数学で言う処のmotiveの理論は、代数多様体のコホロモジーに関する代数幾何、数論幾何的な問題を組織的に扱う為に発生した考え方であるが
(2020/9/10 コホロモジー論的手法と高次代数 2 参照)
其処から派生して、今後、より数学全般の基礎と結びつく様な考え方になると思っている
それは丁度、次の様な数学的帰納法の発見の歴史と似てるなぁと思う
Pascalが所謂Pascal三角形の一般項がどの様であるかを予想し証明する為に編み出した数学的帰納法
同時期にFermatは不定方程式の非自明整数解が存在しない事を示す為に無限降下法
を編み出し、これらの「証明法」は軈て同値である事が分かったし、Pascal三角形の事や不定方程式の整数解の事に限らず広範な応用を持つ様になる
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motive理論というのは 代数多様体のコホモロジーに関する事柄を導き出す公理系の様なものと考えると、それを具現化させるモデルが構成出来るか?という事が問題視され、
それが試行錯誤段階の時には、一部の人には迷信の様な扱いを受けた
しかし現在ではその(motiveのカテゴリーの)構成法がよく知られている
という様に、motive理論という意味を広義に考えて、
「motive理論とは、与えられた理論の最小のジェネレターを見付ける、構成する理論の事である」
と捉える
この様に設定を広げる様になったのは、昨今の非可換幾何の発展で多様体概念を拡張した時にも適応出来るmotive理論を考察する過程でかなり一般的なmotivic formalismが考察されたからである
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ちょっと話を纏めて置くと、
(数学的)概念を描写する為の言語を考える時、構造主義的に 集合と写像を基礎言語として構築する時代があったが、概念の抽出に伴う物事の同一視の在り方に対して、より精密な状況を説明する言葉が不足していたのだが、高次元圏論が発達した事によって、より解像度を上げて数学的現象を捉えられる様になりつつある
高次元圏論が集合と写像に変わって、(一部の、と言っても、広範な)数学的現象を記述する言葉となる
それによって、categorificationという事が可能になる
四則演算 というと数量的な形に射影してからの話だが、
貼り合わせたり付け足したり という足し算、や取り除いたり、同一視したり という
幾つかの考察対象から又別の考察対象を作り出す操作
があって、それは四則演算のcategorificationである
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では、数学的帰納法のcategorificationとは何か?と言うと
先ず数学的帰納法に於いては、初期値というものがあって
帰納法が回る事が分かれば(それはcategorificationすると、何らかの意味でfunctorialである事が分かれば、という事になる)初期値に問題が帰する
という事になる、この初期値とは何なのか?というのを想定させるのが広義の意味でのmotivicな考え方が重要視される
そして、帰納法をcategorificationしたものがねじ回し論法 という事になる
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つまり、今後 (一部の、と言っても広範な)数学の基礎言語となるのは、高次元圏論、次に
categorificationされた四則演算を言い表す概念として高次代数、代数的K理論 が基本となり、
具体的な問題にアプローチする為の手段として広義のmotivicな考え方とねじ回しが重要視されるであろう、と考えている
