この病気の主な自覚症状は言うまでもなく咳と息切れ。

 当初は、なんだかいつまでも続くなあ、くらいに思っていた軽い咳は、今では朝起きた時、食事をする時、人と話す時、寝る時等ちょっとした動作がきっかけとなり、身体の内側奥深くから突き上げてくるような重苦しい咳に変わっている。

 一度出始めると、息を吐き切ってぺしゃんこになった肺が痙攣するまで止まらず、溺れる寸前のように必死で息を吸わなければならなくなる。当然息切れとしてもぎりぎりの状態になりゲーミングチェア(自分の居場所:安楽椅子状態)に身を委ね、息をハアハア言わせながら落ち着くのを待つことになる。

 

 息切れについては当初は階段を登る都度、健康だとしてもこのくらい息は弾むよなあ本当に病気なのかなあ、と余裕で思っていたのに、今では外から帰った時などリビングのある最上階まで一気に登りきることはできず、途中階で休まずにいられなくなってしまった(エレベーターなしの4階建て(高さは3階半))。

 やっとリビングにたどり着くと薬の袋や買物袋を放り出してやはりゲーミングチェアに身を委ね、同じく息をハアハア言わせながら落ち着くのを待つ。

 

 もちろん他にも様々な症状はあるが、基本はこの咳と息切れ。そのため私はゲーミングチェアで咳や息切れと闘いながらテレビを見ているか、なんともないようならソファに移ってパソコンに向かっているかのどちらか。

 家事はほとんどできないが、とりあえず自分だけで日々を過ごすことは可能。大学病院に行った時にここで進行が止まってくれればと思っていたことは以前書いたが、ハードルは随分下がったものの気持ちは今も同じ。

 

 夜、布団に入るとかつて退屈していた頃と同じように、つい、何かいいことないかなあ、と考える。しかしほとんど反射的に、今更いいことなんてある訳ないだろ、と冷静な自分に言い返される。いやでも、たいした悩みもなかった時と同じような思考がよぎるんだからいいじゃないか。寝転がってじっとしていれば咳と息切れは治まるので楽になり、少し気持ちに余裕が生まれる。そうだなあ。無意識のうちに呟く。何かいいことかあ。

 せめてここで止まってくれればなあ。