「今日経済法の時機嫌悪かったけどどうしたの?」

きみは尋ねる。

わかってるくせに。

今日渡せなかった、彼女のために集めた商法の資料。

「ん~読む時間なくなりそうだからいいや。資料膨大にあるんだよね。」

2週間前に渡すと約束した資料の山は、崩壊する俺の心のように俺の部屋に舞った。

この2週間ですべて変わってしまった。

コピーをすると言ってロー棟にいったきみと彼に起きた、俺には残酷すぎる出来事。

商法も彼にもらったんだね。

俺のはいらないんだね。

俺も要らないのかな?

1年秋、2年春、2年秋はきみと期末勉強したね。

3年春が始まってからも、普段忙しくて会えない分テスト勉強は一緒にしようと約束したね。

1年前、俺がテスト前はきついけど普段より会えるから嬉しい。というと不思議そうな顔をしたきみだけど、

その半年後、あのときいってた意味がすごいわかる!なんていってくれたね。

「そういうややこしくなることはやめよ。」

きみのその一言がすべてを打ち消した。

期末になればきみにいっぱい会えるから、きみと一緒にいられるから

そう思って新天地にうちこんだ春学期の俺が音をたてて崩れていくよ。

きみの、その1本の電話が煙草と酒でごまかされた気分を現実世界に引き戻す。

次はいつ会えるのだろう。

次はいつ声きけるのだろう。

きみは彼と勉強しているの?

思いのすべてを俺は飲み込み、

電話は切れた。