S原三段はR大生で、右玉を得意としている。
先月のリーグ戦では菊水矢倉からの暴力的な攻めが決まったこともあって、
今回は普通の居飛車でやって来た。
76歩 34歩 26歩 84歩 25歩 85歩
78金 32金 24歩 同歩 同飛 86歩
同歩 同飛 34飛 33角 36飛 22銀
三手目の時点で妙な気配を感じたが、まさか本当に横歩を取ってくるとは。
よく考えると、横歩取り先手番の感覚は右玉に近いかもしれない。
(薄いが)バランスの良い陣形に構え、
無理気味の攻めを受け流しつつ反撃…
26飛 41玉 87歩 85飛 48銀 62銀
36歩 51金 37桂 86歩 同歩 同飛
そんなことを考えていたら、48銀。
研究と終盤力が支配する魔の世界、新山崎流に招待されてしまった。
…右玉とか全く関係ないですやん。
86歩からの仕掛けは、定跡通り。
35歩 85飛 77桂 35飛 25飛 同飛
同桂 15角 23歩 同金 16歩 48角成
23同金までは、いわゆるコピー将棋。
(変化したら即死するので仕方ない)
16歩のところでは24歩が一般的で、
それなら同角と取るしかなさそうだ。
居玉の相手に角を切ってこいと催促されたら、行くしかない。
同王 28飛 38歩 25飛成 26歩 同龍
15角 29龍 51角成 同銀 39金打 19龍
桂を外して一休みできると思いきや、
先手は最後の一歩を使い、角までぶった切って中原囲いをバラしてきた。
65桂 42銀打 82飛 17角 53桂成 同角成
24歩 33金 同角成 同桂 23金 71馬
65桂の味が非常に良いため、まだ優勢というには早すぎる。
とりあえず42銀打が、私の性格。
17角は次に36桂からの攻めを見ているが、実際には受けの一手だ。
ここから打てば引くとき馬にできる。
71馬で自玉の安全が保証された。
85飛成 27桂 22金 39桂成 同金 36桂
37王 45香 32銀 52玉 55龍 54歩
同龍 53歩 45龍 同桂 36王 16龍
26香 54歩 35桂 25角 45王 55金
…まで90手
馬を引きつければ紛れる余地はない。
最後はもっと綺麗な勝ち方もあるのだろうが、分をわきまえて俗に決めた。
新山崎流は今なお強力な作戦だが、85飛41玉のパターンにしか使いづらい。
複雑怪奇な変化を多数含んでおり、結論の大部分はプロしか知らない。
…アマチュアが新山崎流を極めるには、相当な覚悟と愛が必要だと思う。
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