アベノミクスと国内消費の増加について | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

何故か安倍政権で国内消費が減少したかのような言説がありますが、コロナショック後はともかくコロナショック前においては確実に増加していました。


(いずれも内閣府:国民経済計算より)

<名目>
2012年:283兆1730億円
2019年:297兆6418億円(+5.1%増)

<実質>
2012年:284兆9329億円
2019年:291兆1833億円(+2.2%増)

家計最終消費を2012年と2019年で比較すると、名目はもちろん実質でも増加していることが分かります。

この人がやたら推す「除く持ち家の帰属家賃」の実質消費でさえ僅かではありますが増加しています。
2012年:234兆9785億円
2019年:236兆9561億円(0.8%増)
国民経済計算のエクセルデータから計算)
安倍政権によって消費が減ったというのは明確なデマと言えますね。

また、コロナショック後の数字を以て『アベノミクスは失敗だった』と総括する意見が散見されますが、緊急事態が宣言された時点の数字で7年8ヶ月の成果を結論付けるのは暴論と言わざるを得ません。
例えばアメリカの今年4-6月期の実質個人消費は前期比▲34.6%でした。当然トランプ大統領の就任時を大きく下回る数値ですが、安倍政権の総括としてコロナショック後の数字を持ち出すのであれば、アメリカも同様に「トランプ大統領がアメリカを貧しくした」ということになります。
アベノミクスを否定したい勢力にとってはコロナショックは好都合だったのでしょうが、コロナショック時点の数字で判断すると今年退任するあらゆる政権が経済的失政を行ったことになりますので、正確な分析の妨げにしかなりません。