26歳になる夫の甥(新妻も同い年)の結婚式に出席すべく、9月の連休に夫の実家のある長野県に出かけた。

9月20日(金曜日)
 夫は午前中だけ仕事。夫の仕事終わりに合わせて練馬駅で待ち合わせをし、「台湾まぜそば」を食べに行った。最近「マツコの知らない世界」で紹介されていたのを見て初めて知り、以来ずっと食べたいと思っていた。あたしがこの番組をみて購入行動に走ったことは数知れず。あたしはほんとにチョロい一般大衆だ。夫がネットで調べた「やまの」という店に行った。平日もあってか、並んではいるが長蛇というほどではない。普通の「まぜそば」を二人で食べた。期待通りの見た目と味で、美味しかった。ニラとか卵黄とか入っていて、ボリュームもしっかり。麺類としては栄養価も高い気がする。麺を食べきったらご飯を少し入れてもらって混ぜて食べる。この時、この具はギョウザのあんとほぼ同じだな、と思った。いきなり信州グルメでなくてすみません。

 夕方上田市にある夫の実家に到着。夫に突然膿んだ水虫の患部を見せられ、平日なのを幸いに皮膚科に送った。夕飯は88歳になる義母がてんぷらやおでんをふるまってくれた。何を隠そう私はてんぷらがあまり好きではない。カウンター天ぷらは別物だが、蕎麦屋のてんぷら、かきあげも食べない。油っこくて苦手だ。冷めるとさらにマズいし。しかし信州(上田近辺?)はひとが集まれば何かとてんぷらな文化がある。しかし作ったそばから食べるというほどでもなく(つまり揚げたてにこだわらない)、毎回必ず実際食べる量の倍は作る。はっきり言って、義母や夫を含めたあたし以外の信州人がてんぷらをパクパク次々と食べるのを見たことがない。当然余ったものは朝もチンして食べる。宵越しのてんぷらはさらにいただけない。あるとき義母がジャガイモを煮たのを作ってくれたら美味しかったので、これはチャンスと、

「お義母さん、あたし、こういうののほうがてんぷらより好きだわ~」と言ったら、

「それじゃあ信州ではダメだ」と一刀両断。

 

21日(土曜日)

 軽井沢ブレストンコートで挙式&披露宴。台風17号が九州近辺にあり、雨の予報だったが、実際は降ったり止んだり程度で、さほど気にはならない。甥はかねてより「俺は指輪は要らない。腕時計が欲しい」と明言しており、新妻には指輪を買ってあげていた。さて式はどうするんだろう、と思って見ていたら普通に指輪の交換をしていた。なんのかんので買ったんだ、と思っていたら、実は新郎の指輪はキーホルダーかなんかの部品のリングをその場しのぎに代用したものとのこと。さほど大きくない教会の三列目くらいに座ってみていたが、まったくわからなかった。結婚式用にと以後つけもしない安物の指輪買うより、その分今後も身に着ける気に入った腕時計代に回すほうが合理的だし、腕時計の「結婚記念度」も上がるよな、と妙に納得した。つーか、あたしは指輪の交換自体を端折るのかと思っていたけど、それは教会サイドから却下されたのか。甥は昔風に言うとジャニーズ系のかわいい顔をしていて、身内のひいきではなくイケメンといって差し支えない。新婦も目のパッチリした今風のかわいいお嬢さんだ。バストは豊満だが(ババアが言うから許せ)腰回りは驚くほどほっそりとしていて、特に二の腕の細さが、ていうか、むしろあたしの二の腕の立派さに改めて驚いた。おばはんちょっと考えないと。

 披露宴会場に戻ると、受付で飲み物とアミューズメントがふるまわれていた。一つの皿に小さなてまり寿司と、うずらの温泉卵がキャビアとブイヨンのスープにつかっているような小皿が乗っていた。特にキャビア卵が食べ慣れない味で美味しい、と思っていたら義姉(甥の母親)が来て、
「どっちが美味しいかで和食かフレンチか選べるから」
 料理がオプション。初めてだ。テーブルにつくと会場で作っているパンのリストがあったりで、迷わずフレンチを取る。披露宴というのは若者と高齢者が混ざることが多く、両方作るのは実は適正量が残飯少なく、みなに喜ばれる二択なのかもしれない。統計を取り続ければかなり正確に実際の配分が事前に予想できるだろう。私がこの披露宴会場に来るのは二度目で、前回は約20年前。当時は星野リゾートではなかった。その時、うろ覚えだが和食とフレンチの両方が一人分として出てきて、残している人多数だった記憶がある。大食いのあたしですら「まだ出るの?」と途中で思ったのを思い出した。

