父とその友人と3日間のキャンプに出かけた少女が、大人の不完全さに気づく瞬間をとらえ、大人になることの喪失感と希望を描いたドラマ。
17歳の少女サムは父クリスと彼の旧友マットとともに、ニューヨーク州キャッツキル山地へ2泊3日のキャンプに出かける。旅の間、クリスとマットは長年のわだかまりをぶつけあいながらも、ゆるやかにじゃれあう。サムはそんな彼らの小競りあいに呆れながらも聞き役と世話役を引き受け、静かに空気を読み続ける。しかし男たちの行動によりサムの大人への信頼が裏切られ、サムとクリスの親子の絆は揺らいでしまう。
映画初主演のリリー・コリアスが主人公サムを繊細に演じ、「ドラッグストア・カウボーイ」のジェームズ・レグロスが父クリス役、テレビドラマ「プリズン・ブレイク」のダニー・マッカーシーが父の友人マット役を務めた。ロジャー・ドナルドソン監督の娘としても知られるインディア・ドナルドソンが長編初監督を務め、2024年・第96回ナショナル・ボード・オブ・レビューで新人監督賞を受賞、カンヌ国際映画祭でカメラドール(新人監督賞)にノミネートされるなど高く評価された。ロサンゼルスのマルチメディアアーティスト、セリア・ホランダーが音楽を担当。
2024年製作/89分/G/アメリカ
原題または英題:Good One
配給:スターキャットアルバトロス・フィルム
劇場公開日:2026年1月16日(以上、映画ドットコムより)
☆これはなかなか面白い映画でした。父とそのガサツな友人と共に山を歩き夜はテントで過ごす中で、大人たちの与太話を聞き流しつつ、時折話に参加していく中、ちょっとしたやりとりから主役の女の子が次第に大人たちへの嫌悪感を抱いて不信感にもつながっていく表情と心理描写が素晴らしかったです。まぁ、日本ではよくありそうなエピソードですが、そうした中年男たちのデリカシーの無さはどの国も一緒なのかと思ってしまいました。最後にちょっとした抵抗を見せるも、それ以上のことはなく、日常に戻っていくような感じでしたが、その辺も極めて現実的な印象を受けました。
ロックンロール創始者の代表格で、「ロックの父」の異名を持つアーティスト、チャック・ベリーのドキュメンタリー。
1950年代にギター主導のビートとストーリーテリング的な歌詞を融合させ、ロックンロールの原型を作りあげたチャック・ベリー。若者文化とアイデンティティを音楽で表現し、若者中心の大衆音楽という新しい潮流を築いた。人種の壁を超えて人気を博した初の黒人ロックンローラーとしても知られ、後続の黒人アーティストたちの道を切り拓いたパイオニアでもある。1986年にはロックの殿堂入りをした最初のアーティストの1人となり、84年にグラミー賞特別功労賞(生涯業績賞)、2000年にケネディ・センター名誉賞を受賞した。
本作には、チャック・ベリー本人のインタビューやパフォーマンスに加え、ビートルズ、ローリング・ストーンズ、ジミ・ヘンドリックス、キース・リチャーズ、ポール・マッカートニー、ブルース・スプリングスティーンといったロック界のレジェンドたちが彼の名曲をカバーした映像を収録。「カラーパープル」「リーサル・ウェポン」シリーズの名優ダニー・グローバーがナレーションを務めた。
2020年製作/55分/アメリカ
原題または英題:Chuck Berry, Brown-Eyed Handsome Man
配給:オンリー・ハーツ
劇場公開日:2026年1月16日(以上、映画ドットコムより)
☆1時間足らずの短い上映時間に、ELO、トム・ペティ、ポール・マッカートニーらによるカヴァーをフルコーラスやったりしたのでビックリ。それはそれで良かったけれど、彼の軌跡を紹介するようなドキュメンタリー映画なのかと思っていたから、ちょっと当てが外れた気分。そもそもドキュメンタリーとして捉えるものではないですね。
時間の短さから見ておそらくはテレビ番組用に作られたものなのでしょうけれど、それにしても作った意図のよくわからない作品でした。
