次世代への伝言 #155 終章 次世代への伝言(4) 靖国神社② | 少年飛行兵 と 私 第二幕〜Thoughts About Peace

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2014年、突然閉鎖したブログ「少年飛行兵と私」
特攻隊員だった「彼」の遺志を確かめた僕は、「少年飛行兵と私 第2幕」として新たな旅を始めます

終章 次世代への伝言(4) 

【 靖国神社 】②

 

 

 

形態はさまざまなれど、戦争で命を落とした方々を讃え、その名を残す施設はどの国にでも存在します。

 

ただ日本の場合は靖国神社という宗教法人であるがゆえに、宗教上の信念や先の戦争に対する考え方から、合祀を拒まれるご遺族がいらっしゃることも事実ですが、「国家のために尊い命を捧げられた人々の御霊を慰め、その事績を永く後世に伝える」ための場所として存在することそのものは否定すべきものでも、非難されるべきものでもありません。

 

A級戦犯が合祀されていることを挙げる方もいらっしゃいますが、経緯はともかくこの合祀は「少なくとも形式上は」一宗教法人の判断によって行われた行為ですから、そもそも国内外問わず問題にすべきことではないですね。

 

靖国神社が国民に参拝を強要しているわけではないですからお気に召さなければ参拝しなければいいわけです。

 

問題はどこにあるかというと、東京裁判で「侵略の主導者」として認定されたA級戦犯(厳密にいうと松井石根大将は先に触れた通りA級の容疑では無罪です)が祀られている、そこに首相が参拝をするということは、少なくとも日本の指導者が先の戦争を正当化して侵略の事実を否定している。そう受け止められるということです。

 

いや、7人を讃えるために来たのではない、日本の歴史の中で国家のために尊い命を捧げられた方々を広く一般に追悼するために来たのだ、軍属・文官・民間人も祀られている

 そう主張することもできるでしょう。

 

でもこれは僕たち一般国民が主張できても、「その言動が日本という国を代表する」という立場にある首相が主張できるものではありません。

 

日本政府は東京「裁判」を受け入れている以上それに則った判断をすべきだし、その個人的心情がどうであれ誤解を招くことは避けた方がいいと僕は思います。