【緊縮財政】日本衰退の大本の理由はフワッとした何かで、それは何となく雰囲気で判断するものだ | 上下左右

上下左右

台湾の早期TPP加入を応援する会の代表。
他にも政治・経済について巷で見かける意見について、データとロジックに基づいて分析する・・・ことを中心に色々書き連ねています。


性懲りもなく緊縮財政の定義付けさえしないまま、「日本衰退の大本の理由は緊縮財政」と掲げています。
緊縮財政の定義は一体何なのでしょうか?

字面からは「政府が税収に比して歳出を絞ること」のように見えますが、日本の歳出総額に占める一般税収の割合は平成2年をピークに下がり始めました。


つまり日本は平成2年までは緊縮財政を行い、その後積極財政に切り替えたことになります。
では経済成長率はどうなっているでしょうか?


(それもおかしな話ではありますが)消費税に限定して緊縮財政云々というのであればまだ現実と乖離まではしていないと言えますが、今回は堂々と下記の通り主張しています。
<引用はじめ>
というわけで、消費税は廃止を目指さなければなりませんが、ポイントは、
「消費税のみならず、日本の緊縮財政が諸悪の根源」 
 であることを共有しなければならないという点です。
<引用終わり>

消費税のみならずだそうです。消費税に限定しないのであれば、明らかに日本は緊縮財政から積極財政に切り替えた後から経済成長が止まっています。歳出に占める税収の割合は平成2年から減少を始めていますから、緊縮財政という言葉が字面通り「政府が税収と比して歳出を絞ること」であれば、これは解釈でも主張でもなく単なる事実です。

緊縮財政が諸悪の根元であると主張するのであれば、緊縮財政の定義と何の指標で判断するのかは必須でしょう。そうでなければ「諸悪の根元はフワッとした何かで、それは何となく雰囲気で判断するのだ」という何の意味もない主張になります。

雰囲気だけの言説に流されないようにしましょう。