昨年七月に長年信奉していたヨガの先生に去られてしまい、意気消沈した話を以前記事にした。私はこの先生のおかげで姿勢が改善し、40歳すぎて背が伸びた。先生なきあと、ボディメンテナス的なことをなんとかしなくては、と以前からあったピラティスのクラスに参加してみることにした。
このピラティスのクラス、ずっと同じ先生で以前も参加したことがあったのだが「わけがわからん」と早々に脱落していた。それに7年ぶりくらいに参加してみた。相変わらずわけがわからないが、ヨガの先生に7年以上かけて意識を高めてもらったせいか、わからないなりに「参加する手応え」を感じ始めた。
素人の私の見解なので話半分に読んでほしいが、パワーヨガとピラティスを比べてみる。ピラティスは徹底して深層筋(インナーマッスル)にアプローチする。パワーヨガの場合は明確な線引きはしないが、大きな表側の筋肉にも深層筋にも両方アプローチをする。パワーヨガは大きな筋肉にばかりアプローチすると誤解しているひとも多いかもしれないが、きちんと丁寧にポーズをとるとインナーマッスルに訴えるものが多い。インナーマッスルは基本小さいので使っている実感を得にくいのが難点だ。
大きな筋肉で「頑張る」ことに慣れているわたしのような人間は基本的に偏った体の使い方をしており、深層筋はだらけきったまま主に前側の大きな筋肉ばかりを使って運動もしているし生きている。私の場合は前太もも、太ももの外側、胸、肋骨、肩のあたりに負担が集中していて、お腹は抜けている。お腹を使えというので試みてみると、「腰が入っていてお腹は抜けている」とやっぱりダメ出しされる。「お腹を使う」ってどういう体感?
大きな筋肉を使った瞬発力的な力ではなく、少ないパワーで効率的に体を動かし、腰・関節等に負担のかからない体の使い方を学ぶのがピラティスだ。個人的に、ピラティス的肉体の理想形のひとつはイチローではないかと思っている。マー君とかダルビッシュとか主に投手はパワーが必要とされるため外側の大きな筋肉をつけて身体を大きくするが、イチローのようにパワーより瞬発力や敏捷性が持ち味であり、長く現役を続けられる身体となると、大きな筋肉はさほどつけないで、深層筋を使いこなせる柔軟性の高い身体を獲得するトレーニグを積むのではないだろうか。バレエダンサーなんかも同様だろう。動きにさほどパワーは感じないが、強い軸と軽やかさを感じさせる。
私はというと、とにかく体の力み癖、固め癖がすごい。前出した表側の大きい筋肉をガチっと固めて様々なエクササイズ(動き)を意識せずともしてしまう。先生は主に背面に意識をもってくることを喚起し、「胸の力を抜け」「肋骨の力を抜け」と私にダメ出しをするが、なんせ意識して力を入れているわけではないので抜くのも難しい。この癖をとることによって深層筋が稼働し始めるようトレーニングをするのがピラティスだ。大きな筋肉を全く使わないわけではないが、明確に力むようなことはなく、深層筋ありきの効率的な動きを獲得する。ピラティスはそもそも戦傷者のリハビリとして開発されたエクササイズだが、特に負傷していない私たちでも体の使い方の意識を根本的に変えるのは難しい。というか、なまじ動けるだけに慣れた方法を捨てるのが困難だ。
そんなこんなで実感(出来ている感)はあまり伴わないままピラティスに夢中になっていった私だが、気にしてみると世の中ピラティス的指導であふれているんである。
まずゴルフ。BSテレ東「ゴルフ天下たい平」というゴルフ番組で落語家の林家たい平が受けていた指導のひとつは、
「頸椎と仙骨を結ぶ背骨を軸として意識し、右肩甲骨でクラブをテイクバックして戻ってくるだけ。こうすると腕からは力が抜ける」
