やせっぽちのヒロシのブログ

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音楽とお酒が大好きです。
趣味は国際交流?(笑)。

アーカイヴス その26に続き、2007年2月下旬から3月中旬にかけて観たライヴのレポートです。

 

 ☆ ☆ ☆ ☆

 

2/25 Joanna Newsom vs Smog @O-West
休日だというのに19:00からの開演で、ギュウギュウの立見で、2組のメインがあるにも関わらず、更に予告のない前座まであったりする。
という訳で、まず前座の日本人バンドは、渋さ知らズmeetsクレイジー・キャッツみたいな感じ。それはそれで面白いのだけれど、この日はハッキリ言ってジャマ!(ゴメンネ)
続くSmogは、あまり上手いとはいえないギターの弾き語りで、太目のバリトン・ヴォイスはいいけれど、曲が魅力に乏しくビートもないから、身動き取れない中での立見はこの上なく辛い。地獄の責め苦だった。
主役のJoannnaも、最初の何曲かはさすがにそのハープの音色共々引き込まれたけれども、やはり酸欠状態での立見でこうしたアコースティック音楽を聴くのは1時間が限界。新作からの曲は長尺物が多かったので、辛さに拍車をかけた。
終了したのは23:00近く。帰り道はY氏、M氏とともにボヤキっ放し。
「最近のコンサートって、主催者は、長くやれば客が満足すると思ってるんじゃない?」というM氏の意見にうなずく。

3/1 Vashti Bunyan @リキッド・ルーム
すでに京都や大阪でのライヴをご覧になった方々の感想では、最悪の環境で見ざるを得なかった状態への憤りのようなものが多かったので、覚悟を決めて臨んだライヴ。
しかしさすがは都内のライヴ・ハウスの中でもかなり大きいハコだけあって、立見の辛さはあっても、酸欠状態となることはなく、更に余計な前座もないから、集中してみることができた。
実は、この人の魅力って、僕には今一わからない。でも2枚のアルバム(その間には35年の隔たりがあるというのに)とも共通した聴き心地の良さがあって、それは今回のライヴでも全く同じだった。
抑揚もなく声量もない消え入りそうなヴォーカルだけど、決して眠くなるような退屈さはなく、適度な緊張感もあって、それでいて温かい。曲ごとの構成がしっかりしているからなのか、あるいはサポートする二人がいい仕事をしたからなのか?
途中フィーチャーされたその二人の歌もいいアクセントになっていたのかもしれない。
新旧の曲を、それぞれ作ったときのエピソードを紹介しながら歌っていったのも、わかりやすくて良かった。
そして悪評高い問題のサイン会(笑)。当日その場でCDを買わないとサインはもらえない、その上最後には売り切れとなってしまい、買えなかった人には「握手だけにしろ」と言ったという。どこまで客をバカにしているのだろう。おそらくそれはアーティスト側も不本意だろうに。
ちなみに僕は同じCDを2枚買うほど裕福ではないので、たまたま並んでいた友人にコッソリ持参したCDを渡し、ちゃっかりサインだけもらってしまいました。

 

3/3 Pauliina Lerche @Pit-Inn
元Valtinaのメンバーと言われても、それほどよく聴いていたわけではないので、名前に全く聞き覚えがなかったけれど、たまたま土曜日で夜に予定がなかったから急遽行くことに。
予約なしで行ったので立見を覚悟していたけれど、スンナリ座れた。ワールド・ミュージック・ブームも遠い昔のことになってしまったものです。
もっともフィンランドらしさ(というのもよく判らないけれど)を期待すると、多分裏切られるんだろうなと思うくらい、バックの演奏はブルーグラスやアイリッシュのインストものを思わせる洗練ぶりで、特にドブロ奏者はモロにJerry Douglasの影響を感じた。
しかし、そこにコブシの入ったPauliinaと妹Hannamari Luukkanenのポリフォニーのようなヴォーカルが入ると、それが面白いミクスチャー音楽になる。これにはハマってしまった。
彼女は主にアコーディオンも弾くが、更に数曲カンテレという楽器も演奏する。これ、まるでスノーボードに弦を張ったみたいで、それもボディの色がエメラルドグリーンというのが、何とも安っぽく思えた。
実はこの日も、このバンドだけで2セットやるのに、前座があった。福というジプシー音楽風のバンドだったけれど、久々にHONZIの演奏が聴けたのは嬉しかったものの、この日にやる必要はなかったように思えた。

3/4 RS GIRL SINGERS LIVE IN TOKYO 2007 @duo music exchange
またまたタイ・ポップスのイヴェントです。
今回は入替制で2組ずつ、当然通し券で買うのが正しい楽しみ方なのだろうけれど、第一部の方は(聴いたことがないので、あくまでも見た目の印象だけど)タイのハロプロ系に思えてしまい、オジさん的にはちょっと辛そうだったので、第二部だけにした。
R&B系のLydiaと、昨年も来日したParn。
個人的には、欧米風のポップスLydiaよりは、国民的歌手のParnの方が聴いていて心地よい。
例によってタイ国王賛歌から始まるこのライヴ、相変わらずタイの留学生とおぼしき人たちが多くいたけれど、今回はアイドル・マニアみたいな日本人客も増え、あの独特のオタク臭を放っていたのがちょっと気になった。
え?自分のことを棚にあげている? ごもっとも(笑)。
予想通りアンコールでは第一部に出た2組も登場したが、メチャクチャ可愛い♪ やっぱり両方見るべきだった?

