「アザー・ミュージック」 | やせっぽちのヒロシのブログ

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趣味は国際交流?(笑)。

 

2016年6月に閉店したニューヨークの伝説的レコードショップ「アザー・ミュージック」の21年間の歴史をたどるドキュメンタリー。
音楽ファンの友人同士であったクリス・バンダルーとジョシュ・マデルにより、1995年にマンハッタンのイーストビレッジにオープンした同店は、CDやレコードの圧倒的な品ぞろえのみならず、ミュージシャンや画家、映画監督、俳優など多くの人々が社会的な垣根を超えて集うコミュニティでもあった。そこから数々のバンドが誕生し、後にブレイクするアーティストたちの活動拠点となった。
かつて同店のスタッフと常連客として出会い結婚した映画監督ロブ・ハッチ=ミラーとプロマ・バスーが、閉店の知らせを聞き撮影を開始。バンパイア・ウィークエンド、アニマル・コレクティブ、俳優のベニチオ・デル・トロらが同店の思い出を愛情たっぷりに語るほか、個性豊かなスタッフたちやファンの証言、インストアライブなどの貴重な映像を交えながら、創業から閉店までの21年間を描き出す。(以上、映画ドットコムより)

 

 

このお店の事は全く知りませんでしたが、20代の大半をレコード店の店員として過ごしてきた身としては、とても興味深い映画で、またこのお店自体にとても魅力を感じました。

よりによってマンハッタンのそれもタワー・レコードの向かい側にオープンし、タワーの客をも取り込んで、ある意味音楽ファンの理想郷のようなお店を20年あまりにわたって運営してきたクリスとジョシュに歴代のスタッフの姿勢にもとても共感出来ましたし、常にアグレッシヴにアンダーグラウンドとしてのシーンを作り上げてきたことにも敬意を表したいと思います。

私めの居たレコード店は大型店とこうしたマニアックな個人店との中間的な位置にいたように思いますが、やはり日々の業務に追われて一人一人のお客さんに対して多くの時間を割くことが出来ず、おそらくお客さんの側も満足を得られなかったことでしょうし、こちらも充分に応えられなかったことでの罪悪感やフラストレーションも溜まったものでしたが、まずお客さんとのコミュニケーションを重視し続けたことでタワーレコード倒産後もこのお店を長く存続させることが出来たのだろうなと思います。

入荷したレコードやCDに添えられた手書きPOPなどは日本のレコード店の影響も多分にあったようですが、各ジャンルにそれぞれのスペシャリストが居て、そうしたPOPや会話を通してのバイヤーへの信頼がこのお店の売り上げを伸ばして行ったのでしょう。また、音楽ファンだけでなく、多くのミュージシャンたちがこのお店を訪れ刺激を受けていたことも語られています。

結局音楽がフィジカルな媒体からサブスクへとフォーマットが変わっていき、またファンのやり取りも直接的な会話からネットを介してのものへと変わっていったことで、このお店も閉店を余儀なくされてしまった訳ですが、時代の流れとは言え、何とも淋しい限りでした。

閉店記念のライヴでは元気だったころのヨーコ・オノとヨ・ラ・テンゴの共演も観られます。

 

ところで映画の中で「霧笛の音のレコード云々」というエピソードがあり、ついジャーマン・ロックのこんな曲を思い出してしまいましたが、

実際は、コレだったそうです。

何だか訳の分からない音楽ですが、本当に何でもアリなお店だったようですね。