私自身が難病を発症し去年(2022年)の夏を寝たきりで過ごしたのち、飼猫の豆助(茶トラ)も癌で11月に亡くなった。私は動物が息を引き取る瞬間に初めて接した。家に引きこもる私に夫は猫をまた飼えばいい、といったが、何かあった時に病院にすぐ連れて行ける身体ではなくなってしまったので断った。難病罹患以後、充分に豆を可愛がってやれなかったのも大きな心残りになっている。
 豆が亡くなってしばらくして(2か月くらい?)、縄張りの拡大を求めてか、白に黒ぶちの猫がうちに来るようになった。最初に飼ったアイコンの白猫と同じような顔つきで美形だったので、「姫」と呼ぶことにした。最初は水皿だけをテラスに置いていたが、結局豆の残りのエサをあげてしまった。姫はたまに顔を出すようになった。1~2週間後?、姫はパートナーを連れて現れた。こちらも白黒だが黒の部分が多い。よってシロクロと呼ぶことにした。姫とシロクロは一匹ずつで来ることもあれば、一緒に来ることもある。いちゃいちゃ舐めあったり、抱き合ってうちのテラスで寝ていたり、そうかと思えば姫がじゃれてくるシロクロに「しつこいんじゃ!」と激怒してケンカを始めたりもする。姫は最初から耳に切れ目が入っていたが、白黒は入っておらず、これはどうしたものかと思案していたら、しばらくしてみかけなくなり、数週間後だかに再び姿を現した時には耳に切れ目が入っていた。
 最初の二匹、アイコンの「るん」と茶トラの「豆」も同じようないきさつを経て私に懐き、結局家に入れて飼い猫になったが、姫とシロクロはいつまでたっても懐かない。もう半年以上経っているが触ったことがない。ノミマダニ除けの薬の投与なんてできるはずもない。豆の残りがたくさんあるんだけど。エサをもらうとき以外は私がテラスに出ていくだけで逃げていく。特に姫は脱兎のごとくだ。るんと豆は数か月でなでたり抱っこできるようになったのに。私に飼い主としての責任能力がないのを認識しているのかもしれない。
 ふたりはおおむね毎日顔を一度は出す。長居することもあれば、数回出入りすることもある。一回も来ない日もある。エサだけ食べて出ていくことも多い。うちがあげるエサだけで生きていけるとは思えない。本宿はどこか目星はついている。
 あるときからシロクロそっくりの、一回り小さい猫がうちに来るようになった。チビは耳が切れていない。チビが来ると姫は激しく威嚇をするが、シロクロは何も言わない。シロクロとチビには血縁があるようにしか見えない。人間社会にもありそうな「複雑な家庭の事情」を見せられている気がして、なんともいえない気分になった。チビはやがて姿を見せなくなった。
 タイトルの「猫の不思議」だが、姫はどうやってシロクロを連れてきたか、なんである。
「あそこの家にいくとエサあるよ。一緒に行こうよ」
 ってどうやって意思疎通を図っているのか。
「今日はちゅーるをもらったけど、昨日はカリカリばっかしだった」
 とかいわゆるニャーニャー言いながら「お話」してるのだろうか。それともジェスチャーとか表情とかによるものなのか、はたまた以心伝心というべきもので意思疎通を図っているのか。
 一時期「お、来たな」とカリカリを出すと、それには目もくれず、水だけやたらに飲んであとはうちのテラスでぐうぐう寝ている日々が続いた。うちは来るものの、全く食事をしない。たまにちゅーるをあげるとそれは食べた。もうカリカリは食べないのかな、じゃあ、あーげない、と思っていたら、数週間後、「エサを出せ」とニャーニャーうるさいので、カリカリを出したら二匹とも食べた。よくわからない。定宿が留守なのか。二人そろって腹が減っていそうなときは二皿出すが、シロクロは姫を頭で押しのけて「あっちにいけ、俺が先に食う」と意地悪をすることがしょっちゅうある。姫がシロクロにそれをすることはない。

 

 
 
 
 
 基本的に姫は一人で寝たいような。

 


★今週の配信★

アマゾンプライムでバチェラーを初めて見た。どう楽しんでいいのか見方がわからない。世界中で鉄板ネタとされるリアル恋愛エンタテイメントショー。ちなみに以前ナイナイがTVでやっていたお見合い番組は好きでよく見ていた。なのにバチェラーは全然だめだった。見方、楽しみ方がわからん。出てくる登場人物全員「なんなの、このひとたち」という印象しか抱けない。正直怖い。自信過剰でキワモノみたいなひとばかり。ヤラセでもなんでもいいんだけど、あれを楽しんでいる人はどういう見方をしているんだろう。世界中に大勢いるんだよねえ。

★今月のドラマ★
「VIVANT」を見ている。ネット上で様々な「考察」がなされているが、堺君が乃木で阿部ちゃんが野崎。「のぎ」と「のざき」って音が似すぎてない? 単なる偶然? なんか仕掛け持ってくるかな?