国民一人当たり10万円の給付が決定されました。
賛否はいろいろとあるかと思いますが、私はこの案には「賛成」です。
というか、今回のコロナ対策は、いろんな意味で遅い。
今回の発表も遅いですがないよりはずっといい。
今日は、私が賛成する理由を書かせていただきたいと思います。
理由1 経済的弱者を救うため
困った人に、いち早く現金を給付するには、金持ちであろうがなかろうが選別している時間がない!
今回のコロナは、軽くリーマンショックを超える危機になるでしょう。
リーマンも確かにきつかった。でも、自由に外にでて外出できたし、居酒屋で仕事帰りに一杯!なんてこともできました。
結構この無駄遣いをする機会が維持されていました。
お酒を飲まない人は、スターバックスでコーヒーを飲みに行くこともできたし、回転ずしでマグロをたくさん食べるなんてこともできたわけです。
この居酒屋の1杯のような一人一人の行動が、結構経済的には大事だったりします。
例えば、ビール好きな人でも、自宅では缶ビールを何杯も開ける人はいないです。
家で飲むときは、第3のビール「麦とホップ」を120円くらいで購入して、亀田製菓の柿ピーでそれは満足できてしまう。200円の贅沢です。
それが、居酒屋でビールをいただくと、大体500円くらいはします。
それに、加えておつまみを食べ、レモンサワーをお代わりし・・・となると、気づけば3,000円くらいは使うでしょうか?
都内なら、普通に5,000円くらい使うことはざらかと。しかも、家の晩酌なら1人か2人。
でも居酒屋なら大体2人で行くでしょう。
となると、2人で400円くらいの支出が、あれま6,000円くらいになっています。
差額の5,600円は、居酒屋でバイトしている学生さんやパートさん、厨房で働く調理師さんたちの給料に回ります。
居酒屋の大家さんの家賃収入の源泉であり、居酒屋にお肉屋お野菜を納入している業者さんの売り上げの源泉になります。
それが一切なくなると・・・ぞっとしませんか??
学生さんやパートさん、厨房で働く調理師さんに大家さん、八百屋さんお肉屋さん魚屋さん、、、
みんな収入が減ってしまうのです。まさに今直面する危機です。
会社ならなんとか、金融機関に資金を用立てていただくこともできるでしょう。
でも個人ならどうなります???
今回の危機はリーマンとは異なり、あらゆるところで食が失われています。
そう、数多くの人にとってまさに緊急事態なのです。
そうなれば、コロナ感染のリスクを冒してでも働きに出なくてはなりません。
まさにこの10万円の給付は、まさに命綱なのです。
だからこそ、この手の支給は大急ぎで支給しなくてはなりません。
誰にはあげる、誰にはあげない・・・そんな制度設計をしているうちに、路頭に迷う人がどんどん増えます。
スピード感を考えると、「全員一律同額支給。」これが一番早いでしょう。
理由2 デフレ対策
お金に余裕がある人よりも、ない人を優先に。
うん、確かにそうですよね。幸いにしてコロナが蔓延していても、失業しないで済む人はたくさんいます。
わかりやすい例でいえば、公務員の方は失業の心配はあまりありません。
なので、公務員は痛みがないから支給しなくてもいいなんて言う、意見も出てきます。
まあ、感情論としては理解できます。(私は公務員ではないです)
私自身も生活必需品の製造と販売が本業の会社に勤めているので、コロナによる業績悪化は見込まれますが、
つぶれるまではいかないかな・・・とは思っています。
ただ、確実に言えることはこのような仕事をしていても、残念なことに年収は減るでしょう。
業績は悪化するので、俗にいうボーナスはかなり減るんじゃないかと今から覚悟しています。
ボーナスの減少は、耐久消費財の消費にもろに影響します。
私は車を持っていませんが、車を買い替えようとしていた人は、1年先延ばしにするかもしれません。
車ではなくても、白物家電のうちほしいな~と思っているものがあっても、故障等の不要不急の問題に直面しない限り
やはり購入は先送りになります。
新しいiPhoneSE2が発売されるそうですが、スマホの買い替えも控える人も出てくるでしょう。
そう、そうなるとさらに会社がもうからなくなる。
会社がもうからなくなると、給料が下がる。そうするとまた物が売れなくなる・・
この状況まさに日本がバブル崩壊後ずーっと直面していたデフレスパイラルというものの正体です。
いや~こいつは本当に本当にたちが悪い・・・
この現象は、景気悪化とそれに伴う失業につながり、深刻な副作用を招きます。
デフレになると、企業から見ると物が売りにくくなるので、価格競争が始まります。
とにかくコストはカット。
手を付けるところは、、人件費。正社員を減らして非正規へ。
原価を下げるために、下請けからは買いたたき。
それでも売れなければ、日本の生産拠点を閉鎖して海外移転、、、
どんどん仕事が失われていく。
人余りになると、企業の中には社員をこき使う会社も増えていきます。
そうそれが「ブラック企業」ってやつです。
ちなみに、デフレは1997年の消費税増税から始まったという説が結構有力ですが、
下記グラフを見てください。これは、自殺者数の推移を示したものです。(厚労省のHPより)
1998年(平成10年)から急激に増加しています。
もちろん自殺は、経済的理由に基づかない事例も数多くあるかと思いますが、
