52歳の夫が自治体の大腸がん検診(検便)を受けたが、二日分のうち一回が陽性(潜血反応)だった。よって大腸内視鏡検査を行った。
●結果
・12㎜のポリープ(良性)あり。切除。
・虫(アニサキス)が一匹腸内に食いついており、周囲が赤くびらんあり。除去。
・憩室二個あり。炎症はなし。
ただしどれも潜血反応の明確な原因とはなりえないそうで、陽性原因はわからずじまい。よくあることのようだ。ポリープは5㎜以下は経過観察、10㎜以上は切除が一般的な基準らしい。10㎜以上のポリープの半分以上はガン化しているそうだ。虫はアレルギー反応が出ると相当な苦痛を伴うようだが、夫にはなかった。切除したのと虫がいたので三日間アルコールとお刺身は禁止となった。切除等がなければ検査日のみアルコール禁止になる。
●検査当日まで
この大腸内視鏡検査、検査三日前から消化のよいものを食べ、普段は摂取するようにしている食物繊維等は控える。推奨食材と控えたほうがいい食材のおおまかなリストを渡されていた。前日夜に効きの緩やかそうな下剤を飲んだのち、当日は朝から自宅で下剤を二時間かけて飲み続け、トイレに10回以上行く。夫の場合は朝10時に病院入りとなっていたのだが、6時から8時くらいまで下剤を飲み続け、9時半過ぎに家を出て病院へ。歩いて30分弱なのだが、途中から「やっぱり」とバスに乗っていた。休憩時間含めて12時半頃終了。費用は切除等あったせいで約二万円。保険適用でこの価格。日帰りで負担少なく手術ができたと思えば安いのか。その後帰宅して雑炊と豆腐を食べ、一時過ぎには出勤していた。
●検査まで
事の始まりは半年以上前に遡る。市からがん検診の案内が来た。当時夫は既に転職が決まっており、歯科検診も含めて転職前に一通り検診をするということで夫婦間の約束を取りつけた。ところが有給が取りやすい状況にあったにもかかわらず、夫は四の五の理由をつけて受診しなかった。年が明けたらすぐ、といっていたのが結局検診を受けたのが3月19日。結果報告を受けに行ったのが28日。そこで大腸がん検診(検便)二日分のうち、一日分が陽性との報告を受けた。
私は若いときから軽い痔があるのだが大腸がん検診で一度もひっかかったことがなく、夫の陽性反応にはけっこうビビった。夫も初めてとのことだった。現在私は快便だが、夫はお世辞にもそうとはいえず、時間を選ばずトイレに長時間こもっていることはよくあった。何日も出ない便秘ではなく、いきまないと出ない難便と察せられた。身体にいいわけがない。便秘薬などは嫌いで断固拒否。サプリなどは数種類試したが、はかばかしい効果はなかったようだ。血便や排便時の痛み、腹痛などはないとのことだった。
というわけでさっそく精密検査、と思ったが、4月転職で保険証がない。保険証ナシで検査を受けて、とりあえず満額を払い、保険証発効後に払い戻しを受けることは可能なのだが手続きはけっこう面倒くさい。だからいわんこっちゃない、年明けすぐに検査を受けていればこんなことには、有給だって今と違って取りやすかったのに、とひとしきり夫婦喧嘩をした。
そんなときEテレの健康番組「チョイス」で大腸ポリープの特集が組まれた。タイムリーなのは夫より私にとってか。大腸内視鏡検査のプロセス、大腸ポリープ、大腸がんに関する基本知識が紹介され、おかげで漠然とした恐怖を感じることはなくなった。録画して夫にも見せたが、それすらブツブツ文句を言ってけっこう面倒だった。
加えてお隣から近所の大腸内視鏡の専門医を教えてもらうこともできた。隣人が大病院から紹介された肛門外科、大腸内視鏡検査に特化した医院だそうだ。これはいいことを聞いた、と保険証が発行されてから問診に行ったのが4月23日。そして検査日として設定されたのがなんと8月19日。予約がいっぱいとのことで、四か月も先だ。さすが人気専門医というべきなのか。「チョイス」で大腸ポリープが大きくなったりガン化するにもそれなりに時間がかかるというのは勉強したが、それにしても先過ぎる。夫も、
