やせっぽちのヒロシのブログ -9ページ目

やせっぽちのヒロシのブログ

音楽とお酒が大好きです。
趣味は国際交流?(笑)。

遅まきながら、明けましておめでとうございます。

今年もよろしくお願いいたします。

 

まずは昨年内に上げられなかった記事から。

 

漫画家・中沢啓治が自身の被爆体験をもとに描き、反戦・反核を訴える漫画として読み継がれてきた「はだしのゲン」を題材に取り上げたドキュメンタリー。
原爆で被爆した主人公の少年ゲンが、家族を失い、貧困や偏見に苦しみながらも力強く抜く姿を描いた「はだしのゲン」。「週刊少年ジャンプ」での連載が始まった1973年から半世紀、25カ国で翻訳出版され世界中で読まれ続けてきたが、近年は「描写が過激」「間違った歴史認識を植え付ける」と学校図書館での閲覧制限を求める声が上がったり、広島市の平和教材から消えたりするなど、大きな議論を呼んでいる。
「はだしのゲン」が人々をここまで熱くさせるのはなぜなのか。本作では、作品誕生から現在を見つめることで、世界に溢れる怒りや悲しみ、優しさを映し出していく。2024年9月放送のBS12スペシャル「『はだしのゲン』の熱伝導 原爆漫画を伝える人々」を映画化したもので、監督は数々のドキュメンタリー番組を手がけ、本作が映画初監督となった込山正徳。「香川1区」「国葬の日」の大島新、「NO 選挙,NO LIFE」の前田亜紀が共同プロデューサーとして参加。群

2025年製作/90分/G/日本
配給:アギィ
劇場公開日:2025年11月15日(以上、映画ドットコムより)

 

☆連載時の現役世代ですが、戦後25年を過ぎた頃に登場したこの漫画はかなり衝撃でした。原爆の悲惨さ残酷さだけではなく、戦時下の理不尽な同調圧力や社会体制の描写も鮮烈で、更に戦後の混乱までもしっかり描かれていました。その中で被爆者の一人であった作者の向けた怒りが戦時中の体制や天皇に向けられたのは当然のことで、そういった憤りも躊躇なく描かれたことが一部の保守...というよりは極右の政治家や批評家・団体らを刺激し排斥運動が起きているのでしょう。

映画の中で私見を述べている元産経新聞社の後藤某氏の歴史観には驚く...と言うか呆れるばかりでしたが、こういう人たちの暗躍が「はだしのゲン」の教育現場や図書館からの排除あるいは今の高市内閣の高支持にも繋がっているのかな? 森達也氏がこの人のコメントを挿入したことに怒っていたそうだけれど、こういう人が少なからずいることを知らしめただけでも有意義だったと思います。

 

映像ジャーナリストの伊藤詩織が長編初監督を務め、自身の受けた性暴力について調査に乗りだす姿を記録したドキュメンタリー。
2017年に伊藤監督が元テレビ局員の記者からの性的暴行被害を訴えた記者会見の直後から、延べ8年をかけて製作。スマートフォンに残していた当時の思いなどをもとに構成し、日本社会が抱える数々の問題を浮き彫りにしていく。「新聞記者」「月」などの映画製作会社スターサンズが製作を手がけ、イギリス・アメリカとの共同製作により完成させた。
サンダンス映画祭の国際長編ドキュメンタリーコンペティション部門への出品をはじめ、世界各地の50以上の映画祭で上映され18の賞を受賞。ドキュメンタリー界のアカデミー賞と言われるIDAドキュメンタリー賞にて新人監督賞を受賞した。2025年・第97回アカデミー賞で、日本人監督として初めて長編ドキュメンタリー映画賞にノミネートされた。日本では、当事者から指摘を受けたところなど一部表現を修正したバージョンの「日本公開版」として劇場公開。

2024年製作/102分/G/イギリス・アメリカ・日本合作
原題または英題:Black Box Diaries
配給:スターサンズ、東映エージエンシー
劇場公開日:2025年12月12日(以上、映画ドットコムより)

 

