いつか旅立つ日が来たとしても

いつか旅立つ日が来たとしても

ひとりと一匹と、その日々のこと。


初めて出会った日

スケジュール帳のその日には

「KANAN」と記載してある

会う前、この写真を見た時から、初めて飼う猫にはこの名前に決めていた。

大きなダンボールに入れてタクシーを

手配して自宅へ

おまえは何度も脱走するものだから

日をおかず当時一軒しか知らなかったペットショップにケージを買いに行った

部屋のレイアウトも、その日を境に

随分変わってしまった

元気な時の定位置のひとつが

ラックの上に置いた

以前住んでた部屋から持って来た

エアコンだった


男同士だったから

抱きあげることも

ベタベタすることもなかったけれど

今でもこの時期、布団に入った後に

ふと

足裏でおまえの存在を探している