2020年1-3月期GDP速報 コロナショックと消費税増税 | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

本日、2020年1-3月期のGDP速報が発表されました。
一年(4四半期)分を通して見てみると下記の通りになります。

<前期比(=直前の四半期との比較)>
2019年4-6月期:+0.5%
2019年7-9月期:0.0%
2019年10-12月期:▲1.9%
2020年1-3月期:▲0.9%

<対前年比(=一年前の同四半期との比較)>
2019年4-6月期:+0.9%
2019年7-9月期:+1.7%
2019年10-12月期:▲0.7%
2020年1-3月期:▲2.0%

前期比では10-12月期よりも落ち込みはマシですが、対前年比では10-12月期よりも酷い落ち込みとなっており、実質的に10-12月期よりも景気の悪化は著しいものになっていると言えます。

何故ならば10-12月期の『前期比』は駆け込み需要のプラスとその反動のマイナスを足し合わせたものであり、実際の景気動向を示したものもは言い難いからです。景気動向を図るためにはどれほどの実需があったのか、つまりプラスマイナスを均して計らなければ意味がありません。
10-12月期のGDP速報が発表されましたとき、年換算▲7.3%という数字に消費税反対派は嬉々として非難をしていましたが、駆け込み需要とその反動の差が一年続くわけもないので全く無意味な『年換算』だったわけです。

10-12月期の発表で『景気が一気に悪化した』と一斉に非難していた評論家たちはその根拠が『前期比』だったため、今回の発表も『前期比』で判断せざるを得ず、本当は今回の方が景気悪化が顕著に現れているのにそれを強調できないでいます。

コロナショックの1-3月期は消費税増税よりも大きな景気の悪化を招きました。これは対前年比のGDPから明らかです。そして4-6月期はそれを遥かに上回る景気減退が確実視されています。
幸いにして新型コロナウイルスの新規感染者はピーク時に比べ激減しており、早ければ今週の金曜日に更なる緊急事態宣言の解除が実施されるでしょう。というか、それを期待します。

緊急事態宣言が解除されても個人的にはしばらくは旅行は怖いと思っていますが、まずは外食を楽しむところから再開したいと思います。

※記事タイトルを修正しました。