1990年代初頭のポーランドを舞台に、ホロコーストを生き抜いた父とニューヨークで生まれ育った娘が家族の歴史をたどる旅路を、ユーモラスかつ温かいまなざしでつづったロードムービー。「そして明日は全世界に」で知られるドイツのユリア・フォン・ハインツ監督が、オーストラリアの作家リリー・ブレットが実体験をもとに執筆した小説「Too Many Men」を映画化した。
1991年、ニューヨーク生まれのルーシーは父エデクとともに、両親の故郷であるポーランドのワルシャワにやって来る。ルーシーがこの地を訪れるのは初めてだが、ホロコーストを生き抜いた父にとっては約50年ぶりの帰郷となる。この旅でルーシーは自身のルーツを探りたいと考えていたが、奔放な父に次々と計画を潰され、不満を募らせていく。アウシュビッツ=ビルナケウ強制収容所を訪れ、初めて父の口から恐ろしい記憶を聞かされるも、2人の心の溝は埋まらない。ついに父と別れニューヨークへ帰ると決めたルーシーを、父は思いがけない場所へと連れていく。
ドラマ「GIRLS ガールズ」で製作・脚本・監督・主演を兼任したレナ・ダナムが娘ルーシー、「ホビット」シリーズのスティーブン・フライが父エデクを演じた。
2024年製作/112分/G/ドイツ・フランス合作
原題または英題:Treasure
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2026年1月16日(以上、映画ドットコムより)
☆アウシュヴィッツの記憶を引き摺る父とその娘のワルシャワへの旅、内容的には昨年観た「リアル・ペイン」も思い起こしますが、旅の最中にも娘の立てたスケジュールを無視してトラブルも巻き起こし、旅先で出会った女性ともいい仲になったりなど自由奔放な性格で、色々と理由をつけて電車での移動を嫌がる父のトラウマが明らかになった時にこの映画の奥の深さを感じた思いでしたし、そこへの話の持って行き方も実に見事なストーリーだったと思います。上映館が少ないこともありあまり話題になっていないようなのが残念です。
当時21歳の現役大学生だった波木銅が、第28回松本清張賞を満場一致で受賞し話題を呼んだ青春小説「万事快調 オール・グリーンズ」を映画化。
ラッパーを夢見ながらも、学校にも家にも居場所を見いだせずにいる朴秀美。陸上部のエースで社交的、スクールカースト上位に属しながらも家庭に問題を抱える映画好きの矢口美流紅。大好きな漫画を自己形成の拠り所としている、斜に構えた毒舌キャラ・岩隈真子。未来の見えない田舎町で、欝々とした日々を送る3人の高校生は、自分たちの夢をかなえ、この町を抜け出すためには一獲千金を狙うしかないと考え、同好会「オール・グリーンズ」を結成。ある禁断の課外活動を始めるが……。
NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」「光る君へ」や映画「愛されなくても別に」で注目を集めた南沙良が朴秀美役を、「赤羽骨子のボディガード」の出口夏希がもうひとり主人公・矢口美流紅役を演じる。2人とともに「オール・グリーンズ」を結成する岩隈真子を、「ルックバック」の吉田美月喜が担当。監督・脚本は「猿楽町で会いましょう」の児山隆。
2026年製作/119分/PG12/日本
配給:カルチュア・パブリッシャーズ
劇場公開日:2026年1月16日(以上、映画ドットコムより)
☆主演の女の子たちがとにかく可愛かったです。ちょっとあり得ないストーリーながらも中盤はかなり面白い展開になっていったのに、ラストがあまりにも奇をてらい過ぎていたというか現実離れしていたのが惜しかったなぁ。
世界中で社会問題となっているロマンス詐欺を題材に、40歳を目前にした台湾の独身女性がマッチングアプリで出会った“運命の人”を追ってパリへ向かう姿を描いたドラマ。
