緊急事態宣言から3週間

 

「いち早く緊急事態宣言を!」と4月4日に投稿してから、約3週間が過ぎようとしています。

いまの傾向を見ると、結果論ではありますが緊急事態宣言はもっと早くやってやっておけばよかったのに・・・

なんて思っています。

 

あの頃は、まだ何とか耐えている状態・・なんて安倍首相も常に言っていましたが、

遅れてしまったがために、ところにより医療崩壊がすでに起こってしまっているようです。

経済的にも、1か月早く緊急事態宣言をだしていれば、GWには近場の旅行くらいできたかもしれない・・・

なんて思うと、経済優先論が結果として経済と人命をかえって傷つけた結果になっているのではないかと思います。

 

私が割と好きな評論家の方にも、経済優先で行き過ぎた自粛要請を懸念する、主張が多くみられます。たいていが、行き過ぎた自粛が経済崩壊を招き、自殺者が増えて元も子もないという論調です。

通常の不況なら私も同じように考えていたでしょう。

東日本大震災のように、被災地域以外の場所では、しっかり経済を回していかないと日本全体が沈んでしまいます。

ただ、今回のように過去に事例のない、全世界が直面している危機においては、今までと違った対策をとって、人命を守りつつ自殺者を出さないような政策を考えるのが、政治家や官僚の皆様の一番の仕事だとは思っています。

ただ、失われた20年を招き、先進国の中でも最も豊かな国の一つだった経済大国の地位を、やすやすと下位のほうにしてしまった、歴代政権や官僚機構に経団連、労組等の守旧勢力に期待するのは、難しいのかもしれません。

 

 

お金はどこに消えた?今企業で起こっていること

 

私は普通のサラリーマンで、いわゆる経理財務部門で働いています。

日々刻々と状況が変化する中にあって、日々数字とにらめっこしているわけですが、コロナ前とコロナ後で明らかに変化していることを整理しておきたいと思います。

 

 

売上高の急減

これは、多くの業界で直面していると思います。

私の所属する会社は、売上に生活必需品の占める割合が比較的に高いために、壊滅的な状況とまではなっていないのですが、それでもやはり売上高の減り方は半端ないです。

 

 

在庫の急増

残念ながら、売上が減少すると在庫は増えてしまいます。

私の所属する業界は、販売数量は減ってしまっても仕入れは数か月前に手配しなくてはらないため、どんどん在庫が積みあがっています。原材料や製品を貯めて置ける場所も、どんどん余裕がなくなってきています。

借りようと思っても、業界全体で在庫が積みあがっているので、借り賃も上がる、そもそもお金を払っても借りられない・・・

そんな状況を迎えつつあります。

それでも、航空業界やホテル業界のように、在庫で持てるだけでもまだいいかもしれません。

航空業界やホテルの皆様は、本当に大変だと思います。飛行機の座席やホテルの部屋や在庫として抱えられないので。

 

 

資産価値の下落

在庫レベルが高くなると、製品の需給環境も急速に悪化します。

そうなると、安くしないと売れません。となると、在庫の価値がどんどん低下します。すると、会計上は低価法というのを適用しなくてはなりません。残念なことに、この低価法というやつで、相当利益を失ってしまいました。

また、2月から3月にかけて株価も大幅に急落した影響で、所有する有価証券の価値も大幅に下落してしまいました。これも、時価評価をする必要があるため、またもやバランスシートを傷つけます。

(そもそも、私自身はこの政策保有株式なるものを持つのは、業務提携等の理由がない限りは反対の立場です。

統合される前の会社はほとんど持っていなかったのですが、、、そもそも、このような互恵関係がないと商売が維持できないなんてお互いの競争力をそいでいるだけです)

 

また、収益の確保の先行きが怪しくなると、融通が利かずリスクを取らない公認会計士の先生方は、繰延税金資産の取り崩しまで要求・・・キャッシュフローが回っていても、課税所得が見込めなければこれも容赦がないです。

 

 

資金繰りの悪化

そして、これが企業の生命線を左右します。資金繰り。

これが何とかなっている間は、会社というのはたとえ赤字が続いていても生き残ることができます。仕入れ代金を支払う、家賃を払う、従業員への給与を払う、、、会社存続に必要な資金が回ってさえいれば、なんとかなる。ところが、これが急速に悪化しています。

