第三章 そして、ミンスク(5)
【 ナイラ 】①
ベラルーシのニュースサイト
ちゃんと英語でも配信している
「自国の平和と安全」がルカシェンカの口癖
裁判っていうのは国によって制度の違いはありますが、基本的には訴えた側と訴えられた人がいて、それぞれの主張や証拠を集めて判決を下すわけですね。
ただそこで真実が明らかにされるとは限らないし、必ずしも双方の主張や証拠が全て思い通り斟酌されるわけではありません。
絶対的事実であっても判決を左右するものかどうか、優先順位はつきます。
しかし結果はどうあれ、双方の主張の解釈がどうであれ、裁判の本質というのは「両方の話を聞く」ということです。
両方の話を聞いて訴えの内容が妥当かどうかを判断するわけですね。
別に裁判をするわけではないですが、これを今のロシアとウクライナの紛争に当てはめて、世界の人たちが今の紛争の正当・不当を論じるならば、まず「双方の主張する『事実関係』を示すこと」が一番必要だということになります。
このミンスクにやってきて、ベラルーシで報道されているニュースを毎日目にします。
ウクライナ紛争に関して言えばロシアの立場からの記事、ということになりますね。
いくつかのメディアからニュースを拾っていますが、第一の印象として客観的な記述が多いということです。
先にお話ししたように内容が一貫していて、「西側を非難することそれ自体が目的」の記事は少なくとも僕が見ている限りほとんどありません。
この国の人たちは西側のメディアに自由にアクセスできるし、あらゆるソーシャルメディアに投稿できます。
だから西側諸国が自国のことをどう思っているかも知ることができます。
少なくとも多くの日本人よりはメディアリテラシーが高いんではないかと...