐押し切るか、引き出すか
   ‐具体的に何かを決定して締めくくる癖をつける
  ‐相手の要望
   ‐アナログスキル
   ‐相手がほしい情報を考えて提供し続ける
 ・論点だし
  ‐大前提は、論点を知るための定石を十分に把握していること。
  ‐論点は目的によって変化する。
  ‐目的達成における意思決定が必要な判断項目を論点と呼ぶ。
  ‐経験上、論点を知るためには追加で定石を把握する必要がある。
  ‐論点がずれている場合の4つのチェックリスト
   ‐スタンス、要望、判断項目、当たり前
 ・仮説構築
  ‐論点を頭に入れる。
  ‐つねに「答えはなにか」を意識する。
  ‐とにかく多くの情報を眺める。
   ‐経験上、多くの情報源を知っておくことが必要。
 ・検証
 ・示唆
  ‐目的と論点の理解
   ‐上位概念に立ち返るということ。
  ‐論点の絞込み
   ‐更に下に潜り込むということ。
   ‐取捨選択にはアナログな能力が必要。
  ‐検証不能な作業設計を避ける。
   ‐どこにどのようなデータが有るかは普段のPJの中で蓄積し、データ感覚を磨く。
○会議設計力
 ・論理思考力や仮説検証とは全く異なる能力
 ・大前提
  ‐議題と論点を区別する
   ‐何について話し合い、意思決定すればいいかを洗い出す
  ‐誰に提案するのか意識する
   ‐相手が意思決定できるレベルと問題意識が変化する
 ・着地点
  ‐会議の位置付けの決定
   ‐目的・論点・仮説・検証・示唆
    ‐仮説と示唆の混同に気を付ける
    ‐要するに、どこまでが決定事項なのかを間違えないということ
   ‐顔見せ・ヒアリング・意見を伝える・議論・意思決定
   ‐現状・あるべき姿・解決策
    ‐あるべき姿と解決策の混同に気を付ける
  ‐イン/アウト管理
   ‐会議の位置付けが決まれば自ずと分かるもの
 ・着地スタイル
  ‐人を見て好みを判断する
   ‐広い視点で物事を捉えて全体観を大切にするので納得しない人
   ‐想い入れが強くで自分の頭にフィットしないと納得しないからタテの論理にこだわる人
   ‐物事の背景から知らないと気がすまない人
   ‐まず何が言いたいのかを重視する人
○資料作成力
11月頃から読んでいる以下の本達の書評を展開したい。

書籍タイトルと書評予定日は以下のとおりです。

【思考系】

1.ロジカル・プレゼンテーション(1/14)

2.考える技術・書く技術(1/20)

3.仮説思考(1/22)

【専門系】

4.新しい人事労務管理 第4版(1/16)

5.改訂2版 人事部 (図解でわかる部門の仕事)(1/17)

6.人事制度改革の戦略と実際―成果主義から戦略実現型へのステップアップ (Professional text) (1/18)

7.戦略人材マネジメント(1/23)

【自己啓発系】

8.伝説の新人(1/19)

9:ソーシャルスタイル仕事術(1/15)

10.僕は君たちに武器を配りたい (1/21)

11.20代の勉強力で人生の伸びしろは決まる(1/24)

この回では、上記の【思考系】の本の効果的なポイントについて経験から述べたいと思います。

私がこういった思考方法を説く本を効果的に使い倒すために決めているルールについてです。

それは一定期間、常に会社のデスクに置いておくことです。

逆に言うと、会社では思考系の本以外は机の上はPCとモニターだけな状態です。
(※残りの本は全て会社の私の本棚ゾーンに置いてあります。)

常に会社のデスクに本が数冊だけ。

この状態を作ることで思考方法を身につけるにあたって良いことが2点あります。

1点目:手にとってすぐに読めること

思考体系の会得には、習慣化するプロセスが欠かせません。

習慣化のコツは、何度も意識すること実践することです。

何度も意識して実践するためには、その本が手元にあることが大切です。

メールを書く時、打合せの議題を考えるときなど実務の様々な場面で、頻繁に本の重要なポイントを読み返します。
そして実践します。そうすることでロジカルな思考が習慣化を経て、徐々に会得することが出来ます。