☆平日昼間にも関わらずほぼ満席。まぁ、上映館がここだけだったこともあるかもしれませんね。

既に海外ではアカデミー賞のドキュメンタリー部門でノミネートされているにも関わらず、日本での上映に至るまでには肖像権の問題などを含め紆余曲折があったそうで、その結果一部の支援者まで離れてしまったということですが、確かに違和感を覚える部分が無きにしもあらずだったものの、伊藤詩織さんが一般の日本人的な人なら多分泣き寝入りしてこうした性加害は明るみにならなかっただろうし、やはり声を上げることは大事なことだと改めて感じました。

そして、先の「はだしのゲンはまだ怒っている」とこの作品では描かれているテーマは全く違うものの、それらをバッシングしている人たちの根底にある日本人の国民性が露わになっていることでは何か共通したものを感じます。

 

「喜劇王」の呼び名で知られる20世紀の映画スター、チャーリー・チャップリンのルーツに迫ったドキュメンタリー。
ドタバタ喜劇に庶民の哀愁や社会風刺を巧みに取り入れた作品の数々で、世界中の人々を魅了したチャーリー・チャップリン。ちょび髭にだぶだぶのズボン、ステッキ、山高帽がトレードマークの放浪紳士には、ロマのアイデンティティが垣間見える。本作ではチャップリンがロマの血を引き、そのことを誇りに思っていたことが明かされ、極貧の少年時代からスイスで過ごした晩年までをたどる。
チャップリン家が全面的に協力し公認した初のドキュメンタリー作品として製作され、チャーリーの息子マイケル・チャップリンが製作・出演、孫カルメン・チャップリンが監督を担当。劇中ではマイケルが父チャーリーの足跡をたどり、俳優で娘のジェラルディン・チャップリンらが家族の視点からチャーリーの素顔を語る。
さらに、ジョニー・デップやエミール・クストリッツァら、チャップリンを敬愛する著名人たちも登場。家族が撮影したプライベート映像や貴重な記録映像を交えながら、作品に投影された幼少期の記憶や、ユダヤ人・共産主義者のレッテル、そして放浪紳士に通じるロマの特徴や文化を掘り下げる。

2024年製作/90分/G/スペイン・オランダ・イギリス・フランス合作
原題または英題:Chaplin: Spirit of the Tramp
配給:アンプラグド
劇場公開日:2025年12月19日(以上、映画ドットコムより)

 

☆チャップリンの息子や娘たちの証言を中心に彼のルーツ(祖母が混血なので1/8ロマの血が入っているとのこと)であるジプシー(字幕では全てロマに置き換えられていた)の文化が彼の作品に影響を与えていると語られるこの映画を観てきました。興味深い証言が沢山あり、一部映画の中に引用もされていますが、これまで観てきた彼の作品もそれを踏まえて改めて観てみたくなります。それにしても、チャップリンって子沢山だったのですね(^^;

 

「アフター・ヤン」「コロンバス」のコゴナダ監督がコリン・ファレルとマーゴット・ロビーを主演に迎え、人生をやり直せる不思議なドアに出会った男女が繰り広げる時空旅行を描いたファンタジックなヒューマンドラマ。
友人の結婚式で知り合ったデヴィッドとサラは、レンタカーのカーナビに導かれ奇妙なドアにたどり着く。そのドアの先は、それぞれの「人生で一番やり直したい日」につながっていた。デヴィッドが淡い初恋を経験した高校時代や、サラの母親が最期を迎えた場所など、人生のターニングポイントとなった出来事をやり直すことで、ふたりは自分自身や大切な人たちと向き合っていく。
共演は「ワンダとダイヤと優しい奴ら」などの名優ケビン・クライン、テレビドラマ「Fleabag フリーバッグ」のフィービー・ウォーラー=ブリッジ。脚本は「ザ・メニュー」のセス・リース。数々のジブリ作品を手がけてきた音楽家・久石譲が音楽を担当し、ハリウッド映画に初参加を果たした。

2025年製作/109分/G/アメリカ
原題または英題:A Big Bold Beautiful Journey
配給:ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
劇場公開日:2025年12月19日(以上、映画ドットコムより)

 

☆まるでドラえもんのどこでもドアのようなものがいくつか登場し、それを開けるとタイムスリップして過去の自分と向き合うという展開には藤子F不二雄の作品を思い出さずにはいられませんが、私も含めて「あの時こうしていれば」みたいな後悔はおそらくは万人が持っていることでしょうし、共感できるストーリーなのではないかと思います。映像美も含めて洒落っ気のある温かみのある内容に後味の良さもあり気に入りました。

