来年から新NISA制度が始まって、現行NISAは終わりになる。ご存じの通りNISAは非課税枠。普通は二割税金で取られる利益が非課税になるという、投資(利殖)をするなら使わないと損の制度だ。
 NISAが始まった時、うちら夫婦は二人とも某都市銀行でNISA口座を作った。夫は40代で退職金をもらっており、それをその都市銀行(M銀行)で運用していたのが縁の始まりだ。旧NISAは積立か一般のどちらかしか選べなかったので、二人とも特に考えなく一般を選んだ。作ると同時に一般に上限の120万、それぞれ入金した。銘柄は銀行から勧められるがままに選んだ。私は結婚するまで銀行の営業担当者から資産運用のアドバイスをうけたことがなかった。

 結果どうなったかというと、夫のほうはまあまあ勝ったが、私のほうはずっと負けていた。利益が非課税になるので何の意味もない。見るのも嫌でほとんどチェックをしなかったし、よって翌年以降の枠も使わなかった。夫も仕事が忙しいとか何とかで、M銀行からの営業の電話もほとんど無視。夫婦ともNISAをフル活用しているとは言えなかった。
 私も独身時代から利殖は少しやっていた(下記リンク参照)。友人に薦められてソニー銀行に口座を開いて投資信託を始めた。数十万程度しかやっていなかったが、基本的にどれも勝っていた。大勝ちはしなかったが、ちゃんと増えて終わらせていた。オーストラリアドルの預金も勝った。ところが、だ。結婚して以後まずNISAが負けっぱなし。また夫の金で夫の名義の投資信託を二つ私が選んだが(銀行の営業はノータッチ)、これも負けっぱなし。いまだに負けている。もう損切りしたほうがいい。加えて、仮想通貨にも手を出した。話題のビットコインを所有している人が当時知り合いに二人いた。どれくらい持っていたかはもちろん知らないが。それを聞いて私も、
「宝くじは外れたらゼロだけど、仮想通貨はゼロにはならない。宝くじを買うつもりで試してみよう」
 と、取引所はザイフを選び10万円証拠金を入れ、3万ずつMONAとNEMを購入。結果何年塩漬けにしたか忘れたが(5年以上)損切りをして最近証拠金ごと引き上げた。結果ほぼ半分になった。毎年一万ずつ宝くじを買って外れたのと同じと諦めることにした。出るのはため息ばかり。ご存じの方も多いと思うが、ザイフは2018年ハッキングにあって67億相当が流出。私も強制決済にあった被害者の一人だ。ちなみにビットコインを所有していた二人が結局どうしたかは知らない。順当に処理しているなら数百万は儲けているはずだが。