まさにピラティス的。ピラティスでこのテの指導に慣れていたのでさっそく練習場で試してみる。私はかなり腕に力を入れるタイプだったが、なかなかうまくいった。スイングの意識がまったく変わり、腕で力むことなくいい球がでるようになった。ただ一打一打しっかり意識をして丁寧にスイングしていると、力任せに振り回しているのと違って集中力疲れがひどかった。
そして水泳。どの泳ぎもそうなんだろうが、バタフライで特にピラティスを意識する。どこも力むことなく、身体の軸をまっすぐ保つことに集中して、身体を伸ばすところではしっかり伸ばすことで推進力に変える。これも力を偏って入れないように意識するのがなかなか難儀で、私は主に前太ももにグツと力が入れて身体を持ち上げようとすることが多々ある。疲れてくるほどこうなりやすい。こうするとさらに不必要に疲れるし、水の流れにうまく乗っている感触もない。腕のリカバリーも腕で力んで戻すのではなく、肩甲骨から回転させて戻すだけ。
この前TBS「ぴったんこカンカン」で「今話題! くびれ母ちゃんの膣締めダイエット」とかいうのをやっていたが、あれもまんまピラティスだ。ピラティスでは骨盤底筋群という代表的なインナーマッスルに喚起を促すが、骨盤底筋群という言葉にみんなが聞きなれておらず、「膣締め」という言葉のセンセーショナリズムをうまく宣伝に利用しているだけだと思った。
まだピラティスについて語れるほどではないが(ってねえ、アンタこれだけ書いて)、なんとなくある程度高齢のひとが健やかな老後を作るため、また体が硬くて関節可動域の狭い男性なんかにより必要な気がする。クラスでも激しい有酸素運動や強度の高いヨガのポーズを続けるようなタイプの疲れ方はしない。しっかり意識を集中して体を動かすことによる疲れはあるが。理屈で迫る部分は多いので、男性にはよりとっつきやすいかもしれない。女性は骨盤底筋を鍛えることで加齢による尿漏れや膣からの臓器脱を防ぐことができる。
ピラティスのクラスに参加するようになって半年は経過したか。先生が左右の坐骨をきちんと意識して座るよううるさいので、別のバレエストレッチのクラスでもそう心がけていた。左右の坐骨に均等にしっかり乗って胡坐をかいて座り続けるだけでまあまあしんどい。このストレッチのクラスもバレエの先生だけにかなりピラティス的だ。毎回ある程度関節をほぐしてから開脚前屈をする。以前からストレッチ後なら胸まではついていたが、最近突然下腹がついた。腰椎が硬いので、よくある見本みたいに背骨がまっすぐにはならず山なりではあるが、一応下腹が床についた。単に下腹が出ているだけだろうと言うなかれ。左右の坐骨がパカっとひらいて、下腹というか坐骨が股関節側に滑り込む感じだ。上体が前に倒れるというのとは感じが違う。
※ヨガの先生に去られた記事「日常のマイナーな質の低下」はコチラ。
★今週の出来事★
3/31 車の買い替え。前の車、プジョー508SWとお別れで寂しい。小回りが効かないのが難点だったが、内装外装ともに洒落ていて、とても気に入っていた。トランクもたっぷり収納できて、天井はガラスルーフ。実家が車を所有していなかったので、私にとっては結婚生活の大分部をともに歩んだ思い出の車だ。新しい車とも仲良くなれるといいけど。今度はクリーンディーゼルの車で、ガソリン代に期待。508の前がトゥアレグで、猛烈な大飯食らいだった。
4/1 新元号「令和」発表。昭和と字がかぶるのはちょっとどうかと思ったが、最近「新高輪ゲートウェイ」の恐ろしいネーミングセンスを告知されたばかりだったので、上品なネーミングにとりあえずとりあえずホッとする。でもやっぱり「令」はいいとして、「和」は昭和生まれがまだ多いのもあるし、別の字がよかったなあ。明治以降とは字がかぶらないほうが利便性の点からみても。出典はよかったので「令香」なんてよかったなw でも国民がまあまあ受け入れている様子をみるにつけ、「新高輪ゲートウェイ」を改める最後のチャンスだと思う。まともなのにすれば国民は受け入れることが証明されたじゃないか。