6月ショッピングセンター売上 前年比▲15%/特別給付金の使い途 | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

日本ショッピングセンター協会が7月20日発表した6月のショッピングセンター販売状況によると、既存SC売上高は前年同月比▲15.0%減となったと報じられています。
4月の緊急事態宣言発令により大打撃を受けていたショッピングセンターにも客足は戻りつつあり、特に大都市圏以外では前年比▲10%未満というところまで回復してきました。


元記事では▲15%まで回復してきたことを前向きに捉えているようですが、3~5月の大幅減からの反動と一人当たり10万円の特別給付金があったことを考えると▲15%というのは依然として厳しい数字なのではないかと思います。
もちろん店舗によっては入場制限を実施しているところもあり、また飲食テナントやフードコートなどソーシャルディスタンスの確保のため回転率が落ちているという要素があるので完全にコロナ前の状況まで復活しているとは思いませんが、前述の反動と特別給付金を考慮すれば前年比同水準程度までは回復するのではないかと期待していました。
過去記事[特別給付金10万円の是非/内閣の実行力が問われる事態]で、少なくとも5月は特別給付金により家計収入が増加した一方で、消費は減少したままであることを書きました。ショッピングセンターの売上状況からは、5月に比べると6月の消費活動は活発にはなっているものの、特別給付金により増加した家計収入を消費に回そうとしていない状況が見えてきます。
7月に入ってまた新型コロナウイルスの感染が拡大し始め、一部では不要不急の外出を控えるよう要請されるなど消費マインドの再低下が懸念されます。GoToキャンペーンを非難する声も多いですが、このような状況で観光地や旅行業者を放置すると間違いなくどちらも壊滅してしまうでしょう。直接支援という意見もありますが、観光地は宿泊業者だけでなく、観光スポットの運営業者やクリーニング業者、飲食店や土産物店、そこに商品を卸している業者や生産者など多岐にわたる産業で成り立っています。どこまで支援を広げるのかを考慮した意見とはとても思えません。
5月・6月を見る限り特別給付金は十分に活用されているとは言えない状況ですが、GoToキャンペーンではさすがに特別給付金も活用されるでしょう。感染拡大には十分気を付けつつ、消費拡大に繋がることを期待します。