※※ 注 意 ※※
今回の記事は、これから不動産の名義変更を考えてらっしゃる方の参考になれば、とは思いますが、名義変更は不動産の内容、名義変更の理由等によって、必要な書類の数、種類、経費、手続き手順等、大きく異なることがあります。ひとつの具体例として、特に数字関連についてはあくまでも参考にとどめるようご留意の上お読みください。実際の手続きはこの記事の記載内容に関係なく、所轄法務局等の指示に必ず従ってください。
※※※※※※※※
私は夫が前妻と購入したマンションに引っ越してきた。二人が離婚する際、このマンションは夫のものということで合意に達していたのだが、夫が名義変更の手続きの面倒くささに両名の名義のまま放置していた。すると両名宛にごくたまに郵便物が来たりする。のちのち面倒が起こるといやなので、私という後妻も出現したことだし、名義変更を実行することにした。司法書士に頼むと手間賃が最低でも五万円かかるらしく、ここは一発、ヒマな専業主婦にして元事務職の私が勉強がてら取り組むことにした。二人が離婚してから丸六年が経過していた。
☆法務局1回目訪問。三月末。
実をいうと、私は法務局というものがこの世に存在することさえ知らず、名義変更が自力でできるものとは思っていなかった。夫に教えられ、所轄の法務局をネットで調べて電話。手続き相談を平日行っているが、電話では受け付けていないとのこと。ジムのない木曜日、マンションの権利書を持ってイソイソと法務局へ。権利書なんてものも初めて見たが、1/5が前妻の持分となっていた。
電車に乗って、最寄り駅から歩いて10分。相談担当の初老男性とご対面。離婚による名義変更とのことだが、贈与によるものか、はたまた財産分与によるものか、と聞かれ、さっそく首をかしげた。それがわからないと話にならない、と追い返されそうになったが、わざわざ電車に乗って来たのだ。ここで帰ってなるかと、慌ててその場で職場の夫に電話。すぐ出たので助かった。よくわからないので相談担当の方に夫に電話で話してもらおうと私の携帯を渡したら拒否されたので、自分で聞いてみたら、財産分与だろう、とのことだった。すると相談担当者にわら半紙に印刷されたいくつかの書類を渡された。その他に前妻の印鑑証明、住民票、戸籍、マンションの不動産評価証明が必要であるとのことだった。住民票については、前妻がこのマンションを出てから数回転居していれば、それがすべて追えなくてはいけないといわれた。不動産評価証明なんて言葉も初耳だった。区役所に行けばすぐもらえる、と言われた。
「でも今度の四月で新しい評価額が出るから、もし手続きが四月を超えるなら、四月二日以降に発行される評価証明じゃないとダメだよ」
前妻に用意してもらう書類については夫に依頼をお願いして、私は書類をワープロソフトで作った。もらったわら半紙に直接記入してももちろん構わないのだが、書き直すことが出来なくなるので、自分で同じ形式のものを作った。これは丸写しなので大した手間ではない。今回必要な作成書類は以下の通り。すべてA4一枚に収まる。
① 登記申請書
(登記人である前妻の住所氏名が変更されたことを申請するもの)
② 登記原因情報証明
(①の変更がどのような理由で発生したかを申請するもの)
③ 登記申請書(前妻の持分が夫に移転することを申請するもの)
④ 委任状
(前妻が①~③の手続きについて夫に委任することを申請するもの)
⑤ 不動産の表示(今回申請する不動産の明細。権利書の一部を丸写し)
⑤は①③④の書類上に内容が記載できれば別紙で作成する必要はないのだが、うちの場合は長くて一枚に収まらなかったのと、同一のものを複数コピーしてホチキスで留めて添付できるので(その際夫や前妻の割印が必要)私は別紙で作成した。
不動産評価証明は近所の区役所の派出所ですぐ取れたが(住民票などと違い、区役所本体の開庁時間に合わせて行く必要がある)、その金額の安さにびっくりした。今売ったらこのマンションはこの激安価格なのか?! と驚いたがそういうことではなく、一般の不動産売買の価格とはまったく別で、この評価額によって今回の登録免許税が算出されるので、実は安いほうが助かるのだ。
☆法務局訪問2回目 四月中旬
