Message to Лукашенко
ベラルーシの秘密警察(どこが?) KGB
今年6月と8月、私はベラルーシのルカシェンカ大統領にメッセージを送りました。
ベラルーシにはKGBがあります。
あまりおおぴらに政府批判ができないのも事実ですが(ヒソヒソ話で大統領の悪口を言う)、そのかわり個人・団体を問わず大統領に直接意見を述べるシステムがあるんですよ。
ウクライナ紛争の真っ只中、どのようにしてこの争いを止めることができるのか、戦争当事国とも言える場所でその方法を考えていました。
モスクワから来ていたロシア人のルームメイト・Аида(アイーダ)、そしてベラルーシ人であるアパートの大家さん・Наталья(ナタリヤ)、そして私、の三人で、毎日のように今の紛争について語り合っていたんですね。
ある日私が、「大統領にメッセージを送りたい」と話したところ、二人が私の想いに共感してくれて、私が英語でメッセージを作り、そのニュアンスを伝えながら二人がロシア語に訳してくれたんですね。
いわば三人の合作なんですよ。
ナタリヤは私が3年前に物語を書いていたことは覚えているし、今回も二作目を書くヒントをいくつもくれました。アイーダは
「タダシ、考えてるだけじゃだめだ。行動しなきゃ。」
と言って背中を押してくれました。
このブログのサブタイトルにもなっている“Thoughts About Peace”はアイーダがつけてくれたものです。
ウクライナとベラルーシとロシアというのは同じ東スラブ民族で、いわば兄弟といってもよいくらいの関係でした。
ベラルーシは今回の紛争の根源というのも熟知しているし、こと現在に至る情勢の一部始終を知る立場にあります。
私が考えるに、双方を説得できるのは(アメリカがゼレンスキー君を自由にさせればの話だけど)事情を最もよく知るルカシェンカしかいないんですよ。
まあ一応、大統領府で受理はされています。
ルカシェンカが読んだかどうかは知らんけど。
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ちゃんと担当責任者による受理済みのサインあります
これ、送ったメッセージ。ロシア語での原文(冒頭部分)。
今回のウクライナ紛争に対する私の思いが凝縮されているので、日本語訳全文を記します。
(最後に、東條英機の言葉を引用してあります)
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親愛なる大統領閣下
私は現在ミンスクに滞在している日本人です。
本日はあなたにお願いのメッセージを送ります。
私は3年前、このミンスクに4ヶ月滞在しました。
私は当時ジョージアに住んでいましたがCovid-19の影響でジョージアに戻ることができず、このミンスクに止まらなければいけなかったからです。
ミンスクでの4ヶ月間、大変困難な中にある私を、アパートのオーナーは大変親切に助けてくれました。
そしてミンスクの人たちは全て私に親切に接してくれました。
そして今年の4月、私は彼らに恩返しをしようとミンスクにやってきました。
今日、私はあなたにお願いしたいことがあります。
ロシアとウクライナの間に平和をもたらす役割を果たしてもらいたいのです。
私はこの10年間、平和のための活動をしてきました。
そして太平洋戦争や特別攻撃隊、東京裁判について研究してきました。
その結果、あらゆる争いを止め、平和をもたらすのはお互いの理解と対話だけである、という結論を得ました。
そしてこの方法で、いま起きている紛争を解決できるのはあなただけだと確信しました。
どうか、行動をしてください。
私も日本人としてできることはします。私が協力できることがあれば命じてください。
日本政府は現在ベラルーシを敵対視しており、私の友人は私がベラルーシに行くことを止めました。
私は彼らに、あなた方は誤解している、と説明しましたが、彼らは耳をかしませんでした。
私は日本で生まれ、日本で育ちました。ですから日本を愛しています。
しかし日本は自分独自の道を歩こうとせず、アメリカに盲目的に従っています。これは間違っています。
日本人は西側諸国のニュースを信じ、ベラルーシやロシアのことを全く理解しようとしません。
しかし私はベラルーシという国、そしてルカシェンカ大統領の気持ちを理解しています。
リーダーであるあなたの行動は立派であり、日本の政治家など足元にも及びません。
日本をはじめ西側諸国、そしてそこに住む多くの国民は、自分たちの行為は正しく、正義であり、東側諸国の行為は間違っており悪であると考えています。
アメリカは自国の利益のためであればウソをつきます。イラクを侵攻するために作り上げた「ナイラ証言」を私は忘れません。
しかしいくら困難な状況にあっても、西側の人々も、東側の人々も、対話を諦めるべきではありません。
その仲介役を務めることができるのはあなただけだと私は思っています。
最後に、大統領閣下にこの言葉を贈りたいと思います。
かつて日本の首相であり、戦争責任を負って絞首刑となった東條英機が、死刑の直前に話した言葉です。
「太平洋戦争前において、日米両国民間がお互いを理解し、これが両国国交の上に、正しく反映していたとしたならば、両国民にとり、不幸であった太平洋戦争も、これを避けられたであろう」
ルカシェンカが二国間に平和をもたらすことを信じています。


