コラム◆レディ・フリーダ・ハリス①
トート・タロットの絵を描いた画家はレディ・フリーダ・ハリス(1877-1962)です。
レディというからには、女性でしょうか?
そうなんです。しかも、彼女は社会的地位の高い女性でした。
彼女の夫は英国議会のメンバーであるパーシー・ハリス卿だったので、
名前に「レディ」という称号がついています。
「レディ」のハリスと「黒魔術師」のクロウリー。
まるで正反対のような二人が一緒に
新しいタロット・デッキを創作したのはなぜでしょうか。
一般的に「トート・タロットといえばアレイスター・クロウリー」
というイメージが強いため、
クロウリーが主導して制作を進めて、
ハリスに絵を描かせた思う人が多いでしょう。
ところが、実際の背景はまったく違いました。
なんと、ハリスはお金を払ってクロウリーを雇い、
彼を監修者としてタロットの絵を描いたのです。
ハリスはクロウリーの弟子でしたが、
当時、破産してお金に困っていた彼は、
ハリスの申し出を断ることもなく、“雇われ教師”となったのでした。