なんの予感もなく
オレたちは、あの日を迎えた。
揺れが始まったとき
オレは、昼休み休憩で、勤務先の
休憩室にいた。
最初は、ゴゴゴゴという震度3程度の揺れで
この地域では、珍しいものではなく
その時点では、落ち着いて、手元の
文庫本ー傷だらけの天使。魔都に天使のハンマーをーを読んでいることができた。
それが、いっこうに揺れが収まらず、
ドン!ドン!ドン!という縦揺れが
続いた頃から、自宅の方が心配になって
きた。
自宅には、おまえと同居人がいて
この時間は、ふたりで昼寝をしている
はずだった。
部屋は高層階なので、ちょっとした地震
でも揺れが大きく
倒れた家具の下敷きになっている
おまえたちが、容易に想像できた。
揺れが収まるまで、長かったのか
すぐだったのか、今は記憶にない
ただ、収まると同時に、時間が
怒涛のごとく動き始めた。