何かをしようとする時、
誰かに必ず止められた。
誰からももう諦めかけられた頃に結婚し、
子供が出来ると私の考え方も変わっていった。
家族に迷惑や恥をかかせてはいけないと思うリミッターが、
めでたくこの私にも備わった。
リミッターが備わると、
それはそれで生きやすくなった。
無理をしてでも思いを叶えようとする自分に、
実は自分でも結構疲れていたのだ。
けれど、久しぶりにこのリミッターが壊れている人に出会った。
私は多分、人生で初めてくらいの勢いでその人を止めている。
「やめときな」
と全力で言っている。
けど彼女の想いは止まらない。
その先に地獄があるのだと彼女は言う。
分かっているのに止められないのだ。
しんどいだろうな。
気の毒に思う。
自分のことをコントロールできない人生は疲れる。
でもすごく楽しい。
生きている感覚を全身で感じられる。
脳がビンビン来る。
私も時々その道を選びそうになる。
あの感覚を味わいたくなる。
でも子供のお陰で抑えられる。
二十年後にやればいい、
そう思う様になった。
今の私は彼女を止めるべきだと思う。
昔の私の様に、
周りは諦めている。
彼女は止められないと知っているのだ。
だから私だけでもしつこく止める事にする。
人から止められることが嫌でたまらなかった私が、
彼女を止めたいと思っている。
その事が面白くてたまらない。
「やめときな」
って言えば言うほど興奮してくる。
私って変態なのかな。
私は変わったのだろうか。
それともあの頃の暴走列車のままなのか。
このリミッターが振り切れた時、
私はどうなるのだろう。
楽しみでしかたない。