台湾の山間部でファームを営む38歳の独身女性フイジュン。長年面倒を見てきた弟ウェイホンの結婚式が間近に迫るなか、叔母からは結婚を急かされうんざりしている。そんな折、高校生の姪から強引にマッチングアプリに登録された彼女は、「サリー」というニックネームでアプリを始める。パリで画廊を営むフランス人のマーティンと知り合い求愛された彼女は、周囲からロマンス詐欺だと警告されながらも、真実の愛を確かめるべく単身パリへと向かう。
伝説的アイドルデュオ「Sweety」としてデビューし、近年は俳優や司会者として活躍するエスター・リウがフイジュン役で主演を務め、「僕と幽霊が家族になった件」のリン・ボーホンが弟ウェイホン、ヒップホップアーティストで本作の音楽も手がけるリー・インホンが幼なじみハオを演じた。短編作品やテレビ映画などでキャリアを重ねてきたリエン・ジエンホン監督が長編映画初メガホンをとり、「父の初七日」などで知られるベストセラー作家エッセイ・リウがリエン・ジエンホン監督と共同で脚本を担当。
2023年製作/105分/G/台湾・フランス合作
原題または英題:莎莉 Salli
配給:アニモプロデュース
劇場公開日:2026年1月16日(以上、映画ドットコムより)
☆タイトルのサリーは主人公のハンドルネームなのですね。ちょっとほろ苦い場面はあるけれど、こうしたホンワカした映画は大好きです。
私自身がマッチング・アプリを利用したことが全くないので、それを日常で使っている場面にはちょっと違和感を覚えてしまいましたが、ロマンス詐欺を題材にしていながらも、直接的な被害が無かったことからあまり悲壮感はなく、姉弟間の家族愛にホロリといった感じでした。台湾の片田舎のローカル的な佇まいや風習なども色々と描かれていて興味深かったです。
「エレファント・マン」「ツイン・ピークス」などで知られる鬼才デビッド・リンチが、ニューヨークタイムズ紙に掲載された実話をもとに描いた、心温まるロードムービー。長年音信不通だった兄に会うため、トラクターに乗ってひとり旅に出る老人の姿を映し出す。
73歳のアルヴィン・ストレイトは、アメリカ・アイオワ州ローレンスで娘のローズと暮らしている。ある日、仲違いして口をきかなくなっていた76歳の兄のライルが心臓発作で倒れたとの知らせが入り、アルヴィンは兄に会いに行くことを決意する。ライルの住むウィスコンシン州マウント・ザイオンまでは560キロ。車であれば一日の距離だが、アルヴィンは運転免許を持っていない。しかし、自分の力で会いに行くと決めたアルヴィンは周囲の反対に耳も貸さず、たったひとり、時速わずか8キロのトラクターに乗り、旅に出る。
1994年のニューヨークタイムズ紙に掲載された実話の記事をもとに、リンチの当時のパートナーで、作品の編集なども手がけるメアリー・スウィーニーが脚本を執筆。主人公アルヴィンをリチャード・ファーンズワースが演じ、アカデミー賞およびゴールデングローブ賞の主演男優賞にノミネートされた。娘ローズ役はシシー・スペイセク、兄ライル役はハリー・ディーン・スタントン。1999年・第52回カンヌ国際映画祭のコンペティション部門出品。
1999年製作/111分/G/アメリカ
原題または英題:The Straight Story
配給:鈴正、weber CINEMA CLUB
劇場公開日:2026年1月9日
その他の公開日:2000年3月25日(日本初公開)(以上、映画ドットコムより)
☆にわか映画ファンのため勿論初公開時には観ていませんでしたが、今回の再上映を観る機会に恵まれて良かったです。出会う人達とのやりとり一つ一つが印象的で、とても温かみのあるロード・ムーヴィー...というだけではなく、途中で語られる戦争時の記憶と密かに引きずり続けた自責の念が重く響きます。
ただ、何しろアメリカの地理に疎いので、こういう映画はやはりアメリカの地図を頭に入れておく必要性を痛感しました。
ところでマウント・ザイオンと言うとドン・ニックスのアラバマ・ステイト・トルーパーズのバンドとコーラス隊の名前を思い出してしまうけれど、そこから取られた名前なのでしょうか?
