マルシン MP40

 

1968年にMGCからシュマイザーMP40が発売された。

その1年前位か上野御徒町のボンドショップの店先にガラスケースが置かれ

そこにはMP38とストックを外しドラムマガジンを装着したトンプソンが

近々発売と書かれ展示されていた。羨望の目でガラスケースの中を見入った

覚えがある。

このMP38は1967年に公開された007シリーズで日本を舞台にした

『007は二度死ぬ』(You Only Live Twice )でも使用された。

日本国内での使用銃器はMGCのモデルガンが多く提供された様だ。

 

   

『007は二度死ぬ』のパンフレットと映画のワンシーン。丹波哲郎と浜美枝

 

ボンドショップの近くには中田商店があり展示用のMP38,MP40を見ることが

出来た。

当時のカタログ 試作品のトンプソンM1A1、MP38が紹介されている。

後に鉄製トンプソンM1A1は10丁が店先で販売された。

MP38は参考品止まりで販売はMP40になった。

 

せず

カタログにはMP38、MP40、MP41が紹介されている。

販売されたMP40は手動排莢(ブローバックせず)で9,800円

 

MGCのMP38は亜鉛製での販売となるが型抜きでの歩留まりが悪く窮地に

陥っていた。

その頃社内でプレス部門が立ち上がり急遽モデルをMP40に変更された。

実銃のMP38は鉄パイプを切削しレシーバーを作製、MP40はプレス加工で

作製した。

MGCのMP38は鉄パイプ切削ではなく型で作製、MP40は実銃と同じプレス

加工に。何か実銃と似通った感じがする。

プレス加工に変更したMGC MP40はモデルガンの最高傑作の一つに数えれる

存在となったのは怪我の功名とでも言える。

 

中田商店から販売されたMP40は亜鉛製で価格はMGCより安かった。

手動排莢とブローバックの2種類が販売された。

MP40を選ぶには価格かプレス加工かと言った状況になるが実銃に沿った

作りのMGCに軍配があがった。

 

MGCと中田の基本分解

  

左:MGC、ボルトスプリングパイプを実銃に模して採用している。

右:中田、ボルトガイドピンを使用。その為、ボルトスプリングが

外から丸見えとなる。

 

MGCのバレルはガス抜けだが中田は閉鎖型になっている。これも中田の

人気の無さの要因となっている。

1968年公開された東宝映画、加山雄三主演の「狙撃」翌年の「弾痕」では

プロップガンとして作られた中田MP40が登場しているが知る人は少ない。

 

 

左:「狙撃」排莢口からは火炎が激しく出、銃口からは硝煙が。

ブローバック式で排莢もされた。銃の操作は国本圭一氏が行なった。

右:「弾痕」中田MP40を構える加山雄三。スリングは布製。

 

MGC MP40は今でも欲しい逸品です。

MGCは入手が困難だったのでマルシンのプラ製MP40組立キットが出た時に

購入。因みにマルシンも金属製MP40を発売していた。

プラと言う事が頭から離れず組みあがっても何となくすっきりしません。

カートに火薬を詰め発火。カートは真上に吐き出され天井の蛍光灯を直撃。

蛍光管のガラスの破片が頭に降り注ぐ始末。

蛍光灯が割れたことよりもスムーズな作動に驚かされました。

モデル的には実銃をかなり忠実化しておりプラも悪くないと再認識した

瞬間でした。撃った感想はボルト回転速度が速すぎるような。

MGC製の発火動画を見ると逆に遅すぎて一拍置くような感じを受ける。

まるで実銃のM3グリースガンの様な。

また動画でCAW製M3A1のボルト回転数をみると逆に早くなっていて実銃と

は逆行している。でも早い方が撃った時の爽快感は有るがやはり心持残念。

 

実銃のMP40とM3のボルト回転数

 MP40 500発/分

 M3   400発/分

 

プラ製だと見かけがおもちゃ的。そこで塗装をしてみました。

多少はスチールチックになった様な・・

でもMGC MP40が欲しいナ~