この戦法は本来、43銀63銀型に構えるが故の「ツノ銀」なのだが…
その形に対しては、対風車の場合と同様に組めば問題なさそうだ。
(強いて違いを挙げるなら、対風車よりも37角型が有効になりやすい)
…正直に言うと、美濃囲いのまま速攻を掛けられるほうがよっぽど怖い。
26歩 34歩 76歩 44歩 25歩 33角
48銀 42銀 56歩 52飛 68玉 62王
78玉 72王 57銀 43銀 77角 54歩
58金右 94歩 96歩 82王 88玉 72銀
98香 32金 66歩…(T)
美濃囲いに圧倒的な堅さはないが、完成までの早さは圧倒的である。
先手は不用意に組んでいると、簡単に作戦負けになる。
(それでもやっぱり端歩は受けたい)
…例えば、66歩のタイミング。
早すぎると32金を省かれてしまうし、遅すぎると中央を制圧されてしまう。
最も手堅いのは、32金の直後だ。
45歩なら67金と上がり、56銀～45銀を見せて五筋の歩交換を牽制する。
55歩 同歩 同飛 56歩 51飛 99玉
45歩 88銀…(U)
五筋の歩を角で交換させると、スムーズに44角～33桂と組まれてしまう。
…そうなると飛先逆襲の狙いや石田流への移行が生じて、実に面倒臭い。
本譜の順なら45歩に対して88銀が間に合うので、力強く反発できる。
44角 46歩 54銀 24歩 同歩 同飛
…(U1)
個人的に、無条件で44角～33桂を通したくはない。
(僕たち私たちの東大将棋では一顧だにされていないが…)
44角の瞬間に、46歩と揺さぶる。
46同歩なら普通に同銀だし、33桂にも45歩～46銀で問題ない。
54銀と上がらせてから飛車を走れば、後手は次の34飛を防ぎにくそうだ。
※46同銀に56飛と走り、45銀には26飛とぶつける手があるため不成立。
67金～79金と構えてから46歩を狙う方が自然かつ勝ちやすい。
21飛には68角、71角には65歩と対応しておけば特に問題ない。
54銀 67金 84歩 79金 83銀 59角
64歩 36歩 65歩 26角…(U2)
54銀に合わせて67金と上がる。
26角に対する44角の筋が消えたので、
あとは角を無事に転送できれば自然と先手が有利になっていく。
先手が警戒する必要のある仕掛けは…
・59角に対する 65歩 同歩 55歩と、
・36歩に対する 55歩 同歩 同角だ。
63歩型なら先に59角と引き、64歩型なら先に36歩と突くのが良い。
(五筋交換には46歩～56歩がある)
※42角～64角とぶつけてきたら、普通に角交換して68銀と固める。
65歩から攻められても63歩などの返し技が生じるので怖くはない。
64歩 79金 54銀 67金 44角 24歩
同歩 同飛 33桂 36歩 23歩 28飛
21飛 35歩 同角 55歩…(U3)
54銀型で44角と上がってきたら、素直に飛先を換えておきたい。
もちろん後手は逆襲を狙ってくるが…
そこで35歩～55歩というトリプルクロスカウンターをぶつける。
・63銀引なら56銀と立ち、次に65歩から自然に攻めれば良い。
・55同銀には65歩と突き、次に56歩や64歩を見て先手が指せる。
※21飛には単純に 65歩～77同金～35歩を狙うのが最も明快。
45歩32金型に限定されてしまう点が、後手にとって非常に辛い。
いつか採用したいと思ってはいたが…無期限延期になりそうだ。
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