「淵に立つ」「LOVE LIFE」の深田晃司監督が、アイドルの恋愛禁止ルールを題材に描いたオリジナル作品。恋愛禁止ルールを破ったとして裁判にかけられる女性アイドルの姿を通して、日本で独自に発展したアイドル文化と、その中で暗黙の了解とされてきた「アイドルの恋愛禁止」問題について切り込んだ社会派ドラマ。深田監督が「元アイドルの女性に賠償命令」という新聞記事に着想を得て、構想から10年をかけて完成させた作品で、主演をアイドルグループ「日向坂46」元メンバーの齊藤京子が務めた。
人気上昇中のアイドルグループ「ハッピー☆ファンファーレ」でセンターを務める人気メンバーの山岡真衣は、中学時代の同級生・間山敬と偶然再会し、意気投合して恋に落ちる。アイドルとしての立場と恋愛との間で葛藤していた真衣だったが、ある事件をきっかけに衝動的に敬のもとへ駆け寄る。それから8カ月後、真衣は所属事務所から「恋愛禁止条項」の契約違反として裁判所に召喚されることになる。裁判では、事務所社長の吉田光一やチーフマネージャーの矢吹早耶らが真衣を追及するが……。
元アイドルである齊藤が、その経験を生かして真衣の葛藤や成長を繊細に演じた。真衣と恋に落ちる間山敬役にドラマ「SHOGUN 将軍」の倉悠貴、所属事務所チーフマネージャー・矢吹早耶役に「極悪女王」の唐田えりか、事務所社長の吉田光一役に人気声優であり俳優としても映画やドラマで活躍する津田健次郎。2025年・第78回カンヌ国際映画祭のカンヌ・プレミア部門に正式出品された。
2025年製作/124分/G/日本
配給:東宝
劇場公開日:2026年1月23日(以上、映画ドットコムより)
☆ほとんど暇つぶしで観たようなものでしたがなかなか面白かったです。タイトルの割には法廷シーンはほとんどなく、そこに至るまでの過程と、裁判をめぐるやりとりや、後日談的なものが主に描かれていましたが、アイドル稼業もなかなか厳しいものがありますね。今どきのアイドルでもやはり恋愛禁止ルールが罷り通っているのはまだしも、恋愛禁止条項違反で訴えられるなんてことあるのでしょうかね?(笑) 個人的には全く馴染みのない世界でありましたが、それだけにフィクションとはいえ描かれているシチュエーションにはなかなか興味深いものがありました。主役の女性は日向坂46の元メンバーということでしたが、ちょっと地味目で大人っぽくおよそセンターという雰囲気を感じさせず、でもストーリー展開を考えるとなかなか適役だったかもしれません。
「夜明けまでバス停で」の高橋伴明監督が、安楽死を題材に描いた社会派ドラマ。
「安楽死法案」が可決された近未来の日本。国家戦略特区として、安楽死を希望する者が入居しケアを受けられる施設「ヒトリシズカ」が開設されたが、倫理と政治の最前線で物議を醸す存在となっていた。難病を患い余命半年を宣告されたラッパーの酒匂章太郎は安楽死法に反対しており、パートナーでジャーナリストの藤岡歩と共に、特区の実態を内部告発することを目的に「ヒトリシズカ」に入居する。施設には、末期がんに苦しむ池田とその妻・玉美、認知症を抱える元漫才師の真矢など、さまざまな境遇と苦悩を抱える入居者たちが暮らしていた。彼らとの交流や医師たちとの対話を通じて、章太郎と歩の心は少しずつ変化していくが……。
「『桐島です』」の毎熊克哉が章太郎、「夜明けまでバス停で」の大西礼芳が歩を演じ、平田満、筒井真理子、余貴美子、加藤雅也、板谷由夏、下元史朗、奥田瑛二、友近、鈴木砂羽が共演。医師・作家の長尾和宏による同名小説を原作に、「野獣死すべし」などの丸山昇一が脚本を手がけた。
2025年製作/129分/G/日本
配給:渋谷プロダクション
劇場公開日:2026年1月23日(以上、映画ドットコムより)
