企業の顔といえば、やはりトップである「社長」です。優れた決断力、強力なリーダーシップ、自社の事業や業界のこと、将来の会社像を堂々 と語り、さらにその先に創造したい社会について語る存在でもあります。しかし優秀な「参謀」なしでは計画も実行もできない砂上の楼閣にすぎません。

 

 企業を取り巻く環境の厳しさ、不確実さが増す中で、現場の羅針盤および司令塔として経営課題に取り組む役割を果たす人を「企業参謀」と言います。経営の本質を悟り、企業の活動にフィットした組織開発、戦略思考によるビジョン設定と実行計画を立てる人でもあります。

 

 

 

 参謀の信条

 

 参謀は必ず優秀な組織の一員となることによって、社会に貢献する。この使命を達成するにあたって、以下のような信条を定めるものとする。

 

  • 組織のために奉仕し、組織の成功と失敗を享受する。
  • 高い道徳感を持ち、倫理を遵守する。
  • 自分が成功するか失敗するかは心構え次第である。経験の中から絶えず学び、よりよい自分を作り上げるよう努力する。
  • 自分の長所と欠点は自分が生み出したものだ。だから自分の意識次第で欠点は変えられる。
  • 経営者と従業員は互いにサポートしあい励ましあう仲間であることを知る。
  • 人間は聖人君子ではないため、誰にでも過ちはある。このことを理解したうえで経営者と向き合う。
  • 共通の目標こそ、我々を導いてくれる最高の指導者である。
  • 経営者がうまく権限を発揮できるように支援する。
  • 経営者が職権を乱用するようなことがあれば、その行為を正す。
  • 自分が職権を乱用するようなことがあれば、他人を手本にして自分の過ちを正す。
  • 経営者が職権を乱用し、注進を受け入れなければ見限ることも考える。
  • 自分を信じ、キャリア・プランニングをしっかり持てば、冷静に物事に処すことができる。
  • 部下が一人増えれば組織の力が一つ増え、素晴らしい力が一つ増えることになる。
  • 勇気を持つ努力に終わりはない。「今現在、自分は何をなすべきか」と常に自問する。

 【出所:水煮三国志】

 

 

 

 経済を取り巻く環境変化は我々の就労形態も大きく変えることになりました。天職は当たり前のように行われるようになり、終身雇用はもはや昔の面影といったところです。会社が従業員の面倒を見てくれる時代は終わったようです。

 

 そうなれば、自分のことは自分でしなければならないという覚悟が必要になります。その中にあって組織を運用するには、個々の従業員が運命共同体的な責任の中で役割を果たさなければなりません。組織の一員としての役割がこれまで以上に重視されてきています。特に、企業にとって参謀の役割はこれまで以上に求められています。