今、多くの業界、会社で売上が激減しているという事態に直面しています。

例えば、航空業界。大幅に減便しているのでそもそもチケットを売ることができません。ホテルも同様です。また製造業でも、自動車業界や家電業界も耐久消費財の需要が減少していたり、そもそも部品の調達難で物が作れなかったりしています。

そうなると、工場や製造機械を購入するために借り入れた資金の返済、家賃の返済、従業員給与の支払い、取引先への買掛金や手形の支払、、多くが滞ってしまいます。

あのトヨタ自動車すら、融資枠の設定を依頼するくらい、危機的な状況が現れているのです。

身近なところでは、近所の飲食店で賃貸で運営している店舗はかなり厳しい状況でしょう。

これから、倒産が増えるのではないかとか、経済を回さないと自殺者が増えるというのも、この状態がつづき経済的困窮者を増やすからだというのも納得の話です。

そうならないために、多くの会社は資金の確保に奔走しています。わたくしのいる会社も同様です。ただ、つい数か月前には見られなかった現象が起こっています。コマーシャルペーパーの発行が難しくなっていたり、発行できても金利が上昇しているのです。

それは、トヨタや、ANA、JALといった大企業も資金確保に動いており、お金の取り合いが始まっているからだといえます。

 

 

 

ところで、お金はどこに消えた?

いっぽうで、日本は金融緩和をやり切っている。という話をよく耳にするかと思います。

確かに、長期金利は0金利だったり、国債やETFやコマーシャルペーパーの購入を積極的にしていたりして、お金はじゃぶじゃぶだということを言う人もいます。

では、どこにお金は消えた???

こういうことかと思います、まずは企業部門(個人事業主含む)は、売上が激減もしくはなくなっても、取引先への支払い、家賃の支払い、税金の支払い、従業員への給料の支払いとどんどんお金を払っています。それを受けっと企業や個人は、やはり家賃を払ったり借金を返したりしています。またその取引先も。。。結局は行きつくところは、この借金の返済に充てられることになります。

ということは、企業や個人は自分の現預金を切り崩して資金が入らないなか、最終的には誰かが借金を返済しているので、金融機関から見れば預かっている預金が減り、貸付金という資産が減少という形で出ているはずです。要は、現金はじゃぶじゃぶではなく、結果消えている・・・しいて言えば、資産を持っていない会社は、借り入れを増やすでしょうから金融機関の貸付金は減っていないかもしれませんが、金融機関は保有している国債を日銀に売却して現金を確保して貸し付けている形になりますので、誰かの手元にじゃぶじゃぶな資金として残るようなことにはなっていないのではないかと思われます。

 

 

数か月はなかったことにする

個人的にはこれが一番の策かと

こんな事を書いたら、異論反論が続出するかもしれません。

まあ、数名にしか読まれない、一サラリーマンのブログで何を書いたところで、影響力もあるわけでもないので、心配には及ばないのですが、、、

緊急事態宣言が出ている間は、借入金の返済は猶予(チャラにするのではなく、返済期限を丸ごとスライドさせる)すること、もちろん税金はチャラ。そして、休業している会社に対しては、家賃や従業員給与などの支払いも免除することにし、生活の維持に必要な事業自体をいったん止めてしまうのです。その代わり巣ごもりしていただいて「Stay Home!」です。

必要な生活費は、まずはベーシックインカムで全員に一律10万円支払えばいい。家賃も税金も取らないから、この10万円で生活に必要な食費等を確保するということをすればいい。会社もお金の流出が止まるので、バランスシートも維持できます。

そして、いち早くコロナを封じ込めて、普通の社会生活に戻れるようにするようするほうが、結果、コロナ患者も生活困窮者も減らす事になるかと思います。

まあ、こんなことを書くと必ず財源は?という声が出てきます。財源は堂々と国債を発行して日銀に買い取ってもらえばいい。国債も超長期で発行して広い世代で公平に負担すればいいのです。死者が増えたり、企業倒産が続出し荒廃した日本を後世に残すよりも、ずっとそのほうがましかと思います。

そもそも、今の借金が増えた一番の原因は社会保障費で、現在の高齢者の方が積み立ててこなかった分を現在の現役世代が負担しているのです。その高齢者の方もさらに上の世代が負った戦争という負債を追ってきたわけです。ただでさえ国や日銀の不作為で現在のようなデフレや少子高齢化社会を招いたわけです。

今の現役世代が全ての負債を背負う必要はないわけです。

 

また、借金は、必ずしも悪ではありません。デフレから緩やかなインフレにして成長すれば、実質的な借金は減っていくのです。