 仮想通貨に手を出したのと同じ頃、iDeCoが節税になると聞いて夫名義で始めることにした。これも友人の勧めに従ってSBIにした。54歳と始める年齢が遅いので満期になっても大したお金にはならないが、毎年の節税になるならと始めてみた。月二万円の積立。どの銘柄を選ぶか、ということで夫に相談したら、「人気ランクの上から二つでいい」ということで、外国株式と国内株式の一番人気を選んだ。それぞれ月一万。これが当初は負けていたが現在きちんと勝っている。ぶっちゃけると、合計約130万積み立てて今約190万になっている。私はこのiDeCoで積立投資というものを初めて体験した。
 iDeCoでどのくらい節税になるのか全く知らないで始めたが、最近下記動画「お金の学びば」をみて調べてみたら、毎年そこそこまとまった金額の節税になっていることが判明して驚いた。また2022年の制度変更により60歳までだったのが65歳まで積立てられるようになった。NISAに限らず制度はちょいちょい変わる。iDeCoでどのくらい節税になるかは各銀行がシミュレーターをネット上に用意しているので、興味のある方は「iDeCo 節税 どれくらい」などの検索語でチェックしてみてください。
 ちなみにSBIの口座を作った時に、これまた私が投信をひとつ選んで買ったのも負けている。これこそ勝ちの気配がほぼない。現在100万ぶち込んで10万以上の損切が予測されている。SBIに口座を作ったのはいいが、敢えてSBIでやっていることの意義はさほどないのが現状だ。薦めてくれた友人は夫婦でSBIで株の売買をしているが。
 そして新NISAが始まり、2014年度分の私の負けNISAも満期を迎え課税枠に回る。一度満期を迎えて決済し、2019年度分に組直したが、ここへきてようやく勝ち始めた。ようやく2万円程度の利益。長かった。相変わらず二つの投信(M銀行とSBI)は負けているが。ちなみに夫は今まで損切りをしたことがないらしい。
 で、新NISAをどうするか。夫も今年で還暦。投資を積極的に行えるのもこの数年だろう。ここは新NISAの二人分の枠をなるべくフル回転で使いたい。私は金融系女装の肉乃小路ニクヨさんのファンで、彼女の金融ネタの動画をみまくった。彼女は堅実で基本言うことは同じだ。
「投資は積立NISAとiDeCoを使おう。利殖は余剰資金で。少なくとも半年は無収入で暮らせるお金を預金で取っておく。利殖と投機(ギャンブル)は違う。利殖は5~10年以上の長期スパンで見よう。始めて忘れるくらいが健全。年4~5%の利益が出れば良し。ひとは基本は働いてお金持ちになろうとすべき。仮想通貨は投機であり利殖には向かない」
 私は結婚以後一括買いのリスクと積立の利点(リスクヘッジ)を身をもって体験した。今更だが一括買いは買いのタイミングを計るのが難しいが、積立は長い目で見れば基本的に開始時期はほぼいつでもいいということもiDeCoで実体験した。新NISAにおいては夫婦二人の積立NISA枠をフル回転して、あと適切な銘柄があれば適宜成長投資枠を使えばいい。なお積立だと損が出にくい仕組みは下記リンクを貼った「お金のまなびば はじめてのじぶん資産形成講座」をみるとわかると思う(#6#7#11#12#26あたり)。もちろん積立でも元本割れのリスクがゼロのわけではない。またニクヨさんの言う「年4~5%」だが、これも勝っていたとしてもそこまで簡単(当たり前)でもない。ニクヨさんがいいたいのは、「投資で倍にする」などという考えは「投機」にあたり、ギャンブルだということだ。投資(利殖)と投機は区別して考えよう、投資はあくまでも長い目で見た増資ということのようだ。
 で、どこで新NISAをやるか。NISA口座は私名義とはいえ夫のお金を増やす予備口座のように思っているのでM銀行のままでいいだろう。正直新たにSBIに口座を開くのが面倒くさい。しかしこれからNISA口座を開くならネット銀行が当たり前。手数料が安くて取扱い銘柄も圧倒的に多いうえに、検索画面も見やすい。新NISAはSBIで積立(カード引き落とし)と決めている友人が二人いる。夫についてはiDeCoで開いたSBIの口座がある。そこで私はみずほのままでやって、夫の新NISAはSBIで始めるのがいいと思った。つまりM銀行のNISAを辞めてSBIに移す。これにはそれなりの手続きが必要になる。
