第三章 そして、ミンスク(4)
【 対 話 】③
外務省Webサイト
慰安婦問題に対する日本国としての見解が示されています
さて、日本はこれでもう慰安婦の問題は外交上
「不可逆的に解決した」
という立場です。
条約や協定ではないものの国家間の取り決めですから、これ以上もこれ以下もないですね。
日本政府には、いつまでも次の世代に謝罪を繰り返させてはいけない、と言う思いがあります。
ところが韓国国民からは再交渉を求める声が上がり、ソウル中央地方裁判所は元慰安婦の日本政府に対する賠償請求を認めてしまった。
もちろん日本側はそれは日韓合意に反するという立場をとります。日本側としては「韓国がまたゴネてきた」と感じるでしょうし、見てはいませんがSNS上のやりとりで炎上しているであろうことは容易に想像できます。
しかし韓国がなにゆえにまた慰安婦問題を持ち出したのか、それは政治家を含む日本人が問題の本質に気づいていないからですよ。
韓国側、つまり政府を含めた韓国国民が求めているのは「真の気持ち」「心からの気持ち」なんだと僕は思います。
確かに「不可逆的に解決される」という日韓合意によって外交上の決着はつきました。
ところが日本人はこれをどう考えるかというと、賠償問題を含めてこれ以上言われることはない、極論すると慰安婦問題は忘れてもいい、という考えになります。
韓国人はそんなことを許すはずもない。いくらものごとが法的に決着したと言っても、道義的問題は別として残っているわけです。
民族に刻まれた占領期の経験は消えるもんじゃないんですよ。
子を殺された親の気持ちに例えるとよくわかります。
犯人が有罪になって罪を償ったとしても、子を失ったという事実と記憶は絶対に消えない。
よほど自己を超越した人でなければ犯人を許すということはできないはずです。親にとってせめてもの救いがあるとすれば、それは犯人の心からの反省です。
これと同じだと思うんですよ...