結婚して丸三年、私は立派に育った。30代は身長160センチ、10年通してほぼ53~54.5キロを維持して、わりにしょっちゅう「細い」「スタイルがいい」と言われた。着る服は7号か9号(ものによる)。女性の体重等に疎い男性は、この体重だと「そこそこ太ってないか?」と思うかもしれないが、女性芸能人の公式プロフィールの身長体重を鵜呑みにしているものと思われる。私も大学の先輩にモデルをしていたひとがいて、彼女はそもそも私とは骨組みが違うのを目の当たりにしている。そういう「骨組みは至って凡庸」な、しがない一市民女性としては、可変部分について30代の私は、我ながらなかなか美しかったと思う。腹筋にも薄く立て筋が入って、RIZAPみたいだったのよ。「細い」というよりは「締まっている」のほうが表現として的確だった。当時の感覚では52キロ台が自分としては最も美しい体重で、51キロまでいくと乳房の上部がへこんでくるようにみえた。ひとそれぞれ、骨格や体質に合わせた最も美しくみえる体重があると思う。一概に身長だけでは決められない。
こんな「脱いだらすごいんです」(懐かしい)の私が40歳という折り目に結婚。丸三年かけてじわじわむくむく育ち、30代には55キロ台になったことのない私が、43歳時点で60キロの大台目前まで来た。体重計で数字を見ていないだけで、60キロを越えていた時間帯も間違いなくあっただろう。相変わらずジムには通っていたのにこの始末。ジーンズ等が日々苦しさを増す。歳を取ると基礎代謝が落ちて太るなんてよくCMでやってる。そんなことより、結局私は結婚してから食べる量が圧倒的に増えていた。私は30代、平日夜はおにぎりを二個くらい食べてジムに行き、帰ってからは何も食べないという生活をしていた(土日は好きに食べていた)。それが結婚してからは、三食キッチリ。料理がそもそも不慣れなので、専業主婦になった以上は努力努力と頑張ってきたが、食べずに料理の腕を上げるのは基本的に不可能だと思う。そして空腹でそれなりの時間、料理を続けるというのもけっこうキツい。土日は夫が夕飯を作ってくれるのだが、これも週末の夫婦の楽しみたる「プチ酒宴」なので、デザートまで含めて節食していては楽しめない。「グルメ」という言葉があるが、この「美食家」を指すフランス語には量を食べることがニュアンスとして含まれると何かの本で読んだ。「小食のグルメ」は言葉として成立しないということだ。
そんなこんなで、結婚してからちょっと苦しくなるほど食べる機会が格段に増えた。これは30代めったになかったのではないだろうか。加えて歩く量も横浜山間部に越してきて車ばかりになり激減。体重は徐々に増えていった。30代からジムに行くたびに毎回体重を記録していたのだが、少しずつ増えていったので、
「生活変わったんだから仕方ないよね」
と危機感薄く三年過ごした。しかし年一回の健康診断でみると、一年ごとに明確に育っていた。毎回体重を記録している意味がないどころか、毎回つけているせいで一回ごとには、
「大して増えてない」
と危機感を減らす結果に。去年の人間ドッグでは、
「コレステロールが黄信号だから、これ以上体重を増やさないように」
と健康面から医師に勧告されたのに、友人やジムのお仲間と「痩せないわね~」という挨拶代わりの言葉にぬくぬくと漬かって過ごしていた。
そんな今年のゴールデンウィーク。結婚当初に買ってもらったゴルフ用のパンツもキツくなり、助手席で座っているときには上のボタンを外すという醜態までに至っていた私に、大学時代の同級生から久しぶりにランチのお誘いが来た。女四人で集まったが、そのうちのひとり南ちゃん(仮名)が今年に入って六キロも痩せたとのことだった。
「正月休みに三キロ太った。それでいつもの服着て会社に行ったら気持ち悪くなって、帰りはタクシーで家に帰ったのよ。これじゃやばいと思って、夕飯を抜くことにした。そしたら六キロ痩せた」
彼女はワーキングマザーで、夕飯は家族に作って自分は食べないというのを断行して六キロ痩せたらしい。年末から見れば三キロ減ということか。とにかくだ、仕事も子育てもしている同い年の彼女にできることが、子ナシ専業主婦の私に「できない」というのは甘え以外の何ものでもない。40歳過ぎて基礎代謝が落ちている、も言い訳にならなくなった。私自身、30代は平日の夕飯を制限することで「ないすばでー」を維持していたので、彼女の方法には説得力があった。
というわけで、長年の友人が半年以内に六キロも努力で痩せた、という現実は私に決意を迫った。
しかし主婦歴15年オーバーの南ちゃんはともかく、「料理の腕を上げる」は相変わらず私の生活の重要なテーマなので、夕飯を食べないというわけにはいかない。しかし夫が飲み会の夜などは可能だ。というわけで、「夕飯を食べない」と潔く決行することはできないが、「基本的には一日二食程度の量になるように」と節食調整することにした。
「働くお母さんの南ちゃんにできた努力が、私にできないというのは甘えだ」
と自分に言い聞かせて空腹に耐えた。ちなみに朝は必ず夫とこれまで通りに食べ、また週末も自分の30代と同じように特に制限せず普通に食べた。平日の昼~夜が調整タイムだ。
というわけで、それまでの満腹な私とは打って変わった腹ペコ生活に変えたのだが、体重はなかなか減らなかった。さすがに増えないが、目に見えて減るほどでもない。その「運命のゴールデンウィーク女子会」より前に、これまた同い年の女友達と、
「一ヶ月に一キロ痩せる」
というのを偶然二人とも4月頃(私が最大値59.9を確認)に思い立っていたのだが、その「一ヶ月に一キロ」はけっこうキツい思いをしないと達成しないことが節食を始めてよくわかった。これは一時的に減らすことではなく、毎日だいたい同じ時間帯に体重計に乗って、55キロ台なら55キロ台を一ヶ月維持できるか、ということだ。よくよく考えてみれば、三年かけてコツコツ太ったので、容易に減らなくて当たり前だ。おそらくだが、南ちゃんもその「正月太り」の三キロ分は比較的容易に痩せたのではないだろうか。私も「飢えに耐えて」六月上旬の健康診断当日には一年前の健康診断結果と同じほぼ57.5キロ体重まで減らすことができた。この日は午後から検診だったので、朝はパン一枚、昼は水も抜きという指示があってのピンポイント体重。しかしウエストはかなり増えていた。体型の崩れはいかんともし難い。
後編に続く→コチラ。
★今週の誕生日★
8/7 どうでもいいけど、今日はあたいの44歳の誕生日です。しかしダイエット記録は43歳時のものなので、後編もこのままのタイトルでいきますぞ。