2008年の3月から4月にかけて観たライヴのうち、先に記してあったいくつかのもの以外のレポートです。最近の洋楽系ライヴの情報には全く疎くなってしまいましたが、当時は仲間内での共有もありましたし、何しろマメに情報誌などをチェックしていたんですよね。
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3月から4月にかけて見たライヴです。
以前単独で書いたものは省きました。
3/9 K.T. Tunstall(品川プリンス ステラボール)
前回よりもスケールを増した印象。まだアルバムも2枚しか出していない人なのに、とても貫禄があり、MCなどにも余裕が感じられた。バンドの演奏にもグルーヴがあり、おそらくライヴ活動を重ねてきた結果のように思われる。個人的には今のシェリル・クロウよりも好き。
3/15 Rachael Dadd(タワーレコード渋谷店:インストア)
たまたま入店したらチラシを渡されその場で見たもの。いかにもその辺にいそうな白人の女の子が日本語のMCを交えギターやバンジョーの弾き語りで淡々と歌うが、バンジョーにカポをつけて弾いていたのが面白かった。
3/15 Omar Sosa Afreecanos Quartet(モーションブルー横浜)
例によって、これまた予備知識ほとんどなく、キューバン・ジャズというイメージで臨んだら、アフリカ系のミュージシャンによるコラや打楽器を中心としたリズムと、彼の色々な音楽の影響を受けつつもキューバに回帰してしまうようなピアノとの融合が面白く、それも単純に民族音楽系で終わらせないテクノロジーの導入が更に彩りを加え、クセになる感じ。
3/18 Ben Sidran & Georgie Fame(コットン・クラブ)
やっぱり北欧ジャズのお上品さよりは、こうした下世話なハードバップの影響下にある人たちの音楽に魅力を感じる。
お互い違うルーツを持ちながらも、それぞれ音楽的趣向を広げていくうちに共通点を持つに至ったと思われる二人の共演は、両者が相手の良さをうまく引き出していたし、特に二人の掛け合いはスリルがあって、何度でも見たくなる楽しいライヴだった。
ジョージーの例のヒット曲も初めてナマで聴けたし、アンコールでベンが"Over The Rainbow"とメドレーで自身の初期の作品"Walking With The Blues"を歌ってくれたのも嬉しかった。
アクの強いベンの歌う姿を見て思い出したのは何故かリヴォン・ヘルムなんだけれど、どちらもレイ・チャールズ好きということでは、まんざら外れでもないよね。
3/20 Boz Scaggs vs TOTO(JCBホール)
どうせ.....なんて思いながら臨んだものの、ボズの円熟した歌と(名曲"We're All Aloneはキーが下がってしまったのは残念だったけれど、今回歌うとは思わなかった"Loan Me A Dime"はやはり迫力があった)、何とリー・スクラーがピンチヒッターで参加の上デイヴィッド・ペイチも戻ってきたTOTOの巧みな演奏を、意外に楽しんで観ることができた。
ボズはいつもの本人のコンサートよりも長かったくらいだが、事情通のY氏によれば、何でもウドーの契約書の中に「1時間半はやること」という条件があったらしい(笑)。
スティーヴ・ルカサーがMCでファンやメンバーやボズやスタッフを指して繰り返し使った"friend"という言葉、これが実はこのコンサートのキーワードとなっており、最後にボズとTOTOとの共演によるビートルズの"With A Little Help From My Friends"(ジョー・コッカー風)で完結する構成の見事さにも、感心してしまった。
ベン・シドランにボズと続けて見てしまったことで、この二人を輩出したスティーヴ・ミラー・バンドを見たくてたまらなくなってしまった。
某プロモーターの「聴かずに死ねるか」シリーズにリクエスト出してみようかな。
4/1 Karla Bonoff(ビルボード・ライブ東京)
今回はドラムレスということで、今まで以上にアコースティック面が強調されていたように思うが、相変わらずケニー・エドワーズとニナ・ガーバーの達者なバックを得て、次々に歌われるカーラのおなじみの曲の数々......それは心地よくもあるけれど、この何年かセットリストはほとんど変わらないのが物足りなくもあり、ちょっと複雑な気分。何せ最近出たライヴ盤を除けば新譜は20年くらい出ていない。
いい曲を書く人なのに勿体無いな。
4/7 Mozaik(サムズ・アップ)
前回も素晴らしかったので楽しみにしていたライヴ。ドーナル・ラニーとアンディ・アーヴァインだけでもただのアイルランド音楽では終わらないところへ、ハンガリー、オランダ、アメリカからそれぞれのルーツ・ミュージックの第一人者たちが加わり、様々な弦楽器を中心としたミクスチャー音楽は、リラックスした中にも緊張感があって、更に奥行きを増したように思われた。
終演後ドーナルにサインをもらいながら娘のソラちゃんのことを尋ねたら「大きくなったし、強くなった(笑)。2日後の吉祥寺に来れば会えるよ」と言われた。残念ながら僕は行けなかったが当日本当に連れて来ていたのだろうか?