 披露宴はなんというか、食事含めて期待よりずっと楽しめた。ブログのタイトル通り、40歳で47歳のバツ2男と結婚した私としては、若いカップルってキラキラして素敵だなあ、と素直に思えた。招待されている友達も当然若い。式場のバスで家から会場まで行くとき、甥の友人10人弱と一緒だった。普段は考えられない数と年代の若い男たちと狭い空間を共にして、特に仲良く会話したわけではないが、そのはじける若さをしみじみと浴びた。私は普段49歳の私が「若いっていいわね~」と言われる環境で生活している。あたしの周囲、マジ年寄りばかり、とつくづく思った。てか彼らの若さに撃たれること自体あたしがババアだ。

 いや~食った食った、飲んだ飲んだ(主にシャンパン)と思いながら式場をあとにすると、義姉夫婦が夕飯に連れて行ってくれるとのこと。義母、義姉夫婦、叔母(義母の義妹)の六人で夕方六時から上田市内の居酒屋へ。叔母は社交ダンスの先生をしていて、70歳になるが姿勢もよく歩き方も軽やかだ。鍛えられた体幹の若々しさをつくづく実感した。腰が伸び、鎖骨が開いて姿勢がいいんだけど、力みがない。ここを目指すんだな、ピラティスは。
 店は居酒屋風の作りだが、出てくるものは小鉢のコースやしゃぶしゃぶが小洒落た感じで出てきてちょっと料亭風だ。松茸ご飯、松茸のてんぷらもあった。美味しかったけど、「わあ~松茸の香り! 味!」というほどの敏感な嗅覚・味覚はあたしにはなかった。義母は上田市内にある鹿教湯の大江戸温泉のリピーターで、家にダイレクトメールが来る。DMには群馬等近隣の大江戸温泉も掲載されており、どこもバイキングの目玉を紹介しているが、松茸関連の食べ放題を謳っているのは鹿教湯だけだ。

 普段から週末に暴飲暴食することはあるが、基本的には夕飯一食についてで、この日のように一日飲み続け、食べ続けたことは久しくない。さすがにお腹がはちきれそう。

 

22日(日曜日)

 お彼岸ということもあり、午前中は義父の墓参りに。お供えの花を買いに近所の生協に行くと、普段は多く空きがある広い駐車場が満車だった。店内のレジも普段は二つくらいしか開けてないのが、10個くらいのフル稼働ですべて長蛇の列。「田舎のお彼岸」の威力を知る。400円もしないリーズナブルな値段の供花もたくさん売っていて、長い茎を切る園芸用のハサミや、それをくるむ新聞紙もしっかり用意されている。店内には生産者直売スペースもあり大にぎわい。松茸コーナーもあり、みんな見に行くが当然と言っていいのか、誰も買わない。一番高くてたくさん入っている松茸セットは67,000円だ。ぶどうコーナーもあり、こちらは箱買いしていくひとも多い。皮ごと食べられるシャインマスカットとナガノパープルは価格が巨峰の倍だ。

 墓参りを終えて義母の家を出るとき、義母は誰かからもらった立派な栗を600グラムほど持ってきて、

「栗するか?」と訊いた。

「面倒なのでしません」

 と明言したが、結局お土産袋に入れられていた。普段の食事中含めて多発する義母の「~要るか?」は問いではなく、往々にして「私はあなたに提供します」の決意表明に過ぎない。

 その後隣の東御市に住む義姉夫婦の家へ。近くで「東御ぶどう祭り」が開催中とのこと。二日間開催で前日の昨日は天気があまりよくなかったせいか、晴天のこの日は広大な公園にかなりの人出。家族連れが大挙して押し寄せていた。義姉曰く駐車場もタダだそうだ。いろんな食べ物の出店も数多く出ているが、肝心のぶどうがとっくに完売。今年はそもそも絶対数が少なかったらしい。夫は買っていくつもりだったので、義姉が知り合いのぶどう農家に連絡をしてくれ、その足で農園へ。その場でシャインマスカット、ナガノパープル、巨峰の他にも二種類、聞き慣れない名前のぶどうをいただいた。これまた「マツコの知らない世界」で以前ぶどうをやっていたのを見たが、あのときのマツコが味わったのと同じ贅沢を堪能した。どれもそれぞれ本当に味と食感が違う。番組でマツコがそれぞれを食べて驚いたような顔をして「違うね~」と言っていたのを覚えている。タレントだから多少表現を盛って当然だよな、と思いながら見ていたが、あたしはあれと同じ顔をしていたと思う。なかなかの感動だ。こういうのが真の贅沢だと思った。シャインマスカットとナガノパープルは皮ごと食べられるので確かに面倒がないが、巨峰が値段が半分なだけ美味しくないわけではない。むしろ歯ごたえがあって食感としては私は巨峰のほうが好みなくらいだ。他の二種類も驚くほどみずみずしかったり、さっぱりした甘さにほのかな酸味があったりと、それぞれのおいしさがあった。贈答用のは終了しているので、自宅用?のを箱でいただいたが、贈答用を見てないせいかどの辺が贈答用より見劣りするのかはわからなかった。

