やたらと映画人口が増えている | やせっぽちのヒロシのブログ

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Go To トラベル・キャンペーンから外されてしまった東京。

そろそろお盆休みですが、気軽に行楽へも行けない今、手っ取り早く楽しめるのはやはり映画ということになるからなのか、やたらと映画人口が増えているように思います。そしてソーシャル・ディスタンスの呼びかけも続いていることで、映画館の定員が通常の半数になっていることもあり、このところ話題作はほとんど完売となっているようです。

 

これも自粛前から予告編を観ていて気になっていた映画。でも延期になっていた訳ではなく、元々この時期の公開であったかな?

https://www.mottainai-kitchen.net/

かつてヨーロッパ諸国を旅して捨てられてしまう食材を使い独自の料理を提供するというドキュメンタリー「0円キッチン」を製作し、食材救出人として知られるオーストリア人のダーヴィド・グロスが、日本に来て「もったいない」という言葉に出会い、その言葉に惹かれつつ、同時に食品ロス王国でもある日本の現状を目の当たりにして衝撃を受けながらも、それを解明すべく日本の各地をまわり、そうした無駄を無くし環境保全にも取り組みをしている様々な人たちと出会い交流しながら、それぞれの場で協力し合いながら廃棄された食品やこれまで見過ごされていた様々な食材を使って料理を作り、みんなでそれを食べることを繰り返すユニークな映画です。
ともすれば独善的になりそうなテーマでしたが、監督であり主演者でもあるダーヴィドの親しみやすい性格にユーモアもありポジティヴな姿勢がまわりを引き付けているのか、終始なごやかに展開していき、様々な問題も人々の意識次第で乗り越えて行けられるように感じられたのでした。

映画の終了後は、製作者の舞台挨拶と、本来はその場に立つはずだったけれどもヴィザが下りずに来日出来なかったダーヴィドのヴィデオ・メッセージ、更に協力した出演者たちのリモート出演による挨拶もありました。

 

そして長崎に原爆が落とされた日から75年の8/9に観た映画が、この巨匠の遺作です。

https://umibenoeigakan.jp/

劇場のエレベーターにはこんな装飾が施されていました。

この日で閉館となってしまう映画館を訪れた3人の若者が何故かその中で上映される数々の戦争映画の中に入り込み、そこでの戦いに巻き込まれていくさまを、映画の発展の歴史を織り交ぜながら展開されていきますが、同じ出演者を中心に役を変え戊辰戦争から太平洋戦争まで時代を越えて何度も繰り返されその都度に悲劇的な結末を迎える戦闘を描いていくストーリーには、何となく手塚治虫の「アポロの歌」を思い出してしまったりもしたものの、その中で描かれる軍隊の残虐性や戦争の理不尽さ、また沖縄への差別や弱者に対する仕打ちには、近年のキナ臭い世相に危機感を持った大林監督の戦争を知る世代としての思いが込められているであろうことが充分に伝わってくるものでした。
一方、吉田玲演じる自転車に乗った少女は否が応でも35年あまり前に富田靖子が演じた「さびしんぼう」を思い起こしてしまいますし、多分これまでの大林映画を熱心に観続けてきた人なら色々なトリヴィアを発見することでしょうけれども、生前最後の作品として3時間に及ぶ大作をこのようにシュールで異色の作品に仕立てるとは思いも寄りませんでした。
個人的にはクレイジー・キャッツ最後の生き残りとなってしまった犬塚弘を久々に見ることが出来たのが嬉しかったです。
娯楽映画(として作られたもの)としてはかなり重い内容を持った作品ではあるけれども、やはり映画に込められた大林監督のロマンティシズムを強く感じました。やはりこの人は名監督でしたね。まだまだ生きて新作を撮り続けて欲しかったです。