4/8 Jon Dee Graham(ラ・カーニャ)
前回のリゼントメンツの来日公演に同行できずファンを悲しませたが、今回ソロでの公演が実現。バンドの方はやはり彼のダミ声とラップスティールがないと今一締りがなかったので、それを取り戻しに行くような感覚で見に行ったけれど、アコースティック・ギターだけでラップスティール無しだったのにはちょっと淋しさ(友人O氏が本人に直接尋ねたところ、持参しなかったらしい)を覚えたものの、楽しいライヴではあった。
4/10 山本潤子(かつしかシンフォニー・ヒルズ モーツァルト・ホール)
地元のホールで行なわれたので、つい見に行ってしまった。
年齢を重ねても変わらないその清楚な佇まいは10日前に見たカーラ・ボノフとも重なる(とすると、すっかりオバさんとなった赤い鳥時代の仲間平山泰代は、カーラの盟友ウェンディ・ウォルドマンのようなものかな?)。
赤い鳥、ハイ・ファイ・セット(ほとんどユーミンの曲)、ソロと、全てのキャリアから満遍なく歌われたが、派手さの全く無い昔ながらのフォーク風ポップスは聴いてて心地よかった。
4/13 イヴェント"Little Thins"(SECO)
ほとんど業界人向けのイヴェント風ではあったけれど、日本人を含む6組の異色の若手女性ミュージシャンたちの競演を楽しんだ。特にハープを弾きながら時にキーボードも使い歌うイギリスのセラファイナ・スティーアは全く初めて聞いたけれど、不思議な魅力を感じた。
4/19 Florencia Ruiz(HMV渋谷店)
先の"Little Things"にも参加していた彼女の2週間に及ぶ日本滞在最後の仕事となるらしい。無料のインストア・イヴェントとしてはかなり淋しい客の入りだったが、それにもめげずに、エレクトリック・ギターの弾き語りで、30分のパフォーマンスを務めていた。
サインをもらう時に「日本滞在中に観光は出来たのか?」と聞いたら、「ずっと仕事していたので、全然」とちょっと悲しそうな表情。桜のきれいなところにでも案内してあげるくらいの気は利かせろよ、スタッフ!
4/19 Firehouse vs Night Ranger(赤坂ブリッツ)
う~ん、Y氏とのつきあいもあったとはいえ何でこんなヘヴィメタの祭典に柄にもなく行ってしまったのか?(笑) でもNight Rangerは往年のヒット・ポップス・ファンとしてはそこそこ惹かれるものがあったので、それらのヒット曲をナマで聴くのも悪くないかも?と思い参加。
日本語のMCで親しみやすさをアピールしたFirehouseも悪くなかったが、やっぱりNight Rangerのキャリアに裏づけされた演出力とは雲泥の差があったように思った。この手はギター2本の方がやっぱり盛り上がるし、数曲ごとにバラード・ナンバーもあってメリハリもある。
ラストは両者でパープルの"Smoke On The Water"。お祭りらしくて良かった
そして4/20はHuey Lewis & The News vs Chicagoだったのですが、長くなってしまったので、ひとまず次回へ。
2008年04月22日 記
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実は「え?、こんなの観ていたんだっけ?」なんて思ったものもいくつかあったりしますが、17年も経ってしまうとそんなものでしょう(^_^;)