 その後四人で佐久の「草笛」にそばを食べに行った。午後二時ごろだったか、長蛇の列。すでに昼の受付を終了していて、あとは夕方五時以降とのこと。三連休の中日とあって、駐車場にも首都圏ナンバーが多数あった。草笛は小諸・上田近辺に複数の店舗があるが、どこもこんな感じだ。美味しくて安くて量が多いので、地元のひとも行く。信州の地元民は高くて量が少ない観光客相手の蕎麦屋に行かない。
 仕方ないのでここで解散。昼食は横川のサービスエリアで「峠の釜めし」を食べた。ちなみに下り線は「高崎のだるま弁当」だ。こっちは食べていない。峠の釜めしは駅で販売しているのを停車時間中に買いにいったことのある世代の私たち夫婦だ。食べるのは40年ぶりくらいかもしれない。量も多すぎず、ほどほどで味もよかったけど、あれで千円はちょっと高い気がする。確かに栗とか入っているけどさ。夕方横浜に帰宅。ヘトヘトなので宅配ピザを取りに行って夕飯にする。一枚タダのアレだ。

 

23日(月曜日・秋分の日)

 栗ご飯の下ごしらえをする。この親にしてこの子あり、夫も食事に季節感や習慣を重んじる傾向は強い。あ~めんどくせ~と思いながら栗ご飯の作り方をネットでチェックして、栗の皮を剥いた。けっこう大変だ。夫がいたので一緒に剥いたが、夫のはいい感じに薄く渋皮が残っているのに私が向いたのは身がかなり削れてしまっていて、もったいない感じだ。水につけて明日に備える。

 

24日(火曜日)

 ようやく日常が戻り、予定通り私は更年期的ホルモンバランスの不調に陥った。それ抜きにしても栗の下ごしらえをしていてよかった。あんなもの一日でひとりで仕上げるのは大変だ。甘栗を使った栗ご飯は結婚してから何度か作ったが、本物の栗から始めるのは初めてだ。午前中スーパーに買い物に行くと、甘露煮の入った栗ご飯セットが売られていた。
 〇分クッキングのレシピが三合で作られていたので、合わせ地の分量はこれにする。さっそく炊飯器に諸々入れてスイッチオン。出来上がったのを食べる。作ったことのある甘栗版と比べると当然というべきなのか薄味だ。ごはんも食感がもそもそしている。なんとなく納得できないので、以前甘栗で作る栗ご飯のレシピを「きょうの料理」テキストから切り取ってファイリングしていたのを見てみる。今回は生栗ということでチェックしていなかった。見ればこちらには薄口しょうゆも入って、水の量も多い。しまった、こっちでやるべきだった。生栗だということにあまりに気を取られ、別物のつもりで見もしなかった。ファイルには「応用編 まつたけご飯」の但し書きもそもそもプリントされており、「けっこう美味しい」と手書きでわざわざ記入してあった。リベンジするといっても、また栗を買う気はないし。せっかくの栗が。後悔することしきりだ。夫に食べさせると、

「まあ季節な感じで、いいんじゃないの」
 と予想通りの淡泊なコメントであった。

 

25日(水曜日)

 房でいただいた巨峰のほかに、赤みが強かったり、房から落ちてしまったバラの巨峰のつぶを箱でもらってきていた。赤っぽいのが「美味しくない」とされて売り物から除外されるらしい。果物はなんといっても見栄えが価格に大きく反映する。バラの分はジップロックに入れて凍らせておいた。今日は夫が飲み会でいない。房のちゃんとしたのをひとり食べるのは気が引けるので、凍らせた中で赤っぽいつぶを選んでひとりで食べた。甘い。美味しい。巨峰シャーベット。凍らせたせいなのかは不明だが、濃い紫のつぶと比べてさほど劣る感じはしない。ちなみに冷凍巨峰だが、冷凍庫から出してしばらく置いておくと皮だけ剥きやすくなるが、時期的に涼しいこともあり、そこまで常温で解けるのに意外と時間がかる(20分くらい?)。というわけで私は出してすぐ口に入れて、口に残った皮だけ吐きだしていた。

 

 総括。本当の贅沢は労力を伴うと実感。あと恐ろしくて体重計に乗れない。