「ひかり探して」 韓流映画にハマりそう | やせっぽちのヒロシのブログ

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主人公の刑事ヒョンスは出勤途中で起こしてしまった車の接触事故で昇進を逃し懲戒処分も検討され更に夫との離婚問題も抱えており、そんな中、離島へ赴き台風の吹き荒れる夜に遺書を残して失踪した少女セジンに関しての事件を追い、自殺事件として捜査報告書を作成することで職場への復帰を目指しているのですが、捜査を続けて行くうちに少女の父親が大規模な密輸事件を犯していたことを知り、セジンがその重要参考人としてこの島で保護観察されていたことも明らかになり、また彼女の兄も麻薬で捕まっていることから、様々な関係者に話を聞きに行き、少女の不幸な境遇を知れば知るほど心を痛め、自身を重ねて感情移入してしまい、また自身がその事件を復職への手掛かりにしていることにも複雑な思いにかられる訳ですが、島での捜査を続けているうちにスジンの暮らした家の大家で重病の姪を看病し続ける口のきけない「スンチョンから来た人」と呼ばれる女性が重要な鍵を握っていることがわかります。

 

原題は「私が死んだ日」という意味になるそうです。なるほど英語のタイトルも「The Day I Died」でした。韓国の名女優キム・ヘスとイ・ジョンウンの共演で、更にキム・ヘスはほぼノーメイクで出ているということで話題になっている映画ですが、実際スクリーンに映し出される彼女の肌はもう50歳とは思えないくらいにとても美しく、そんな彼女が見せる暗めの思慮深くナイーヴな役柄を演じる姿に魅了されました。

また「パラサイト」とは全く違った役柄のイ・ジョンウンも存在感たっぷりで、韓国での人気も頷けます。

ストーリーと共に離島やリゾート地などの美しい景色を全面に映し出した映像美もあり、これはやはりスクリーン映えしていました。

特に手がかりも無く捜査を続けて行くうちに本筋へ辿り着くというのはミステリーの王道ですが、ここではあえてそれを結果として語られずにストーリーの展開の中で観ている側に悟らせるような作りになっていたのが新鮮でしたし、最後にヒョンスがとあるリゾート地で...いや、これ以上書くとネタバレになってしまいますのでやめておきますが、こうしたミステリーの終焉としてはとても後味の良いものでした。

女性が中心に描かれている作品が韓国で流行りなのかどうかはよく知りませんが、つい先日にはジャンルは違うもののやはり中年女性を描いた「ユンヒへ」という傑作映画を観たばかりで、韓国映画と言うと日本で公開される作品はどうも下世話だったり血なまぐさいものを思い浮かべてしまいますが、こうした味わい深い奥行きのある作品を続けて観ると、何だかハマりそうです。