2点目:その本しか目にはいらないこと

何かに集中するためには何かを捨てる必要があります。

目の前にある身につけたいテーマはひとつに絞って集中したほうが早く身につくと感じています。

他の本で読んだいい例えがあります。

野球の練習をする際には、スイングのフォーム、腰のひねり、顎の高さなど全てを同時に治そうとはしません。

テーマを意識して1つずつ改善していきます。

それと同様に、何かを身につけようとした場合、一つ一つ意識して着実に身に着けていったほうが早道な場合があります。

ただここには以下の様な論点があると感じています。

『着実に身に着けていったほうがいい内容と、どんどん同時に身に着けていった方がいい内容の違いは何か?』

という論点です。

私は経験から、思考系の本は着実に身につけるべき内容と考えています。

しかし、世に言う実務本であれば同一テーマの本を同時進行させたほうが、

効果的に身につくような気がします。

その考えられる理由としては、同じテーマに対して違うことを主張する本を比べることで

自分の中で問いが深まるからだと考えています。

以上

書評を定期的に掲載していきます。
目的は以下のとおりです。

 ・以下に向けて、自分の頭の整理を行う。  
  ‐人事系専門誌にこの1年で記事を掲載する
   ‐もっといけば、週間東洋経済やサッカー雑誌に記事を掲載する
  ‐今後20代で書籍を出版する

なるべく皆様にも面白く読めるように留意します。
それで負担が上がって書けなくなったら本末転倒ですが。

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正社員消滅時代の人事改革─制約社員を戦力化する仕組みづくり/日本経済新聞出版社
¥2,520
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【書籍名】
正社員消滅時代の人事改革

【著者】
今野浩一郎

【本書を読もうと思った動機】
○正社員の消滅による人事制度の改革にあたって、問題となる事項の“アテ”を付けたかったから
 ・人事制度は複雑に絡み合っているため、自分の想像では何が問題となるかアテをつけることが難しい面もある

【本書の内容ポイント】
○日系企業は評価の成果主義の傾向を強め、制約社員を基幹社員として活用すべき

○提言1
 ・仕事配分・人材配置の『交渉化』と『市場化』、業務の明確化という流れの中では、各人が賢い交渉人となるべき
  ‐『交渉化』が発生している具体例→目標管理、自己申告制度など
  ‐『市場化』が発生している具体例→社内公募制度、FA制度など

○提言2-1
 ・公平性基準と社員格付け制度は“仕事”重視となり、無制約社員の賃金の決め方は“仕事”に基づく制度を基本とする。

○提言2-2
 ・無制約社員とパートタイム労働者の賃金の公平性を保つためには逆Y字型の格付け制度が有効である。

【豚男の考察】
○経営陣や現場マネージャーに対する本書の以下の発言は業務負荷の面で非現実的
 ・多様化する人材をうまく活用するためには、従業員個人の要望に細かく応じて個人個人のキャリアを考えて仕事を配分し、全員とすり合わせミーティングをすることが重要

○改善手段として人材の内部市場価格制度の導入を提言したい。

 ・来る正社員の雇用流動化の時代に向けてという意味も含め、かなり極端な思想。

○私の考える内部市場価格制度の詳細は以下のとおり。
 ・コンセプト
  ‐全て自己責任(働くも働かないも自分の自由)
 ・前提条件
  ‐従業員は自分の時間単価を自分で決定する。
  ‐職能ベースでなく職務ベースで業務遂行を行う。
   ‐職能ベースでは人に業務が割り当てられるのでローテーションができなくなる
  ‐人材の評価は、過去に達成した職務の難易度と成果によって決定される
 ・内容 
  ‐FA制度、社内公募制度などで、仕事が応募者に提示される。
   ‐応募者は優秀さと時間単価をベースに評価を受け、適任者が選出される。
    →単価が安ければ安いほど、優秀であればあるほど応募者は選出されやすくなる。

○この制度のメリット
 ・単価を自分で設定できるので、単価を安く設定することで自分の志向するキャリアに合った仕事にありつくことが容易になる。
 ・単価の設定も優秀さも自己責任なので、従業員は人のせいに出来ない
  ‐全部自分しだい
   ‐プライベートを大事にしたい人は、働かない、安い賃金で働くなど
   ‐仕事に力を入れたい人は難易度の高い仕事に挑戦し、自身の評価と単価を向上させる
   ‐単価を高くしすぎて仕事取れなかったら自分のせい

○問題点
 ・いずれいなくなる部下を育成するインセンティブが上司に湧かないこと

○解決策
 ・育成者がFAなどの仕事の出し手に税金をかけることで育成コストを回収可能とする。
  ‐具体的には、部下(応募者)の単価に税金を上乗せする
  ‐結果的に、仕事の出し手が応募者を使うほど、応募者の元上司にはお金が入ってくる