【書評】日本のLBOファイナンス | ぶたおのブログ

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日本のLBOファイナンスを読んだので備忘メモを残す。

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特に、以下の2点の観点で参考となった。

 

観点1)LBOファイナンスの調達額に影響を与える要素のうち土地勘があまりない項目

  • のれん償却
    • 書籍には記載のない余談になるが、5年償却と考えた時に営業利益で賄える範囲を、買収額の最大値と捉える企業が存在する。そういった企業も最近ではあまり見なくなってきたようだ。(関係者談)
  • のれん減損発生時のBS(債務超過になる水準とその発生可能性)
  • リキャップにおける分配可能額規制(自己株式取得のみなし配当スキームにおいても留意が必要)
  • のれんの多額計上は分配可能額を圧縮する
  • 分配可能額の制約を緩和する目的での資本金からその他資本剰余金への振り替え
  • M&Aにおける取得費用の取り扱い(個別会計では取得原価=損金不算入、連結会計では費用処理)
  • メザニンファイナンスにおける「ホールド・コ・ファイナンス」
観点2)LBOファイナンス市場における相場感
  • 地銀は50億円前後までがメイン行として最大拠出額
  • スプレッドは0.5%~1.0%
  • LBOローンは大体30件/年
  • LBOセカンダリー市場の発展は道半ば
    • 1年でリファイナンスされるケースも多い現状ではセカンダリのニーズ無し
    • 市場規模が10倍になれば生まれるだろう
  • メザニンファイナンスは5~10件/年。1件当たり30億円程度。
  • メザニンでは優先株式が使用されるケースが増えている。
    • 背景:銀行からみると対象企業の自己資本比率が高い方が好まれるため。一方で、米国ではIFRS基準では優先株式は負債扱いのためこのようなインセンティブは働かない。