受験勉強は、私にとってはゲームのようで楽しかった。偏差値という数値で結果が出るから楽しかった。ゲームの経験値やレベルのようなものだ。一方で、仕事は、ITコンサルティングは望む仕事内容ではあったが身体的・精神的にきつ過ぎた(長時間労働、徹夜強要、パワハラ)。

仕事がつまらない、または苦しいのは、やはり、自分ではコントロールできない部分が大きすぎることが要因だろう。

上司や同僚、その時のプロジェクト状況によって、自分の望まない働き方になることは往々にしてある。受験の場合、毎年、ある程度はパターンが決まっている。「親ガチャ」「生まれガチャ」(親の所得や遺伝、立地など)はあるものの、それさえある程度良いものを引けば、あとは個人の努力でどうにかなる。だが、仕事は、上司との相性もあり、不当評価もあり得る。あるいは弱肉強食のコンサルなどでボコボコにシバかれたり、どうしても精神的に圧迫される側面が大きい。だが、それでも東大などの一流大学の学生がコンサルを目指すのは「汎用的で、他社に持ち出し可能なスキル(ポータブルスキル)」を身につけられるからだ。激務でも、3-5年間修業すれば、転職し放題の能力を得られるならば、コンサルティングファームは「精神と時の部屋」とでも思えばよいだろう。

受験は、中学生から考えた場合は6年間で終わる。中学受験をする場合でも、せいぜい9年間だ。ところが、会社人生は38年間(延長する場合は43年間)も続くのである。

JTCでは、無理にトップレベルの成果を出そうと頑張ると、必ず軋轢がある。例えば、自分より社歴が上の年配社員を押しのけて成果を上げようとすると、横やりが入ったり、最悪、嫌がらせに合うのだ。もしくは、中途社員の場合、何も教えなくても結果を出して当然という空気もある。だが、その会社固有の仕事のやり方、ルール、知識もある。そんなことは勝手に勉強しろという会社が多い。

これが日本の大多数の企業だと思う。もちろん、キーエンスやリクルート、DeNAなど、そうではない企業もある。だが、そうした企業はコンサルティングファームほどではないが、激務な傾向にある。リクルートは、今はネット企業だが、出版色が濃かった時代はノルマ至上主義の営業が有名であった。結果を出せないならば退職する(または、夢があって起業する)のがカルチャーであった。今も多少はそのような社風が残るであろう。

ちょうどよいバランスの企業が無いのが、悲劇である。