フランス映画 トリコロール白の愛 | 徒然。気ままな主夫道。

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今日も昨日に引き続き、レポートの転載。

今回も大いにネタばれがあるので、ご用心を。


トリコロール三部作の中では、この白が一番好きかな。




トリコロール三部作の二作目。テーマは白。白は平等を意味している。まず象徴として、白色が作品中に多く散りばめられていた。純白のウェディングドレス、ドミニクの白色の肌、白鳩の群れ、雪景色、凍った湖…etc。平和の白と凍てつく寒さの白とが混在している。



 さて、テーマとしての平等はいったい、いくつ盛り込まれていたのだろうか。まず目に付いたのは、言語である。最初の裁判のシーンで、フランス語に対応できず、やきもきするカロル。そしてドミニクは後のホテルのシーンで警察相手にポーランド語を話せず、焦るというシーンがあった。言葉の壁は二人に平等に与えられていたのである。



 また、カロル自身も平等に扱われていた。最初は、妻のドミニクに捨てられ、犯罪者に仕立て上げられて、トランクの中に入って越境するという、最悪の展開を繰り広げられていたが、後は一攫千金に成功し、起業で莫大な利益を得るまでの幸福になった。



 また、ミコワイとカロルにも平等があった。殺人の依頼である。一方は実際の殺人で、もう一方は法的な殺人であるが、お互いに殺す振りをするという点が平等であろう。



 さて、そんな平等のなかでのメインはやはり男女の愛であろう。物語冒頭から中盤まで、カロルの愛情は、ドミニクには届いておらず、カロルがドミニクを追い求めるという状態であった。しかし、ラストでは逆にドミニクがカロルに対して愛情を表現して追い求める仕草をしている。立場が逆転しているのである。



 ここで、ラストのドミニクの仕草(手話)の意味を考えてみたい。一連の動作の示すものはなんだったのか。簡単に文にしてみると、「脱獄して、あなたの元へと駆け寄りたい。あなたのところへと行きたい。あなたとまた結婚したい。」このような意味であったのではないだろうか。双眼鏡をとったカロルの目から涙が零れ落ちているのは、ドミニクの愛がカロルに戻ってきたことからの喜びの表れだと思う。この涙のシーンでは、どちらが優位だ、平等だなどを超えた、本当の愛が存在していたのだろう。




これも一見の価値あり!

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ではでは。

アヴィアント~。