 

3/10 SEA OF LOVE vol.4 @Shibuya Boxx
沖永良部出身の大山百合香をちょっと聴いてみたいと思っていたので行ってしまったイヴェント。
5組の出演者は全て女性ヴォーカリストということで、またオタクっぽいのがいっぱい集まるのかも...と危惧していたけれど、特にそうした感じではなかったので、ホッとする。
しかし、数多く出れば嬉しいというものではない、長くやればいいというものではないことを、ここでも実感。
正直、「ポジティヴ」と言えば聞こえはいいけれど、薄っぺらいメッセージごっこでノーテンキなだけのレゲエ・バンドにはウンザリさせられたし、ヒドイ時には40分のステージをやるのに30分近いセッティングの間があった。
トリの大山のステージでは、途中何かのキャンペーン・ソングをここで収録するからと、歌の作者が登場し、コール&レスポンスの練習~本番~途中で歌詞につまったため再演という展開に閉口。
ダメ押しでアンコールでも参加者全員でその歌を更にもう一度ということになり、アタマに来て最後の最後で出ちゃいました。
ツマらない歌を何度も聞かされたうえ、それを覚えてしまった自分の情けなさにも腹が立っています(苦笑)。

3/11午後 Sasha Dobson, Jesse Harris & Richard Julian @タワーレコード渋谷店
今回は来日公演をパスしてしまったが、インストアがあるということだったので、日曜の昼下がり渋谷へ見に行ったら、30分程度のミニ・ライヴだったけれど、凄くよかった。
やはりこうしたライヴは小さいハコでアコギの生音が聞こえるくらいのところで見るのがいいのかも?
Jesseは相変わらずちょっと甘ったるい感じだったけれど、Little WilliesのRichard Julianが渋くて、両者が共演すると、何ともいえない良さがあった。Sashaも魅力的な声で、その夜にあるライヴも見たくなったが、残念だけど用事のため見られず、ちょっと悲しい思い。



3/11夕方 ji ma ma @銀座わしたショップ
更にこの日はインストアのハシゴ。
前日見た長いイヴェントで唯一好感を持った沖縄のji ma maを二日続けて見てしまった。
彼女が主題歌を歌う、夏に公開される映画「アコークロー」のプロモーションも兼ねているらしい。
ハスキーな声で情感たっぷりに歌う彼女のステージは、インストアとはいえ、なかなか聴き応えがあった。何よりも不自然な英語の歌詞にならないのがいい。
MCがモロに沖縄なまりになるのも可愛かったし(笑)。
例の映画の主題歌では、歌っている最中に泣き出してしまうハプニングもあったが、それだけ入れ込んだものがあったのだろうね。

 

3/17午後 Carlos Johnson @タワーレコード渋谷店
またしてもインストアです。前日の東京公演は仕事で見られなかったが、満員御礼の酸欠状態の中、とても盛り上がったらしい。
更に打ち上げも明け方まで続いたようで、昨夜に続いて見に来た客とも打ち解けた感じ、インストアだというのに異様な盛り上がり方だった。
本人もそんな状況にとても気をよくしているようで、短い持ち時間の中、リラックスしつつもいい演奏を聞かせてくれた。2曲目のAlbert Kingの名曲「I'll Play The Blues For You」にはそんな彼の思いが伝わってくるようだった。
Marvin Gayeの「What's Going On」もいい感じだったな。

3/17夜 Dream Synapse @なってるハウス
さがゆき+渋谷毅のDay Dream
さがゆき+加藤崇之のSynapse
その両方を合わせてDream Synapseという判りやすいネーミング。
この3人での取り合わせは本邦初だとのこと(海外では共演済みだとか)。そういえば、最近渋さ知らズには加藤・渋谷両氏とも参加していないのかな?
さすがに人気の高い人たちの共演なので、狭い店内は超満員。
第一部・第二部ともオープニングはフリー、そしてボサノバやジャズのスタンダードと続く。最近は日暮里のボサノバ酒場でよく演奏しているというSynapseだけあって、「Corcovado」や「Dindi」といった曲が良かった。
個人的には、第一部をフリー、第二部をスタンダードとしてもらった方が判りやすくていいのに....と思ったが、多分彼らや熱心なファンの人たちからは「え?、何でそんな必要があるの?」と返されるのがオチだろうな。多分彼らにはそうした垣根がないのだと思う。
何だかんだ言っても、楽しかった。



さて、さんざん長いライヴについてウダウダ言っておきながら、読み返してみると、この記事もやたら長いことに気がついた。
それもただダラダラと書いているので、まとまりもない。
「長けりゃいいってもんじゃないぜ」という言葉は、自分に返ってきてしまいそうですね(苦笑)。

 

2007年3月22日 記

 

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一体、どんだけ観に行っていたんでしょう。この時期の記録を見ると呆れてしまいます。それも仕事も結構忙しい時期でしたから、よく終電かそれに近いくらいの電車で帰っていたのでした。