「その間に俺、死にませんかね?」と先生に聞いたが、
「死なない、死なない」
と笑われたそうだ。別の病院を探すか、と夫に聞いたら、
「もう予約は取ってきた。また問診に行くなんて面倒でいや。下剤も一通りもらってきちゃったし」
●検査を終えて
そして四か月後に受けた検査結果は上記の通りだった。内視鏡の画像(ポリープ、虫、憩室)は私もプリントアウトしたものを見せてもらった。大腸内視鏡検査は検診で引っかからないと保険適用にならないし、内視鏡検査を受ければ大腸がん検診ではみつからないような所見にも対処してもらえる。私もこの先もし陽性になることがあったら、むしろ積極的な気持ちで内視鏡検査を受けてみようと思った。加えて検査が数か月先でも、これといった自覚症状がなければ慌てる必要がないのもわかった。そうはいっても下剤を飲むのは大変そうだったが。切除したポリープが良性との最終検査報告を受けたのは9月10日。最初に「検診を受ける」と決めてから、実に長い道のりであった。ほとんど一年がかりだ。私自身はせっかちなので、こういうのにはイライラさせられる。そしてマヌケなことに、転職した会社の初の人間ドックが内視鏡検査からちょうど一週間後だった。切除しているので陽性になる確率は高そうだったが、検便の結果は陰性だった。検査(特に定期検診程度のもの)で陰性というのは、「(がん等)異常がない」という証明ではなく、「とりあえず今回陽性の証は拾えなかった」ということに過ぎない。定期検診というのはある個人に異常がないことを証明するためのものではなく、異常があるひとをなるべく多く、なるべく早期のうちに拾う、という主旨のものと考えたほうがいい。そうはいっても、定期検診が大切であるという事実も今回改めて実感した。症状が進行するほど陽性の確率は当然高くなるし。
※追記:この大腸ポリープ切除、夫は医療保険が適用になりました。各社契約内容によって適用範囲は異なりますので、皆様ご確認ください(10/15)
※追記Ⅱ:うちは二万円の日帰り手術に対して十万円保険が降りました。医療費控除を受ける際、こういう場合は両方申請を控えることになります。対し、例えば入院等で15万かかったところに10万保険が降りたら、両方申請することになります。医療費だけ申請して保険が降りたことを隠匿したことが発覚すると、脱税扱いになるそうです。私が私的に調べたことなので、ご参考までに。確実なことについては各自ご確認ください。
●PSA検査(オマケ)
ちなみに夫は最初の自治体の検診で前立腺がんをチェックすべくPSA検査も受けた。結果陰性だったのだが、数か月後に私の70代の実父が検査を受けたら陽性だった。排尿が少しスムーズでなく、軽い痛みという自覚症状があり、周囲に前立腺がんの同年代が多いこともあって、検査を自ら受けたらしい。父は検査を自らマメに受けるタイプなのだが、近所の総合病院の泌尿器科が激込みなのを知っていたので、この検査だけ避けていたらこんなことになってしまった、とボヤいていた。毎回二時間以上待たされて、レントゲンなどを受けた結果、ほぼ前立腺がん、との宣告を受け、二泊三日の検査入院をすることになった。ガンの範囲が判明したら市の外れにある大学病院にバスで通い(こちらも全科激込み)、放射線治療を受けることになる、と母からショックを受けたような電話が来た。そして検査入院の結果は「前立腺炎」。あれほど「お父さんは前立腺ガン」と繰り返し母が言っていたのに、なんなんだ。内服薬で対処となるらしい。「がん保険が降りると思っていたのに」と父は別の気落ちをしている、と母が怒っていた。しかし小林〇央さんのケースもあるし、手間はかかっても生体検査をしてもらってよかったと思う。

(うちの猫⑤ これもまだテラスで暮らしている頃)