☆高橋伴明監督は変にエキセントリックな場面が必ずあるのでそれがどうも好きになれないのですが、そう言いつつもつい新作となると観てしまいます。題材からして、やはり少し前の映画「PLAN 75」を思い出さずにはいられませんが、医療関係者の間でも意見が分かれたりする場面など、遥かに現実味を感じますし、いずれは医療や介護など諸々の事情から合法化されるのであろう「安楽死」について色々と考えさせられましたし、主人公が絶命するシーンはちょっと謎も残しますが何とも美しく切ないものでした。それだけに本編ラストのやはりあの監督らしさの出る場面には苦笑してしまいましたが、最後に挿入された安楽死を望み海外で実践しかけた人のインタビューで締められたのは良かったと思います。
いきなりライヴの場面で過去に何度も訪れていた吉祥寺のManda-La2が出てきたのでビックリ♬
小説家・柚木麻子の連作短編集「終点のあの子」を、「Sexual Drive」「愛の病」の吉田浩太監督が映画化した青春映画。全4編からなる原作小説の第1話にあたる柚木のデビュー短編「フォーゲットミー、ノットブルー」を中心に映画化し、狭い世界に固執する私立女子高校を舞台に、揺らぎやすい少女たちの友情と複雑な心情を、リアルかつ切なく残酷に描き出す。
私立女子高校の入学式の日。中等部から進学した希代子と奈津子は、通学途中に青い服を着た見知らぬ少女から声をかけられる。彼女は高校から外部生として入学してきた同級生の朱里で、海外暮らしが長く、父親は有名カメラマンだった。自由奔放で大人びた朱里は、学校では浮いた存在でありながらも羨望のまなざしを向けられ、希代子もそんな彼女にひかれていく。徐々に朱里と行動をともにするようになった希代子の世界は明るく輝き出すが、そんな矢先、希代子は朱里の日記帳を見つける。
希代子役で當真あみ、朱里役で中島セナが主演を務め、同級生の奈津子を平澤宏々路、クラスのリーダー的存在・恭子を南琴奈、希代子の先輩で美大生の瑠璃子を深川麻衣、希代子の母・美恵子を石田ひかりが演じた。
2026年製作/125分/G/日本
配給:グラスゴー15
劇場公開日:2026年1月23日(以上、映画ドットコムより)
☆和気藹々とやっていた同級生たちとの間に一人異端児が入ってきたことで調和が乱れつつ、その少女と親しくなっていったと思いきや、日記に書かれた本心を知り、次第に距離を置くようになるばかりか....10代の女の子達の微妙な感情のズレによる痛々しい展開が重く心に突き刺さる映画でした。
ただ、読んだ日記をそのまま持ち帰って、更には相手を貶める道具にしてしまうといったストーリーは、さすがにあり得ないかなと思ったりはしましたが.....
「ピンク・フラミンゴ」などのカルト作品で知られる鬼才ジョン・ウォーターズが、1988年に手がけた青春ミュージカルムービー。60年代のボルチモアを舞台に、音楽とダンスの力で社会の不平等に立ち向かっていく少女の姿を、ジョン・ウォーターズらしい強烈な毒気は抑えつつ、ユーモアと風刺を織り交ぜて描いた。
1962年、ボルチモア。ダンスとファッションが大好きな明るい少女トレイシー・ターバラッドは、地元の人気テレビ番組「コーニー・コリンズ・ショー」に出演することを夢見ている。ひょんなことから番組のオーディションに合格し、一躍注目の的となったトレイシー。しかし、その華やかな舞台裏には人種差別と偏見の壁が立ちはだかっていた。トレイシーは黒人ダンサーたちと手を取り合い、番組の統合を求めて立ち上がる。
「ピンク・フラミンゴ」「フィメール・トラブル」などのジョン・ウォーターズ作品への出演で知られたディバインがトレイシーの母エドナを演じ、本作が遺作となった。本作はのちにブロードウェイでミュージカル化されてトニー賞8部門を受賞。2007年にはリメイク版の映画が公開され、こちらも大ヒットを記録した。
1988年製作/92分/アメリカ
原題または英題:Hairspray
劇場公開日:2026年1月23日
