アメリカの失業率が1ヶ月で+10%超に | 上下左右

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台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。

今月8日にアメリカ労働省が発表した雇用統計によると、アメリカの4月の失業率は前月比+10.3%の14.7%になったとのことです。
2月 3.5%→3月 4.4%→4月 14.7%と恐ろしい勢いでアメリカの失業者が増えていますが、さらに恐ろしいことに、アメリカ労働省は働いていなくても就業者と見なされる「隠れ失業者」が多数いたと認め、実際の失業率は20%近くに達した可能性があると明らかにしました。
もちろん3月の時点でも「隠れ失業者」がいて4月に改めて失業者としてカウントされたというケースもあるのでしょうが、僅か1ヶ月で統計数字として失業率が10%も上がり、しかもそれがまだピークではないという未曾有の危機になっています。
日本の最新統計は3月なので単純な比較はできませんが、大和総研のレポートによると日本の失業率は「6月に収束すれば3.8%、年末まで続けば6.7%」となる予測とのことです。

経済への影響を考慮する際に雇用がいかに重要かは言うまでもないのことですが、日本とアメリカではこれだけ雇用のボラティリティが異なるのです。
よく「日本の経済対策は不十分だ!アメリカを見習え!」という意見を目にしますが、影響のと大きさが異なれば当然対応の規模も異なります。アメリカはセーフティネットも高水準とは言い難く、突発的な事態に対しては大規模な対応がどうしても必要になってくるのです。

それぞれの国にはそれぞれの事情があることを踏まえ、「単純に◯◯の国はもっと手厚く補償してるから日本も同じようにしろ」という意見には惑わされないようにしましょう。