 ここで問題になるのが、夫はメインバンクであるM銀行に投資信託を数種類もっており(課税枠。私の選んだ負け銘柄含め)、M銀行における振込手数料等の優遇を受けている。M銀行から全部投資信託を引き上げるつもりはない。M銀行には営業の担当がついていて、これまでも何人か担当者が代わっている。トータルで見れば夫はM銀行における10年以上の利殖で数百万は勝っているはずだ。ただこのM銀行営業が曲者だ。基本的には顧客(夫)に儲けがでるように商品を紹介してくるが、向こうにも「ノルマ」がある。ある男性営業マンは某商品を紹介してきた。私も夫も興味がなかったので「これは今回は要らない」という返事をしても、何度もポートフォリオに加えようとしてきたことがあった。またどの営業マンから勧められた商品か忘れたが、それが負け続けて次の営業担当になったとき、
「どうして(もうからないってわかってる)この商品買ったんですか?」
 と驚きのコメントをされたこともある。その時は言葉も出なかったが、
「お前の前任者が薦めたんだよッ!」
 といえばよかったと今も後悔している。この商品についてはこの後任担当者(女性)が工夫をして、なんとか20万ほどの利益を出してから売却した。
 というわけで、M銀行(に限った話ではないと思うが)営業マンのいうことはなかなか鵜呑みにはできない。そのことを夫にトクトクと話して、夫は現営業担当に面談に出かけた。ちなみに私もこの女性担当者と電話で話し、迷っていること等を含め現状を正直に伝えておいた。
 はたせるかな。戻った夫は引き続きM銀行で新NISAをやるという。予想はしていたが、丸め込まれてきたか。
「要は俺はどっちでもいいのよ。でもSBIだと銘柄選ぶのが面倒くさい。ハナちゃんが銘柄選びから全部やってくれるならSBIでもなんでもいいよ。俺はそんなのチェックしているヒマないからさ。ハナちゃんはいろいろ言うけど、なんのかんのでM銀行の営業に任せてトータルでは利益が出てるしね」
 ここで私が結婚以後、勝ちの実績があれば「よし、私に任せろ。SBIでやるぞ」と言えるのだが、なんせ結婚してからマジで負けっぱなし。完全自信喪失。というわけでうちはM銀行で新NISAもやることになってしまった。どうなんだ、これ。完全に時流に反している。投資全体のやりくりをM銀行の担当が良心的に対応してくれるなら確かに意味はあるし、私もこの女性担当者に関しては今のところその姿勢において全幅とは言えないまでも信頼している。全幅とはいえないというのは、所詮M銀行の行員である以上、うち個人に対してよりM銀行の利益が優先になるのは当たり前だからだ。ニクヨさんも、同じ理由でネット銀行を薦めている。
「実店舗をもつ銀行・証券会社はその維持のために手数料等を高くせざるを得ない。iDeCo、積立NISA等利殖を始めるならネット銀行・証券会社を薦める。銀行の営業マンにはノルマがあって、顧客の利益よりノルマで商品を薦めてくることもある」
 ただ実際を言うなら、繰り返しになるが10年以上M銀行のアドバイスに従った夫の投資は、個別に見れば負けている時期がある商品はあるものの、利益を確定したトータルでは数百万は勝っている。銀行の営業もあながち否定したものではないのも事実だ。
 またニクヨさんもこの「お金の学びば」のファンドの先生も同じことを言っている。
「インフレが進んでいる以上、円の価値は下落している。円預金(定期含む)は円に投資しているのと同じで、0金利の現在、額面は変わらなくても実質目減りしていっている」
 1990年には都市銀行の定期預金の金利は6%だったらしい。当時私は20歳だが、自分のまとまったお金を持つのが遅く、気づいたときには今の0金利だった。100万入れて定期預金で年6万つくなんて、私の感覚では夢のようというか、自分の生きていた時、しかも大人になってからの話とはとても思えない。

※追記:12/8付の読売新聞記事によると、NISA口座の金融機関変更は現状書面による手続きが必要なのですが、メールのやり取りのみでの変更が可能になるように政府が方針を立てたとのこと。2024年度中の実施を目指しており、実際の資金運用は2025年度分からということになりそうですが。

※この「さらば青春の光」が生徒役のシリーズはわかりやすくて面白いと思います。現NISAからの説明になっています。新NISAについては#20からですが、最初から見ても意味ないということはないです。iDeCoについての回もあります。全部で30回近くあるので、プレイリストの中で興味のある回から見るのもいいと思います。第9回「新NISA徹底解説!一体何が変わるの?」、第10回「新NISAへのロールオーバーって?」が抜けていますが、おそらく新NISAについて制度変更があったのかと思われます。

 


※リーマンショックについて映画化した作品。