前妻はこちらの依頼にすぐ呼応して住民票等を送ってくれた。このひとは必要なことを余計なことをしないですぐにやってくれる方で、ありがたい限りである。必要なことはしないが(鍵を返さない)、余計なことはする(結婚記念日に電話してくる)夫の元カノとは大違い。彼女が送ってくれた書類に記載された彼女の住所等を、私が作成した①~④の書類に記載し、彼女の住民票、印鑑証明等の書類と評価証明を持って再度法務局へ。私の作った書類に不備がないか、集めた書類が充分かチェックしてもらうためだ。このとき前妻の実印を預かって、夫の実印とともに持っていければこの日に手続きを進められるのだが、前妻に「実印貸して」とお願いするのははばかられる気がしたので、作った書類を送って、捺印して返送してもらうことにした。
すべての書類を相談担当者に提出すると、土地の評価証明がなく、これでは登録税が算出できない、と言われた。これは完全に私の思い込みによる間違いで、私はマンションの名義変更なのでマンションの建物の評価証明があればいいと思っていた。しかしマンションは当然土地の上に建っていて、マンションの持ち主全員でこの土地を共有していることになり、評価証明は建物と土地でそれぞれなくてはならなかった。ちなみに横浜市は一通(片方)300円だった。
☆法務局訪問3回目 四月中旬
書類を完成させて、前妻に捺印してもらう箇所に付箋をつけ、返信用のEXパックを同封して郵送したら、これまたすぐさま返送してくれた。この名義変更で揉めていないとはいえ、気分のいい手続きであるわけがなく、余計なことを一切言わず淡々とこなしてくれる彼女に感謝もひとしおである。返送された書類に夫の実印、今度は土地の評価証明も持って法務局に行った。するとすぐさま登録税が算出されてしまい、約11万円とのことだった。あとから振込用紙でも送られてくるのかな、と考えていたので手持ちは当然なく、あわてて法務局近くの銀行でお金を下ろし、戻って約11万円分の印紙を購入。その場で自分で作った書類にペタペタと貼った。登録人である前妻の住所氏名を変更する登録免許税が二千円で、これは一律でないかと予測される。そして前妻の持分である20%を夫に移転するのに、例の不動産評価証明に掲載された評価額によって算出された登録免許税が約11万なのであった。つまりこれが100%の移転になる場合は当然五倍、約55万円の登録免許税がかかる計算になる。ちょっと気軽にできる金額ではない。名義変更は手間よりこの登録免許税の額から、気軽にするものではないな、と思った。
とりあえずこれで手続きは完了したそうで、そもそもの権利書と一緒に法務局に提出した。書類に不備があれば電話があるが、なければ五月中旬には登録が完了するとのことだった。完了を証明する書類を引き取りにくるとき、当人(夫)ならすぐだが、私が取りに行く場合は夫の委任状がいるとのことなので、これまたもらった見本をもとに自分で作った。発行から三ヶ月以内に引き取りに行かなくてはならず、法務局は平日にしか開局していない。
☆法務局訪問4回目 五月中旬
ようやく完了。発行された書類は、もとの権利書の内容が変更された、というもので新しい権利書が発行されたわけではなかった。つまり夫と前妻の連名の権利書はこれからも保存しなくてはならず、けっこうガッカリした。離婚歴のある男と結婚すると、こういうこともあるのだ。
終わってみると、想像よりずっと楽だった。法務局にいた時間も、一回につき20分もなかったような気がする。閑散期なのか、特に待たされたこともなかった。手続きを急がない場合、平日法務局に行く時間が取れる方は、司法書士に高いお金を払ってやってもらう必要はないように思った。またこの記事では初めて法務局に行ってから手続きが完了するまで二ヶ月近くかかっているが、これは私が自分の予定が空いている時を利用したからで、決して最速ペースで手続きが行われたわけではない。前妻の印鑑証明の有効期限内(三ヶ月)に終了させればいいや、とのんびり進めた。その気になれば一週間で申請手続きを完了することは可能だ(受取はその数週間後)。
以上、読者の方のお役に少しでも立てれば幸いです。冒頭にも書きましたが、あくまでも参考にとどめるよう、お願い申し上げます。
★今週の出来事★
5/27 日本ダービー、騎乗停止をくらってオークスの勝ち馬、ジェンティルドンナに乗れなかった岩田J、自分で繰り返し調教に乗ったディープブリランテで初のダービージョッキーに。