専攻医1年目のGです。気付けば3月も末、出会いと別れの季節ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか。
私は救急科専門医を取得した後に放射線診断科に転科したため、今回は救急医と診断医の違いや共通点を検討したいと思います。研修医や学生さんには進路選択の参考にして頂ければ幸いです。
当然ながら仕事内容は全く違います。以前は外来とICUで常に患者さんに張り付くような生活でしたが、今は読影室で教育的な指導医と愉快な同期に囲まれて、ひたすら読影をして過ごしています。
救急は仕事量に波があり、多忙な日は重症者が立て続けに運ばれ、ICUでの急変が重なることもあれば、日によっては外来もICUも落ち着いており、処置や書類仕事、カンファレンスのみで終わることもあります。
一方で、診断科は仕事量の波が比較的少ないと感じています。波は少ないものの、画像検査が増加している今、かなりの量の読影を指導医の先生方は担っており、一定して忙しいという感じでしょうか。(ちなみに専攻医はまだ読影の”下読み”しかできず、ノルマを課されるということもありません。教科書を読んだり、直接指導を受けながらのレポート作成が中心で、非常に恵まれた立場と言えると思います)
もちろん、緊急読影、緊急IVRの依頼などの急な仕事が入る場合もあり、当科として可能な限り対応しています。患者さんとの関わりについても、造影剤アナフィラキシーへの対応や、IVR目的の入院ベッドも担っており、適切なマネジメントが求められます。
当科は指導医の先生方のキャラクターもユニークかつ穏やかな方が多く、初歩的な質問も非常にしやすい環境です。
その他、大きな違いはコンサルテーションを”する側”、”される側”の違いです。救急では、蘇生を行いながら、必要に応じ他診療科にコンサルトを行い、全体の治療の優先順位等について検討していきます。
一方で、放射線診断科はコンサルト”される”ことが圧倒的に多いです。他専門科からの相談について適切に回答することは、画像のみではなく病態について充分に理解することが必要であり、横断的な学習が求められます。これは大変な作業ではありますが、自らの回答が主治医の先生の診断、治療方針に寄与し、ひいては患者さんの利益になればこれほど喜ばしいことはないのではないでしょうか。
次に、救急科と放射線診断科の共通点です。それは、あらゆる年齢、臓器、疾患の診療に携われるという点です。ある意味「専門外なので診られません」が通用しない厳しい環境とも言えますが、これは救急科と放射線診断科に共通する非常に魅力的な点だと感じています。
仕事を比較的一定のリズムで行いたい方、全身の診療に携わり続けたい方はぜひ放射線診断科を選択肢に入れてみてください!