このグラフを見る限り、ほぼ犯人はデフレとみていいでしょう。
見えない新型コロナウィルスは、相当怖いですが。
このデフレというやつも、相当人を殺めてしまいます。この怖さはコロナ以上です。
なので、経済を回す個人消費はできるだけ強いほうがいい。
余談になりますが、このデフレスパイラル・・・起こった時期も悪かった・・・
下の人口ピラミッドをご覧ください。
これも、総務省統計局のHPから拝借した2015年の人口ピラミッドになります。
見ていただくとわかる通り、40代前半の人口が多いのが分かると思います。
「第2次ベビーブーマー世代」と呼ばれています。大体1970年~1975年に生まれた世代です。
この消費増税に端を欲したといわれるデフレは、この世代の就職活動にもろに影響を与えました。
「超就職氷河期」と言われていました。
ただでさえ、「受験戦争」と呼ばれ、倍率の高い高校入試や大学受験を勝ち抜いてきた結果、
待っていたのは、就職ができないという現実・・・
ちょっと上の先輩たちは、バブル景気に浮かれ人手不足で内定したら海外旅行連れて行ってもらったとか、
車をもらえたなんて話もあったのに、ちょっと上の世代の大量採用のつけも回ってきて、本当に就職が大変でした。
それなりに名の知れた大学を出ていても、なかなか正社員にはなれず、泣く泣くわざと留年して就職活動を続けたり、
フリーターとして非正規の道を歩んだり、しているのがこの「ロストジェネレーション」と呼ばれる第2次ベビーブーマー世代です。
ろくに定職にもつけなかった人が多く生活基盤がぜい弱な方が多いこの世代。
残念ながら「合計特殊出生率」は1.4を下回り、少子高齢化の歯止めをかける絶好の機会を逃してしまったのです。
(最近この世代にようやく着目し、正社員化を図る動きも出てきましたが、本当に10年遅い・・・)
話を戻します・・
幸いにしてコロナ影響による失業を免れた方も、ボーナスが減って車を先送りにするのではなく、
定額給付金で家族4人分を受け取ったとしましょう。
これで車を買い替えれば、自動車ディーラーの給料の源泉になり、ディーラーまで車を運ぶ運送会社の給料の源泉になり
当然なことに自動車メーカーで働く人たちの給料の源泉になり、そしてここが一番大事、
縁の下で自動車メーカーを支えている、このデフレを何とか生き残ってきた町工場の収入の源泉になります。
最初の10万円がまわりまわって数多くの雇用を支えることになるのです。
そう、この10万円は多くの人の命を救う可能性を持っているのです。
理由3 プライマリーバランスの健全化に向けて
これを書くと、ちょっと国家財政を知る人は、文句を言ってくるでしょう。そう、それが狙い。
一律10万円の支給に反対する人の多くは、財政の問題をほぼ口にします。
10万円支給しても、結局その分国が借金して、子供たちにツケを回るじゃないかといいます。
でも、ちょっと待ってください。
まず、この10万円は少なからず国が回収します。
居酒屋の例でも、自動車の例でも示しましたが、このお金を使うとまず国は消費税という形で税金を回収します。
10万円が使われて、居酒屋の店員さんや自動車メーカーの収益になれば、所得税や法人税という形で税金が発生します。
自動車ならおまけに自動車取得税まで回収できます。
箪笥貯金になっても、ながーい目で見れば、いずれは相続税がかかるかもしれませんし、残ったお金も相続した人が使って
同様に税金が発生します。
そう、この10万円のいくばくかは、時間の差こそあれいずれは回収されるのです。
なので、マイナス金利の現在、国債を発行してお金を配ってもさほど問題にはならないのです。
逆に、この10万円なかりせば・・・・お金に困った方は、生活保護を受けることになるかもしれません。
お金が回らなくなるので、企業業気が悪化し、法人税収入も所得税収入も減少するでしょう。
結果、プライマリーバランスは、10万円の定額給付をした場合と比較して、さらに悪化する可能性があります。
そして、お金に余裕のある方はへ
私は、この20年間でデフレという化け物の怖さをずっと感じてきました。
あまり好きではない安倍総理を消極的ながら支持してきたのは、このデフレと戦い、
間違いなく雇用環境の改善につなげてきたからです。(今度のコロナ対策はどうかとも思いますが)
ですが、遅くはなりましが一人10万円の支給を決めてくれました。
ケチな財務大臣の麻生さんは、自分が総理の時に1.2万円を配布してたたかれたのを相当根に持っているようで、
今回の案にも難色を示し、「手を挙げた人」なんてまたけち臭いこと言っています。
資産家なのに、人間小さいな・・・・なんて思います。
ただ、この一人10万円は、ちゃんとききっちり使っていただければと思います。
この消費が、人の命を救うかもしれません。
買いたいものがなければ、ぜひ寄付を。
それで将来に展望が開ける人もいるかもしれません。
人それぞれ、考えることはあるでしょうから、寄付をする場合はそれぞれ考えいただければと思います。
ちなみに私の場合、ボーナスが出ると、東日本大震災の時に世界中の方々から日本を応援していただいた恩返しが少しでもできたらと、
日本赤十字社の海外海外救援金を募集しているときは、寄付をすることにしています。
また、不慮の事故などで親御さんを失い、将来をあきらめなくてはならない子供を少しでも減らすため、「あしなが育英会」に定期的に寄付をしています。