まだまだ若いモンには負けんゾ
いつも気合いの入ったヨシゾウは69歳
今日は孫のユウくんとリョウちゃんがやってくる
首がキリンになった気分で待っている
「爺さん来てやったぞ」
「おじいちゃん、こんにちは
ヨシゾウ「ユウはほんま口悪いガキやなぁ、
それに比べるとリョウは本当に可愛いやっちゃ」
リョウちゃんにはヨシゾウもメロメロ
「おじいちゃん、大好き・・・・」
ヨシゾウもキュっと抱きしめるも
ところが、リョウちゃんは飛びつくも
ヨシゾウの胸を押し離れる
「どないしたんや?」
ヨシゾウ、
可愛いリョウちゃんに突き放されとてもショック
「どうしたんや、リョウ・・・・」
リョウちゃんはしばらく上目使いでヨシゾウを眺め
何か言おうとためらっている
「はっきり言っていいぞォ」
するとやっと口を開くリョウちゃん
「おじいちゃん、臭い・・・」
ヨシゾウ・・・・
「マジか、加齢臭は柿の葉石鹸使ってるし
トワレもちゃんとスカルプチュア付けて、
服だってファブリーズ消臭しているのに何故だ…」
ヨシゾウ「そっか、、、悪い事したなぁ・・・」
楽しく過ごすハズの時間が・・・・
ヨシゾウさん、がっくりとして台所へ行き、
お酒を飲み始めてしまった。
リョウに近づけない・・・・なんでや・・・
酔いつぶれてしまった・・・
3時間は経ったのか、、、、
ユウくんとリョウちゃんの遊び声で目が覚める
と、、、テーブルの上になぜか
今日かぶっていたキャップが
キチンとおかれている
以前リョウちゃんに「かっこいい」といわれ、
ずーっと愛用している。
「爺さんキャップ臭いんだよォ」
ユウくんが云う
もう5年も使っているキャップ
冬にはかぶらず洗い忘れしまってあったまま
するとリョウちゃん、今度は抱き付いて来た
「おじいちゃん大好き」
キャップを手にしてかぶろうとすると新品の様な内側・・・
「爺さん、気を付けろよ」
どうやら匂いの元はキャプのスベリ
ユウくんがキャップのスベリを帽子の修理屋さんで
交換してもらったみたい。
ユウくん、本当はおじいちゃんの事が大好きです