これはかなりお薦めの大人の映画。会話がいいのよ。オスカー・ワイルドの「ウインダミア公爵夫人の扇」が原案。ニューヨーク社交界のお金持ちたちがバカンスに訪れた1930年のイタリア、アマルフィが舞台。この映画で初めてスカーレット・ヨハンソンを見たのだけど、天性の女優っているもんだ、と驚愕したのを覚えています。もちろん主演のオスカー女優ヘレン・ハントだって熟練の芸を見せてます。
 新婚のスカーレットは、夫がふしだらな噂の女王ともいうべき女性(ヘレン・ハント)と浮気しているのではないかと、老貴婦人に相談。するとその老婦人曰く、こういうとき夫の目の前で泣いたりするのは醜い女のすること、美人は何をするかというと、
"go shopping"
 台詞回しと言い、魔女化した容姿といい、一番印象に残ってますね、この映画で。まあ、私は四六時中泣き喚いているので、買い物で憂さ晴らしして何事もなかったかのように振舞うなんて美女芸はやはりできません。所詮その程度の女ってことなんですねえ、悲しいかな。夫には顔や態度に全部出る、と言われているし。
 往年の社交界のファッション、イタリアの風景と、ドラマと台詞と演技、カメラ、基本総てがしっかりしているので、そういう部分も十分楽しめます。オスカーの候補になってないようだけど、なんでなの? 私としては「英国王のスピーチ」よりずっと面白い。93分と尺もちょうどいい。最近の映画って、長すぎるのよ。