朝、コンビニでジャスミンティーを買うこと。

スタバに行ったらチャイラテを頼むこと。

そんな一つ一つの習慣にきみの影が見え隠れする。

1年9ヶ月を経て、俺の生活はきみの色に染まっている。

そんな自分が嫌で、今朝は烏龍茶を買ってみた。

意識的にそんな小さなことをする自分に思わず笑ってしまった。

自分の弱さに笑ってしまった。

まだ第三者的視点とやらは手に入らない。

見る角度は変わったかもしれないが、視点はまだ俺の頭上にある。

第三者的視点を手に入れるべきなのだろうか。

それを手に入れるメリットは?デメリットは?

あれ以来他のことがおろそかになる俺。

他のことに手がつかない俺。

きみのことになるとどこまでもダメな男になっていまう俺。

裏を返せば、俺が今まで他のことをしっかりやってこれたのはきみのお陰。

厳しい状況でも、面倒なことでも笑ってそつなくこなし、評価を高めてこられたのはきみのお陰。

なんだか、自分の弱さとまっすぐさに笑ってしまう。

募るのはきみへの感謝と未練と罪悪感。
「今日経済法の時機嫌悪かったけどどうしたの?」

きみは尋ねる。

わかってるくせに。

今日渡せなかった、彼女のために集めた商法の資料。

「ん~読む時間なくなりそうだからいいや。資料膨大にあるんだよね。」

2週間前に渡すと約束した資料の山は、崩壊する俺の心のように俺の部屋に舞った。

この2週間ですべて変わってしまった。

コピーをすると言ってロー棟にいったきみと彼に起きた、俺には残酷すぎる出来事。

商法も彼にもらったんだね。

俺のはいらないんだね。

俺も要らないのかな?

1年秋、2年春、2年秋はきみと期末勉強したね。

3年春が始まってからも、普段忙しくて会えない分テスト勉強は一緒にしようと約束したね。

1年前、俺がテスト前はきついけど普段より会えるから嬉しい。というと不思議そうな顔をしたきみだけど、

その半年後、あのときいってた意味がすごいわかる!なんていってくれたね。

「そういうややこしくなることはやめよ。」

きみのその一言がすべてを打ち消した。

期末になればきみにいっぱい会えるから、きみと一緒にいられるから

そう思って新天地にうちこんだ春学期の俺が音をたてて崩れていくよ。

きみの、その1本の電話が煙草と酒でごまかされた気分を現実世界に引き戻す。

次はいつ会えるのだろう。

次はいつ声きけるのだろう。

きみは彼と勉強しているの?

思いのすべてを俺は飲み込み、

電話は切れた。
きみは今何を考えている?

彼は今何を考えている?

今日はじめて彼の顔を見た。

今日はじめて彼の前で笑うきみを見た。

その笑顔を見るのが辛くて顔を背けてしまう俺がいた。

この1年9ヶ月、きみの笑顔が見たくて生きてきた。

はじめてきみの笑顔を見るのが辛かった。

俺はどうしたらいい?

きみを信じて待ってたらいい?

きみを信じて待ってていい?

俺のその思い、その行動がきみを傷つける?

大学に入って変わったこと。

人にプライベートな話ができるようになったこと。

プライベートな話ができる友達ができたこと。

俺は恵まれている。

しかし不幸にも今はテスト前。

彼らの大切な時間は奪えない。

減っていくのはきみとの時間と、きみの心の中の俺。

増えていくのは独りの時間と煙草の数。

今日は天気が悪い。