徐州電気株式会社の社長である「陶謙」は病でなくなり、彼の意向により「劉備」は新社長になります。まだ若くて経験の少ない「劉備」は経営に関して経営企画部長である「陳登」から色んなアドバイスを受けることになります。
「経営とは何か?」という劉備の質問に対して「陳登」は、「経営とはマネジメントゲームであり、そのゲームをやるに当たって権威がマネジメントするためのエネルギーになる。」と答えました。そしてマネジメントゲームのルールを説明します。
マネジメントゲームのルール
1. 経営とはマネジメントゲームである。知恵を駆使すれば勝つことができるが、それができなければ天命に任せるしかない。
2. ゲームで勝つには、まずゲームのルールを上手に設計しなくてはならない。そのルールとは、「職務の権限範囲」、「従業員の行動規範」、そして「にんじんと棍棒による賞罰制度」である。
3.ゲームの前では、参加者にはたった二つの選択肢しかない。自分は勝てると信じて勝つために充分なエネルギーをすべて投入するか、このゲームに参加しないかである。
4.勝利を確信しなければ、勝敗の決定権を失うことになる。心の揺らぎは意思決定を誤らせ、勝敗の決定権があなたの手から滑り落ちていく。
5.自分自身を完璧にコントロールできるのであれば、すべてのプレやーに打ち勝つことができる。
6.勝利を得る最良の方法は、自分に足りない部分を補ってくれる他のプレやーと手を組み、双方が勝者になることである。
7.あなたはすべてのプレやーのライバルであり、利用されたり排除される可能性もある。その一方で、すべてのプレやーがあなたのライバルであり、利用すべき者もいれば排除すべき者もいる。
8.ゲームの参加者は、他者の弱点を突こうと狙っている。だからあなたは弱点を悟られてはならない。
9.一方で、弱点(例えば、弱いふりをする)をわざと見せつけるのも賢い方法のひとつである。そうすることで、ライバルの気を緩ませることができる。
10.感情を利用することも時には必要であることを知る。あなたの情けが他者を動かすこともある。しかし、その情けを突かれてライバルに利用されるだけは避けたい。
11.自らを律するとは、ライバルとどのように付き合うべきかということである。あなたの最大の敵はあなたの心に潜むことを自覚しておくことが大切である。
12.蚕が繭をつくるように自分で作ったルールで身動きが取れなくなってはならない。ルールはあなたが楽にゲームに勝つためのものであることを意識して作るのである。
【出所:水煮三国志】
一般的に経営の3要素と言えば、組織運営に必要な「人、物、金」を言います。その中で一番大事なのはやはり「人」でしょう。経営者として会社をマネジメントするということは言い換えれば従業員をマネジメントすることになりますが、これをゲームに例え、そのルールを作る際の基本的な注意点を説明しています。経営者が作るルールですのであくまで経営者が楽に勝つようなルール作りに気を払うべきです。