ちなみにマーゴット・ロビーというとどうしても強盗役を演じた「ドリームランド」を思い出してしまいますが、ここでの彼女は終始可愛らしくて別人のように見えました。

 

1968年にチェコスロバキアで起こった民主化運動「プラハの春」で、市民に真実を伝え続けたラジオ局員たちの奮闘を、実話をもとに描いたドラマ。
社会主義国家の政府による検閲に抵抗し、自由な報道を目指して活動しているチェコスロバキア国営ラジオ局の国際報道部。中央通信局で働くトマーシュは、上司からの命令により報道部で働くことになる。それは、学生運動に参加している弟パーヤを見逃す代わりに、報道部と同部長のヴァイナーを監視する国家保安部への協力を強いるものだった。やがて報道部で信頼を得たトマーシュは、さまざまな仕事を任せられるようになる。真実を報道しようとするヴァイナーや局員たちの真摯な姿勢に触れ、弟への思いと良心の呵責との間で葛藤するトマーシュ。そんな中、民主化運動による「プラハの春」が訪れる。国民が歓喜する中、中央通信局に呼ばれたトマーシュは、驚くべきある内容をラジオで報道するよう命じられる。
チェコ本国で年間興行成績および動員数1位となる大ヒットを記録し、チェコとスロバキア両国の映画賞で多数の賞を受賞。第97回アカデミー賞国際長編映画部門のチェコ代表作品にも選出された。

2024年製作/131分/PG12/チェコ・スロバキア合作
原題または英題:Vlny
配給:アットエンタテインメント
劇場公開日:2025年12月12日(以上、映画ドットコムより)

 

☆チェコの民主化を阻もうとするソ連の弾圧という史実に巧みにフィクションを交えたストーリーなのでしょうけれども、緊迫した当時の情勢がリアルに描かれ、観ている間、息詰まるような緊張感が絶えませんでしたし、今も続くロシアのウクライナへの執拗な攻撃なども頭の中で交わってしまいます。

ちなみにプラハの春は私が小学5年生の頃で、リアルタイムでソ連がチェコに侵攻して大騒ぎになったことはおぼろげに記憶していますし、その秋に行われたメキシコ・オリンピックではチェコのベラ・チャスラフスカがそれを跳ね返すかのように体操競技で大活躍し、多くの人たちから賞賛されたことを憶えています。

 

富山県の立山で3年に一度行われる女人救済の儀式「布橋灌頂会(ぬのばしかんじょうえ) 」をモチーフに、心に深い傷を負ったひとりの女性の再生と、新たな一歩を踏み出していく姿を描いたドラマ。
3歳の愛娘を15年前に亡くした由起子は、癒えることのない痛みを抱え、罪の意識から逃れられずにいた。ある日、偶然目にしたと1枚の絵画に心を奪われた彼女は、その絵に描かれた、古くから山岳信仰の対象とされてきた立山へと足を運ぶ。そこにはさまざまな思いを抱えた女性が集い、由起子は不思議なひとときを過ごすことになる。
主人公・由起子を渡辺真起子、彼女と行動を共にする少女・ 沙梨を、ドラマ「なんで私が神説教」に出演し本作が長編映画デビュー作となる陣野小和が演じる。そのほか木竜麻生、室井滋らが出演。監督は「真白の恋」「もみの家」など、一貫して自身の故郷・富山を舞台に作品を撮り続けてきた坂本欣弘。

2025年製作/94分/G/日本
配給:ラビットハウス
劇場公開日:2025年12月19日(以上、映画ドットコムより)

 

☆特に予告編を見ていた訳ではなく、たまたま手にしたフライヤーで興味を持って観に行った映画です。

冒頭からしばらくはかなり地味な主人公の日常が今どきの映画としてはかなりゆったりとしたテンポで進み、思い立って布橋灌頂会に参加したところから、色々な偶然が重なりそこで関わった人たちと一晩の交流が描かれますが、映画の中でもかなり多くのパートを占めているその場面が実は...という意外性は、主人公をアシストした女子高生が制服のまま夜遅くまで行動を共にする不自然さで何となく予感はあったものの、悟るまでにちょっと時間がかかりました。そして主人公の亡くなった娘が今生きていたら18歳というところがその女子高生と繋がりを感じてならないのですが、深読みし過ぎ?

