長崎県の平戸というところにあるお城には、たぬき櫓(やぐら)と呼ばれる建物があります。

ある時、やぐらの修理のために床板をはがしたところ、狸の家族が住んでいました。
その夜、たぬきは若いお侍さんに化けてお殿様の寝ている所に行き、こう言いました。

「私たちをやぐらに住まわせてください。願いを聞いてくれたら、お城をお守りします」とお殿様にお願いしました。
お殿様はそれをお許しになり、狸はやぐらに住みついたので、そのやぐらは狸やぐらと呼ばれるようになりましたとさ。

おしまい

平戸は、高倉健の映画「あなたへ」のロケ地になったとこ。
また、昔の不思議な話などを集めた甲子夜話を書いた松浦静山が治めていた藩でもあり、原本もあります。
凄く良い所で、ここでのんびり暮らしたいと思わせる場所でした。

 

昔々、ある所に心の優しいおじいさんと性根の腐ったおばあさんの夫婦がいました。

ある日、おじいさんが山で怪我をしている雀を見つけたので、家に帰って手当をしてあげると、雀はおじいさんになつくので、そのまま家で飼うことにしました。

ある日、性根の腐ったおばあさんが家の障子を張り替えようとしていたところ、雀が糊を食べてしまったので、怒ったおばあさんは、「糊を食べたのはこの舌か!」と言って、雀の舌を切り、家から追い出してしまいました。

家に帰ってきたおじいさんはその話を聞いて雀を探しに山に出かけると、山に雀のお宿があり、あの雀が招き入れてくれて、大層もてなしてくれました。
そして、おじいさんが帰る時に大小のつづらが用意されていましたが、「小さい方だけで十分」と小さいつづらだけを貰って家に帰り、つづらを開けると沢山の宝ものが出てきました。

その話を聞いた性根の腐ったおばあさんは大きいつづらにはもっと宝があるに違いないと雀の宿に押しかけに行きました。

かなりの時間が経ちましたが、性根の腐ったおばあさんがいつまで経っても戻ってこないので、心配したおじいさんは雀の宿に行くことにします。

宿に着くと、おじいさんは雀たちに性根のくさったおばあさんが来なかったか尋ねますが、雀たちはその話は後でと言い、宴会を始めます。

宴会の途中でしたが、おじいさんは、性根の腐ったおばあさんが心配なので、帰ると言い出します。
すると、雀は大きいつづらを持って帰るように言うので、つづらの方に目をやると・・・

つづらの蓋の隙間から性根の腐ったおばあさんの着物の切れ端が見えました。
おじいさんは、「まさか・・・」と言うと、雀たちは笑みを浮かべて「先ほどの料理でお前が食べたのは何だと思う?長年連れ添った女房の味はどうだった?」と言って笑いだします。

そして、おじいさんに、「この宿の場所をあのばあさんに教えたのはこの舌か」と言って、ハサミを持って迫るのでした。

おじいさんが欲深いおばあさんに雀の宿の場所を教えなければ、おばあさんもおじいさんも不幸な目に会うことは無かったでしょう。
小さいとはいえ、つづらを持ち帰った段階でおじいさんも少なからず欲があり、その欲が夫婦に不幸をもたらしたのです。

おしまい

昔々、ある所におじいさんとおばあさんが住んでいました。
おじいさんは山に芝刈りにおばあさんは川に洗濯に行きました。

おばあさんが川で洗濯をしていると、大きな桃がドンブラコ、ドンブラコと流れてきました。
おばあさんはその桃を持ち帰り、包丁で切ってみると、中から元気な男の子が現れ、おじいさんとおばあさんは大層喜んで桃太郎と名付けました。

桃太郎は立派に成長し、悪い鬼を退治しに行くといい、おばあさんに作ってもらったきび団子を持って、鬼ヶ島へ向かいました。

途中、犬と猿と雉がきび団子をくれたら、お供するといいます。
この時、桃太郎は(こいつらは、きび団子欲しさに付いてくるだけだから、決して義侠心からではない)と思い、一抹の不安を覚えますが、少しでも戦力の欲しいところなので、連れていくことにしました。

鬼は桃太郎一行に退治されて、もう悪さをしないと誓って桃太郎に謝ります。
それを聞いた桃太郎が帰ろうとすると雉が言います。
「鬼のお宝がこんなにあるぞ」
すると、犬が「頂いてしまおう」と言います。

それを聞いた桃太郎は「鬼は悪さをしたから退治したが、私たちは略奪者ではない、宝をもとに戻すんだ」と言うと、
猿が「うるさいガキだな、鬼は退治したから、もうお前との契約は終わったんだ。指図するな!」と怒鳴ります。
犬が「めんどくせぇから、やっちまうか」と言うと、
雉が「やっまえ!」と言って桃太郎に襲い掛かります。

桃太郎と三匹の獣の死闘は一昼夜続き、桃太郎はなんとか三匹を倒しました。
が、精も根も付き、「おじいさん、おばあさん、桃太郎はもうダメです・・・。きび団子おいしゅうございました・・・」と言って息を引き取りました。

その様子を物陰から観ていた鬼が言います。
「これで、また俺たちの天下だ!村の奴らどもを思い知らせてやる!」
そう言って、村に向かいました。

餌欲しさに付いて行くような欲深い輩を仲間にしなければ桃太郎も死ぬことは無かったでしょう。
おしまい