日本とメキシコ、TPP拡大へ協力/今年は台湾のTPP加盟を応援していきます | 上下左右

上下左右

台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

メキシコを訪問中の茂木敏充外相は4日午後(日本時間5日午前)、メキシコシティでエブラルド外相と会談し、TPPの加盟国拡大に向けて協力することを確認、自由で開かれた国際秩序の実現のため協調することを申し合わせたと報じられております


日経新聞の記事ではTPPを巡って英国・タイ・中国およびアメリカのTPP参加(復帰)について触れられていますが、『自由で開かれた国際秩序』という中国を排除する言葉をメキシコとの外相会談で確認し合っているように、菅総理も言っているとおり中国の加入は非常に厳しいものとなっております。


『自由で開かれた国際秩序』という言葉は当然『自由で開かれたインド太平洋』を念頭に置いたものですが、インド太平洋地域の国際秩序を守るためには台湾の存在を欠かすことはできないでしょう。年末に記事にしたとおり台湾もTPPへの参加意欲を示しており、中国を排除して国際秩序を維持するためには台湾のTPP参加は絶好の案件になります。
それが分かっているからこそ、中国はTPP非加盟国でありTPP加盟ルールに『独立した主権国家』という条件がないにも関わらず、「台湾のTPP加盟は『一つの中国』の原則に反する」等と極めて無理筋な牽制を行っているのです。


TPPはアメリカが抜けて通称TPP11として再発進しましたが、現時点では7ヵ国しか批准していないため、実質TPP7と言うべき協定になっています。協定の影響力を高めるために加盟国を増やすことも重要ですが、TPPの新規加入は全会一致が必要ですので、逆に加盟国が増えすぎると戦略上必要な国が新しく参入するハードルが上がりすぎることになりかねません。特に中国との結び付きを強めつつある東南アジア諸国については慎重な対応が必要です。

また、TPP7にイギリスが加入すると、8つの加盟国のうち日本・ベトナム・メキシコを除く5ヵ国がイギリス連邦に属する国となりますので、相対的な日本の地位低下は避けられません。そうした観点からも非イギリス連邦である台湾の参加は日本にとって非常に重要と言えます。
RCEPを担当する経済産業省の支援という点が不安ではありますが、そこは菅内閣が掲げる『縦割り行政の打破』を強力に推し進めて台湾のTPP参加まで一気に繋げてほしいと思います。

日本が今年TPPの議長国となるのも一つの巡り合わせです。台湾のTPP加入は日本の外交戦略上極めて重要ですので、是非とも日本はリーダーシップを発揮して進めてほしいところです。
元々本ブログはTPPを多く取り上げてきましたが、今年は特に台湾の参加推進を呼び掛けていきます。