結果的にベストタイミングだったGoToトラベル一時停止措置 | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

昨日付でGoToトラベルが全国で一時停止されました。
本ブログはGoToトラベルについては推進のスタンスであり、約一ヶ月前に過去記事[旅行先からGoToキャンペーン停止の是非について考察]でGoToトラベルの一時停止措置について新規感染者の状況と政策のタイムラグ、経済減衰リスクから批判的に評していました。
しかし停止措置の是非はともかく、少なくとも実施のタイミングとしてはベストになったかと思います。


前回の記事では下記のように書きました。

・GoToキャンペーンを停止すれば低下傾向も加速するでしょうが、の見えない拡大が続いている状況ならともかく現時点で実行することを経済減衰リスクと天秤にかけると、やはりデメリットの方が大きいのではないかと思います。

・どのように(GoToトラベルを)停止させるのか分かりませんが、単に新規予約をキャンペーン対象外にするのであれば、実際に旅行者が減るのは1~2ヶ月先です。
今から停止措置を開始したところで実効再生産数はすでに低下し始めているわけですから、第3波が収束しつつある状況で実際の政策が始まることになりかねません。


記事を書いた時点では実効再生産数は低下傾向にあり、その一週間後には一瞬でしたが実際に実効再生産数は1.00を下回りました。そうした収束傾向にある時点で経済活動を停滞させる方策を取っても当然マイナスの効果の方が大きいわけですが、今足元では実効再生産数が再び上昇を始めています。


しかも直近では感染力が強いとされるイギリス型の変異種と南アフリカ型の変異種の両方が日本国内においても確認されており、一層の拡大防止策が求められる状況です。

どのような政策もそうですが、特にGoToキャンペーンは政策決定→旅行者の予約→宿泊というステップを踏むため、政策決定から実際の停止措置までどうしてもタイムラグが発生します。一ヶ月前の状況で判断すると感染状況は収束に向かっていたため見当違いの政策と言わざるを得ませんでしたが、政策決定からのタイムラグを経て第3波後半の感染拡大期という最適なタイミングでの実施となりました。

散々書いてきたようにGoToトラベルと感染拡大の関連性は不明であり、感染者数や感染経路不明者の割合から少なくとも主要因ではないと思われますのでGoToトラベル一時停止の効果は疑わしく、世論に抗しきれずに一時停止を余儀なくされたという印象が強いですが、結果的に最も効果の見込めるタイミングではあります。

少しでも感染拡大が食い止められることを願います。