 

宝石泥棒の親子が、障がい者施設のサマーキャンプに逃げ込んだことから巻き起こる騒動を描き、フランスで大ヒットを記録したハートフルコメディ。
パウロは父親とともに宝石店に泥棒に入るが、乗ってきた車がレッカー移動され逃げる手段を失ってしまう。路上で立ち往生していた彼らは、サマーキャンプに出発しようとしていた障がい者施設の職員から新たな入所者と勘違いされたことをきっかけに、障がい者とその支援員に成りすましてサマーキャンプに紛れ込む。個性豊かな入所者たちとの賑やかな日々は、親子の心をやさしく解きほぐしていく。
フランスの人気コメディアン・俳優・作家のアルテュスが監督・脚本およびパウロ役で主演を務め、「幸せはシャンソニア劇場から」などのベテラン俳優クロビス・コルニアックが父親役で共演。サマーキャンプに参加する仲間たちには、実際に障がいを持つ11人のアマチュア俳優を起用した。

2024年製作/99分/G/フランス
原題または英題:Un p'tit truc en plus
配給:東和ピクチャーズ
劇場公開日:2025年12月26日(以上、映画ドットコムより)

 

☆これは予想以上に面白い作品でした。ウィットに富んだセリフのやり取り、障害者たちの日常もユーモラスにかつ決して馬鹿にしたりしない目線で描かれており、その中で徐々に感化されていく主人公二人の心の動きもわかりやすかったです。

障害者として出演している人達は実際に障害を持った人達だそうで、多分撮影も難航したことだろうけれど、一切そんなことを感じさせないコメディとして描かれているのが素晴らしかったです。

勿論ストーリー自体は絵空事ではあっても、それで充分というか、こうした温かみがあり後味も良い映画は大好きです。

 

オムニバス映画「21世紀の女の子」の一編「reborn」を手がけ、中編「レイのために」や短編「木が呼んでいる」などの作品で注目を集めた新鋭・坂本悠花里による初の長編監督作品。全寮制の女子高を舞台に、完璧と思われた少女の突然の死をきっかけに、ルームメイトや幼なじみたちの心が揺らいでいく様を、耽美かつ繊細に描いたファンタジードラマ。
周囲になじめず転校を繰り返してきた少女・杏菜は、静かな森の奥にある全寮制の女子校にたどり着く。そこで、美しく完璧で誰からも好かれる少女・莉花とルームメイトになるが、ほどなくして莉花は自ら命を絶ってしまう。残された日記には、笑顔の裏に潜んでいた苦悩や怒り、痛み、幼なじみ・栞との記憶、そして言葉にできなかった思いがつづられていた。杏菜がその日記を読み進めるうちに、青白く揺れる鬼火のような魂が現れ、静かに杏菜の中へと入り込んでいく。一方、杏菜を「変わった子」だと遠ざけていた栞もまた、莉花の魂に導かれるように次第に杏菜に歩み寄っていく。
主人公・杏菜を演じたのは、サントリー天然水「スパークリングレモン」のCMや雑誌のモデルとして活躍する美絽。栞役は、結婚情報誌「ゼクシィ」の15代目CMガールを務め、ドラマや映画などでも活躍する池端杏慈。莉花役には、ドラマ「DOPE 麻薬取締部特捜課」で知られる蒼戸虹子が扮した。少女たちを取り巻く大人のキャストには、門脇麦、河井青葉、伊藤歩、吉原光夫ら実力派がそろっている。

2025年製作/110分/G/日本
配給:ビターズ・エンド
劇場公開日:2025年12月26日(以上、映画ドットコムより)

 

☆10代の女の子たちの繊細な気持ちはよく表現されていたものの、女の子同士の漠然とした同性愛を匂わせる部分はまだしも、自殺した女の子の父親のキャラクターの描き方や、ややスピリチュアル的な内容も含まれているところが私にはちょっと付いていけませんでした。

 

-----------------------

 

この後2025年に観た作品の中から特に気に入ったものを何か観たいと思い都内の映画館のスケジュールを物色していたら、半年ほど前に観て好感を持った「ラブ・イン・ザ・ビッグシティ」が下北沢で上映されていることを知り、観に行ってしまいました。奔放な女性とゲイの男性という社会からはみ出した者同士の同居生活から育まれていく友情を描いたこの作品を再度観て、改めて感慨深いものがありました。