その他の公開日:1989年4月1日(日本初公開)(以上、映画ドットコムより)
☆後に舞台化やリメイク映画もできたジョン・ウォーターズの「ヘアスプレー」、確か当時渋谷でトム・ウェイツの映画を観た時に、たまたま予告編を見て面白そうと思い観に行ったという記憶があります。ソフトも持っているけれど、やはりもう一度スクリーンで観たいと思い、スケジュールに捩じ込みました。
今観ても最高に面白く、リッキー・レイクの可愛さ、ディヴァインの怪優ぶりが素晴らしく、また夫婦役のデボラ・ハリーとソニー・ボノ、ビートニクの前衛芸術家役のリック・オケイセック、レコード店店主役のルース・ブラウンなどが一切歌わずに演技だけで出演というのが凄いです。ちなみにリズム&ブルース・シンガーのトゥーサン・マッコールはこの映画で知りました。
滑稽なくらいに1960年代初めの人種差別が描かれていて、公開当初はそれも遠い日の出来事として観ていられたけれど、何だか今はその時代に戻りつつあるように思えてしまいます。
山小屋の多い八ヶ岳を山岳写真家の菊池哲男と共にめぐり、自然と命に向きあう人々の知られざる物語を圧倒的な映像美でつづったドキュメンタリー。TBSドキュメンタリー映画祭2025年にて上映された「小屋番 KOYABAN 八ヶ岳に生きる」をもとに、四季折々の自然をとらえた新たな映像やインタビューを加えて再編集を施し、劇場版として公開する。
「コヤガタケ」と呼ばれるほど多くの山小屋が存在する八ヶ岳を、山岳写真家の菊池哲男とともにめぐっていく中で、さまざまな思いを抱えながら「小屋を営むもの=小屋番」の道を選んだ人々にカメラを向け、コンビニも車もないなかで自然と真正面から向きあう過酷な日常を選んだ理由や、登山を楽しむ人々を支え、時には死と遭遇することもある彼らの仕事に迫る。
2026年製作/85分/G/日本
配給:KeyHolder Pictures
劇場公開日:2026年1月9日(以上、映画ドットコムより)
「さくらん」の脚本や「月とチェリー」で注目されたタナダユキ監督がオリジナル脚本で描く青春ムービー。主演には「ニライカナイからの手紙」「フラガール」の蒼井優を迎えた。
短大卒業後、就職もできずにアルバイト生活を送っている鈴子。ひょんなことである事件に巻き込まれた彼女は、人との関わりをけるように家族のもとを離れ、100万円が貯まるたびに誰も知らない土地へと移り住むことにする。100万円があれば住む場所を確保でき、なんとか暮らしていくことができる。海の家や桃畑、行く先々で働きながら、さまざまな人たちと出会い、その温かさに触れるが、やがてその関係から逃げていく。そんな生活を送っていたある時、鈴子は初めて自分の心を打ち明けられる恋人に出会い、幸せな日々を送るのだが……。
人と接するのが苦手で不器用な鈴子を蒼井が演じ、鈴子がひかれる大学生・中島役で「世界の中心で、愛をさけぶ」の森山未來、心優しい桃畑の男・春夫役でピエール瀧らが共演。主題歌は「クラムボン」の原田郁子が担当。
2008年製作/121分/日本
配給:日活
劇場公開日:2026年1月16日
その他の公開日:2008年7月19日(日本初公開)(以上、映画ドットコムより)
☆18年前の作品だけあってみんな若い!これまで魅力のわからなかった蒼井優にもキュンとなりました(笑)
レヴューによってはロードムーヴィーと紹介されてはいましたが、居場所を変えはするものの、移動の最中に何かあるということは特にないので、ちょっと違うように思います。そもそもそのきっかけがルームシェアをするはずの友人とその彼氏が直前で別れてしまったことからというのがちょっとあり得ないようにも思いましたし、いじめられっ子の弟もあまりに不条理でしたが、海の家や農家などひとつひとつのエピソードに何となく観続けてしまう魅力があり、だからこそ長く愛されてもいる作品なのかもしれません。




















